WEST報知では、第98回センバツ高校野球大会(19日開幕・甲子園)に出場する注目選手を随時、紹介する。第3回は、昨秋の近畿大会で準優勝した智弁学園(奈良)の逢坂悠誠内野手(1年)。

下級生にして強豪の4番を務める長距離砲は、憧れの父と同じユニホームで聖地の土を踏む。

 何度もマメをつぶした分厚い手で、夢への切符をつかんだ。昨秋は1年生にして強豪・智弁学園の4番を務めた逢坂は「楽しいです。好機で回ってくることが多くて、ヒーローになれる」と言い切った。父・優友さん(42)も同校の三塁手として、01年春夏の甲子園に出場。智弁ファンとして育ったスラッガーは聖地での“父超え”を誓った。

 原点は公園でのキャッチボール。幼少期には、甲子園で父が活躍する映像を何度も見返した。常に「好きなことをやれ」という優友さんの強制はなかったが、自然と野球を選んだ。高校進学の選択にも「楽しくやれたら、どこでもいい」とだけ。入学が決まると「しんどいやろうけど、頑張れ」と笑い、試合観戦の度に感想や助言をくれる。そんな大好きな父の唯一の注文は「俺は甲子園で勝っている。

まだ上から物を言わんといてくれ」。この春の目標は夏に2勝(3回戦敗退。春は初戦敗退)した“大先輩”を超えることだ。

 小坂将商監督(48)の指導は「4番は走れ」。岡本和真(ブルージェイズ)、前川右京(阪神)ら歴代の強打者も同じ道を歩んだ。指揮官は「バットを振っているだけでは良くならない。走って、下半身のキレをつくる」と力説する。早朝から走る逢坂のランニング量は岡本や前川を上回る。実力と姿勢に加え「ハートもいい。動じることがない」と、甲子園通算27勝の名将が評価する逸材。堂々と聖地にデビューする。

 父は甲子園で計5打点(全て夏)を挙げた。

「接戦でタイムリーを打って、観客は満員。(歓声が)すごいなと思った」。かつて画面越しに覚えた興奮を、自身が実現する番だ。(安藤 理)

 ◆逢坂 悠誠(おうさか・ゆうせい)2009年6月29日、奈良・上牧町生まれ。16歳。上牧第三小3年から軟式の上牧ジャイアンツで野球を始め、上牧中では橿原ボーイズでプレー。高校では1年秋からベンチ入り。高校通算2本塁打。177センチ、85キロ。右投左打。

 ◆野球関係者を家族に持つ主な今大会出場選手

 ▽大阪桐蔭・中村勇斗内野手 父はOBで現西武の剛也。プロ野球歴代10位の481本塁打。

甲子園出場はなし

 ▽専大松戸・真田陽向内野手 父は巨人などでプレーした裕貴氏(現巨人スコアラー)。姫路工(兵庫)のエースとして01年センバツで初戦敗退

 ▽同・松岡健造投手 親戚に元ヤクルトの松岡弘氏(現花巻東女子硬式野球部特別コーチ)。通算191勝。倉敷商(岡山)では甲子園不出場

 ▽横浜・東浜成和投手 親戚にソフトバンク・東浜。沖縄尚学で08年センバツV

 ▽佐野日大・中村盛汰内野手 祖父・中村順司氏はPL学園監督として甲子園で優勝6度。父・猛安氏は日大東北で監督、部長を務めた

 ▽花咲徳栄・岩井虹太郎内野手 父は現監督の隆氏。17年夏にV

 ▽長崎日大・下窪竜太郎内野手 叔父の下窪陽介氏は元横浜。鹿児島実の96年センバツ優勝投手

 ※ベンチ入り正式決定は後日

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