
長らく住宅不足が続いてきた日本ですが、2010年代に入って住宅が余りはじめ、昨今は空き家が問題となっています。築年数の経過した祖父母・父母の思い出がつまった住まいをどうするのか、今から考えておきたい人も多いことでしょう。今回は東京・下町で思い出の場所を現代の暮らしにあわせて、コワーキングスペース&シェアキッチン付き住宅へと建て替えた鈴木亮平さんに話を伺いました。
2020年4月、とうきょうスカイツリー駅のすぐそばに、コワーキングスペース・シェアオフィス、シェアキッチン、住居などが一体となった「PLAT295」が誕生しました。働く場所、勉強場所を探している人はもちろん、多目的に使えるキッチンがあり、動画撮影などのスタジオとしても活用されているとか。複合型の施設のため、地元の人はもちろん、検索してわざわざ訪れる人まで、さまざまな利用者がいるといいます。

PLAT295のコワーキングスペース。テレワークとして時間利用もできるほか、事務所登記もできるので、起業も可能に(撮影/片山貴博)

2階(撮影/片山貴博)
「もともとこの場所は僕の祖父母が暮らしていた住まいがあったんです。1棟は築40年超、1棟は築60年超。建物が隣接していて、ベランダで行き来できるような建物でした」と話すのは、PLAT295の立案者であり、NPO法人バルーンでアーバン・デザイナーとして活躍する鈴木亮平さん。