◆第2回中京2歳S・G3(8月30日、中京競馬場・芝1400メートル、良)

 30日に中京競馬場で行われた第2回中京2歳S・G3は前川恭子調教師(49)=栗東=が、ジーティーマイカ(松山)でJRA女性トレーナー初の重賞制覇を飾った。

 全身から喜びがあふれ出た。

ジーティーマイカで重賞初制覇を決めた直後。検量室前に現れた前川調教師は両腕を高々と上げ、厚い信頼を寄せるスタッフたちと抱き合った。歓喜の輪が解けた後、引き揚げてきた松山と愛馬の姿が見えると、待ち切れないと言わんばかりに駆け寄った。JRA初となる女性調教師によるタイトル。「そういったことで注目していただけて、しかもすごく応援していただけているので、本当にうれしい限りです」。大粒の汗をぬぐいながら、笑顔がはじけた。

 完勝だった。道中は後方から馬群の外を追走。直線なかばまで軽く促す程度だったが、ラスト1ハロンでの右ステッキで“ギア”がグッと上がった。上がり3ハロンで断トツとなる33秒0の脚を繰り出し、内の馬たちをねじ伏せる。単勝1・7倍の圧倒的な支持に応えるように一頭だけ、次元が違った。松山は「1400メートルでも我慢して、ためが利いていたし、GOサインにもしっかり反応してくれました」と相棒をたたえた。

 運命の馬なのかもしれない。技術調教師だった24年ノーザンファームミックスセール。まだ当歳だったジーティーマイカの姿に目を奪われた。「ゴムまりみたいだったんです。バネもあって、バランスもすごく良くて」。落札したのは師事していた矢作調教師と親交の深い田畑利彦オーナー。矢作師に背中を押され、田畑オーナーに預託をお願いすると、開業前にもかかわらず、快諾してもらったという。「オーナーの気持ちにも応えないといけないのでよかったです」。大きな“恩返し”でもあった。

 開業1年目の昨年は7勝だったが、今年はすでに14勝。躍進の年に大きな勝利を挙げ、トレーナーは「ホッとしたとしか言いようがないです。本当に能力の高い馬ですから」と、ホッとした表情を浮かべた。

今後は阪神JFが大目標。花が舞う瞬間まで、人馬でさらなる高みを目指していく。(山本 武志)

 ジーティーマイカ 父シスキン、母ベルカプリ(父ダイワメジャー)。栗東・前川恭子厩舎所属の牝2歳。北海道洞爺湖町・レイクヴィラファームの生産。通算成績は2戦2勝。総獲得賞金は4211万5000円。重賞初勝利。馬主は田畑利彦氏。

編集部おすすめ