◆第61回北九州記念・G3(7月5日、小倉競馬場・芝1200メートル、重)

 サマースプリントシリーズ第2戦、第61回北九州記念・G3は5日、小倉競馬場の芝1200メートルで争われ、1番人気でハンデ57・5キロのフリッカージャブ(松山)が好位から4角先頭の積極策で快勝し、重賞初制覇を飾った。開業4年目で初タイトルとなった西園翔太調教師(36)=栗東=が「規格外」と評する快速4歳馬は、スプリンターズS(9月27日、中山)を秋の大目標に据え、短距離王の座を狙う。

 変な小細工はいらない。松山とフリッカージャブは、ただ流れに身を任せていた。前半3ハロンが33秒1。重馬場で決して楽ではない流れでも、2番手から4角手前では持ったままで先頭へ躍り出る。しかし、確かな手応えがあった。ピッタリと後ろにつけられた7・5キロも軽いジェニファー、外から脚を伸ばす実績馬ヨシノイースターの脅威を振り払うべく、松山は懸命に手綱を押す。首、首差の接戦を最後はねじ伏せるように重賞初制覇だ。

 「馬とのリズムやコンタクトを自分が変に崩さないように。着差以上に強い競馬をしてくれたなと思います」と松山。引き揚げてきた検量室前には笑顔の輪が広がっていた。管理する西園調教師にとっては、うれしいJRA重賞初勝利。松山と誕生日がわずか7日違いという36歳の若きトレーナーだ。

「重賞でも未勝利でも同じように、とはスタッフに言っていますが、普通にうれしいです」と笑みがこぼれる。

 21年に栗東・CWコースの自動計測が始まってから、ラスト1ハロン10秒2の最速記録を持つ快速馬。「断トツに動く。規格外だと思っています」。愛馬への厚い信頼の先に、いつも見据えていたのが北九州記念だ。「昨夏に(小倉の芝6ハロンで)2つ勝たせてもらった時から、平坦が合うんだろうなと思っていました」と満足そうにうなずいた。

 この日は今春に定年引退した父で元調教師の正都さんも駆けつけた。「よかったです。引退後、競馬場に来たのは初めてですが、やっぱりいいね」と笑みが絶えない。“親孝行”にもなる有言実行の勝利を挙げ、次のターゲットはスプリンターズS。状態次第でセントウルS(9月6日、阪神)も挟むか考える。「本当にスピードがあるし、すごい馬です」と松山が見据える先も短距離界の頂点。

レコード駆けだった鞍馬Sに続く2連勝での初タイトルも通過点に過ぎない。(山本 武志)

 フリッカージャブ 父サートゥルナーリア、母ナイキトリック(父サクラバクシンオー)。栗東・西園翔太厩舎所属の牡4歳。北海道日高町・宝寄山拓樹氏の生産。通算成績は11戦6勝。総獲得賞金は1億1668万2000円。重賞初制覇。馬主はウエスト・フォレスト・ステイブル(株)。

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