藤波一博・全国胡麻加工組合理事長
全国胡麻加工組合と日本ごま油工業会、油糧輸出入協議会による「合同賀礼会」が1月24日、都内のホテルで開かれ、ごま業界関係者が一堂に会し、業界の課題について情報交換した。はじめに、藤波一博・全国胡麻加工組合理事長(波里会長)があいさつし、「今年はいよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催される。
続いて、田中啓之・日本ごま油工業会会長(九鬼産業社長)があいさつし、「今年はオリンピックが一番の関心事であり、経済効果と消費拡大に期待したい。海外から大勢の人が訪れる。ごま製品を世界に発信する絶好のチャンスだ。ごま油は国内でも根強い人気がある。昨年の製油業界10大ニュースにも4年連続で『ごま油を含む健康油の需要が好調』がトップ5にランクインした。今年はオリンピックによりスポーツ、健康への意識がさらに高まることが予測され、ごまにとってもフォローの風」と述べた。
講演会では、伊藤忠商事の星野隆史氏が搾油ごまの相場動向について話し、昨年の振り返りと今年の見通しを示した。また、トピックスとして、コーヒーのトレーサビリティプラットフォーム「FARMER CONNECT(ファーマー・コネクト)」を紹介した。スイスのファーマー・コネクト社が提供する同プラットフォームは、ブロックチェーン技術に基づいて設計。
開発中のコーヒー豆追跡アプリを活用すれば、生産者に対してチップをおくることも可能になるという。星野氏は「コーヒーはごまに近い。消費者の手元に製品が届くまで長いストーリーがあり、これをどう共有するか。ファーマー・コネクトであればそれが容易になる」とした。
〈大豆油糧日報 2020年1月29日付〉