◆第70回大阪杯・G1(4月5日、阪神競馬場・芝2000メートル)追い切り=4月1日、栗東トレセン

 大きく、青いシャドーロールが上下に揺れる。栗東・CWコースの最後の直線。

メイショウタバル(牡5歳、栗東・石橋守厩舎、父ゴールドシップ)には、まだ余力が十分に残っていた。ゆったり入った序盤こそ少し行きたがったが、許容範囲。直線に向いた瞬間、明らかにスイッチが入った。

 ほぼ持ったまま、首を大きく使ったフォームで前へ、前へ。一気に推進力が増し、最後まで加速は止まらない。5ハロン67秒5―11秒1。数字以上の速さと力強さが伝わった。「道中で引っ張っていたけど、折り合っていた。よかったと思う。ここまで思惑通りにきている」と石橋調教師はうなすいた。

 復活のカギは、成功体験の踏襲にある。昨秋2戦の完敗から復活へ、テーマは「宝塚記念に近づける」。

昨夏のグランプリは馬体が古馬になってから最も軽い504キロ。研ぎ澄まされた馬体で初のG1タイトルをつかんだ。この中間は先週まで2週連続で太宰啓介騎手に調教を任せ、古馬オープン馬を追走する併せ馬。「馬体は有馬記念より減っているが、そういうつくりになるようになってきた」とトレーナーは説明する。中間に十分に負荷をかけてもテンションを上げず、メリハリの利く動きができた愛馬の姿が頼もしい。

 引き続き、鞍上は武豊騎手。昨夏に亡くなった松本好雄オーナーと喜びを分かち合った宝塚記念は、レジェンドにとっても特別なレースだ。「この馬に懸ける気持ちは大きいので、楽しみにしています」。当然、背中越しに十分に特徴も把握し、勝利へのシミュレーションを組み立てている。「いいスタートを切って、リズムよく運べたら、良さは出るのかなと思う。難しい面を持っていますけど、走った時はめちゃくちゃ強い」。夏のグランプリと同じ3戦3勝の仁川の舞台に、強いタバルが戻ってくる。

(山本 武志)

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