〈販売数量は市場を上回り推移、通期事業利益350億円目指す〉


コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス(CCBJH)は10月30日、2026年12月期第3四半期(1~9月)決算説明会を開いた。売上収益は前年同期比1.4%減の6739億円となった一方、事業利益は32.2%増の323億円と大幅に伸長した。夏場の記録的な悪天候による販売数量の減少や中東情勢に伴うコスト増加が響いたものの、一連の価格改定による単価改善や自動販売機事業の収益性向上、全社的なコスト削減が利益を押し上げた。


カリン・ドラガン社長は、厳しい事業環境の中でも増益基調を維持できたことを評価。販売数量は前年同期を下回ったものの、市場全体の動向を上回り、金額シェアも拡大したことから、競争力が着実に向上しているとの認識を示した。

第3四半期累計の販売数量は前年同期比1.4%減の3億7600万ケース。特に7~9月単独では5.8%減となり、天候不順が響いた。一方、価格改定による単価改善が121億円の増益要因となったほか、自販機事業などの変革効果41億円、販促費削減17億円が利益を下支えした。

カテゴリー別の販売数量は、炭酸飲料が3%増、茶系飲料が2%増と堅調だった一方、スポーツ飲料は16%減、水は4%減、コーヒーは3%減となった。チャネル別ではオンラインが5%増、フードサービスが7%増と成長した。市場全体が天候不順の影響を受ける中、同社の金額シェアは前年同期比0.7ポイント上昇した。

〈価格改定後も収益性重視の方針を継続〉


同社は9月、主要カテゴリーで価格改定を実施した。対象製品の店頭小売価格は、同月に小型・大型ペットボトルとも前年同月を4~5円程度上回り、値上げの浸透が進んでいる。

記者向け質疑応答で、価格改定後の販売数量や消費者の購買行動、今後の価格と数量のバランスについて質問したところ、アレハンドロ・ゴンザレス執行役員は、価格戦略を収益性改善の重要な手段と位置付けた。ケース当たり単価が上昇する一方、販売数量には一定の影響が出ているものの、想定の範囲内と説明。過去の価格改定で得た知見を活用しながら、販売動向を継続的に分析し、成長機会の獲得と収益性の確保を両立させる考えを示した。

〈自販機30万台以上にAI導入、物流改革も推進〉


自販機事業では、累計売上収益が3.9%減となった一方、セグメント利益は78.5%増の148億円となった。前年の減損損失に伴う減価償却費の減少効果に加え、品揃えの最適化やルート生産性の向上などが寄与した。

同社は現在、全体の約半数に当たる30万台以上の自販機に、AIとデータを活用した品揃え最適化システムを導入。販売数量だけでなく利益を基準に商品構成を最適化し、収益性の改善を進めている。

物流分野では、2拠点の機能統合型物流センターが段階的に稼働を開始。製品在庫や物流拠点の集約、輸送距離の短縮などに取り組んでいる。サプライチェーン改革の利益貢献について、アンドリュー・フェレットSCM本部長は、テクノロジーの導入などによって生産性や効率性の改善が進んでいると説明。個別の利益貢献額は明らかにしなかったが、2030年に向けた収益性目標の達成につなげる考えを示した。

2026年12月期通期の事業利益目標350億円は据え置いた。中東情勢による年内の追加コスト増加は20億~40億円を見込むものの、ヘッジ戦略や全社的なコスト削減などで吸収する方針。2027年以降の利益成長に向け、価格改定や構造改革などを通じた収益基盤の強化を継続する。
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