◇ラグビー リーグワン第17節 浦安 27―24 埼玉(1日、秩父宮ラグビー場)

 レギュラーシーズン12位の浦安が、首位の埼玉を27―24で破る金星を挙げた。後半42分に逆転トライを挙げる劇的白星。

途中出場したFWツイ・ヘンドリックは「入れ替え戦は決まっていて、失うものはなかった。選手たちも力を発揮して、勝利できてうれしい」と頬を緩めた。

 ツイは4月、今季限りでの引退を表明。3月21日の東京ベイ戦以来のグラウンドに立ち、この日改めて「家族が一番大きなところ。日本でプロとして20年ほどやってきて、これから子どもに対しても時間をかけていきたいというのもある。あとは、身体もちょっとずつ壊れてきているから(笑)」と理由を説明した。15歳から2歳まで、2男1女の子どもたちがいるという。引退後は、母国ニュージーランドで一度休息し、来季以降は「コーチとして、戻ってきたい」と語った。

 帝京大への進学を機に来日し、11年度にトップリーグ時代のパナソニック(現埼玉)入団。サントリー(現東京SG)での11季を経て、浦安で2季過ごした。14年に日本国籍を取得し、日本代表キャップ数は47。15、19年W杯で日本の躍進を支えた。

思い出に残るW杯としては「間違いなく、2015年」とツイ。「無名だった自分たちが、4年間を通して自分たちが勝てるという信念を築き上げることができたので。15年W杯は記憶に残っている」。日本が南アフリカを破り、歴史を変えた立役者の1人だった。

 セカンドキャリアは、コーチを志している。ツイは「オプションの可能性を狭めたくはないけど、サントリーに戻ってコーチをしたいと思っている」と明かした。理由は「昔ながらの、コーチングが必要かなと思うので」と笑う。慕う指導者の1人として、15年W杯を率いたエディー・ジョーンズ氏を挙げた。「ただ『走れ』と言われていたけど。彼は自分のアタッキングスキルを信じてくれて、ゲームタイムがない頃からチャンスを与えてくれていた」と回顧した。

 38歳のツイ。年齢を重ねるが、この日も最後の逆転につながるボールキャリーを見せるなど、パフォーマンスは健在だ。

ミックスゾーンで、後ろを通った埼玉のFWベン・ガンターからは「あと2年はできる」と、声をかけられた。チームは1部残留をかけ、入れ替え戦に進むことが決まっている。「いいチームメートでありたい。そこが大きい。1部残留を決めて、幸せな終わりを迎えたい」とツイ。最後の1秒まで身体を張る。(大谷 翔太)

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