馬トク報知で過去の名勝負を当時の記事から振り返る【競走伝】。今回はミッキークイーンが勝った2017年の阪神牝馬Sを取り上げる。

2冠牝馬はやっぱり強い。2015年秋華賞以来の勝利で、重賞3勝目を挙げた。

 暗く長いトンネルを抜けた女傑が、輝きを証明してみせた。中団待機から直線で馬場の真ん中に進路をとると、浜中の力強いアクションに応えるように一頭だけ別次元の切れ味。一気に突き抜けた。

 エンジンがかかってからは一瞬でした。『強いな』と思って乗っていました」。そう振り返る浜中はゴール前で後方を確認すると力強く左の拳を握りしめ、愛馬の首筋を大きくポンと叩いた。2015年の秋華賞以来となる1年6か月ぶりの勝利。その期間、ほぼ手綱を執った主戦の喜びが全身からあふれていた。

 オークスと秋華賞で牝馬2冠に輝いた2015年から一転、2016年は疲労蓄積や捻挫の影響で未勝利。池江調教師は「一時は引退に追い込まれると思うほどでした」と明かした。

しかし、ようやくたどり着いた復活の勝利。「涙が止まらないですね」と復活の感激に浸った。

 次走はヴィクトリアマイル。前年は1番人気ながら、2着に敗れている。「もう一度、この馬と大きいレースを取りたい」と浜中は完全復活を証明する次の大舞台をしっかりと見据えた。

 しかし、同レースは直線で伸び切れずに7着。その後、牡馬相手の宝塚記念で3着など健闘したが、暮れの有馬記念で11着に敗れ、これがラストラン。結果的に、この阪神牝馬Sが最後の勝利となった。

 現役引退後は北海道安平町のノーザンファームで繁殖入り。娘のミッキーゴージャスも重賞勝ちするなど、優秀な遺伝子を引き継いでいる。

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