ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(クラレ)が19日、都内で自身が発起人でもある環境プロジェクト「JUMP for The Earth」の一環として、体験型イベント「JUMP for The Earth 展」を開催している。

 届けたい思いがある。

高梨はスキージャンパーとして十数年、海外の雪山を回るが、年を重ねるごとに減少していく雪を見つめるたび心を痛めてきた。「雪山の自然環境を次世代に残したい」―。黙って見つめるしかない現状を打破するため、自ら立ち上がり、23年にこのプロジェクトを立ち上げた。山形・蔵王でのトレッキング、クリーン作戦(清掃活動)に始まり、蔵王の樹氷保護活動やマイボトルの推奨など、さまざまな環境保全に取り組んできた。「雪不足で試合が中止、延期になってしまう現状をどうにかしていかなければいけない。未来に雪の楽しさを伝えていきたい」と心に誓っている。

 今イベントには、高梨自ら撮影した写真や取り組みの様子などをパネルにして展示してある。「ゴミ拾いというと当たり前のことですけど、当たり前のことをみんなでやることによって、自然と触れ合いながら自然の楽しさ、良さを知って、その後、専門家の人たちと話して学びの時間っていうものを設けたり。来場された方々にその経験を持ち帰っていただいて、家庭で実践してもらうことを目的にやっている」と意図を説明する。

 31人のアスリート、専門家が記した「100年後の未来に残したいもの」のメッセージも紹介している。高梨は「育ってきた時間や場所」と記した。高梨は「雪山から離れた都内であえて開催することによって、スキージャンプや雪の魅力だったり、現状を多くの方々に知っていただくイベントになれば。

来場された方々に大切なものについて考えていただいたり、それをどう守っていくかを考える時間になってくれればうれしい」と思いを伝えた。

 競技では、今季の目標に27年ノルディックスキー世界選手権(スウェーデン)を掲げる。「W杯からいい流れをつくってそこに向かいたい」。胸に多くの思いを刻み、これからも世界の空と対峙(たいじ)していく。

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