馬トク報知で過去の名勝負を当時の記事から振り返る【競走伝】。今回はダイワレイダースが勝った2005年の七夕賞を取り上げる。

実はこの年まで単勝1番人気がJRA最長の26連敗中。荒れ続けてきた伝統のハンデ戦で珍しく順当に決まった一戦だ。

 力強く抜け出した。ラスト1ハロン。ダイワレイダースが先頭に躍り出る。後藤が懸命に手綱を押すと、最後の力を振り絞った。食い下がるトーセンダンディ、グラスボンバーを退けて重賞初制覇。1番人気が26年も敗れ続けていた「負の歴史」にようやく終止符を打った。

 「理想的な競馬ができた。ジンクスは壊すためにあるから何とかしたかったし、楽しみだった。ワクワクしていましたよ。自信を持って挑めたし、1番人気にならなきゃおかしいと思っていました」と後藤は会心の笑みで振り返った。

 喜びは二重、三重と広がった。名門・松山厩舎のJRA重賞制覇は1999年のガーネットS(ワシントンカラー)以来、実に6年半ぶりだった。「長かったなぁ。いいもんだね」と松山調教師はしみじみ。特に鞍上はデビュー間もないころから、けいこだけでなくレースにも起用していた後藤だ。

「僕の騎手人生を変えた」と言い切るのは1994年ジャパンC3着など、G1でも活躍していたロイスアンドロイス。「走るサラブレッドというのはこういうものだ、と感じさせてくれた衝撃の馬に乗せてくれたんです」と感謝の気持ちを忘れない。松山厩舎の管理馬で初の重賞制覇は何よりの「恩返し」になった。

 これがダイワレイダースにとっては唯一の重賞タイトルとなり、2006年8月の新潟記念を最後に現役引退。種牡馬となった。松山調教師は2014年の定年引退直前にJRA通算1000勝を達成し、同年には顕彰者に選ばれた。後藤は40歳だった2015年に死去。

あまりに早く、天国へと旅立った。

 七夕賞はその後20年、1番人気がわずかに3勝。18年以降は昨年まで8連敗中だ。荒れる夏のハンデ重賞という傾向は今も変わらずに生きている。

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