お正月といえば初夢。よく耳にする「一富士二鷹三茄子」というのは、初夢に出てくると縁起が良いものを指すことわざだ。

鷹や茄子の夢とはどんな夢なのかピンとこないところだが、一番縁起が良いのが「富士山」なのはなんとなく納得してしまう。

ところで、あなたのお住まいの近くに「富士」と付く地名はあるだろうか? 実は「富士」と名の付いた地名は日本全国に数多く存在している。例えば「富士見町」は、Wikipediaによれば、北は北海道(北海道茅部郡森町富士見町など)から南は大分県(大分県別府市富士見町)まで、実に40以上。富士山のお膝元、静岡県や山梨県ならまだしも、北海道や九州にまで富士の地名があるのはなぜだろうか? ここでは「富士」の付く地名を3つのパターンに分けて、その理由とともにご紹介していきたい。

【富士山のふもとに広がる地域】
富士山のふもとにある市町村としては以下のものが挙げられる。
■静岡県…富士市、富士宮市、富士郡
■山梨県…富士吉田市、富士河口湖町、富士川町
ほかにも、静岡県裾野市は富士山の裾野に位置することから付けられた地名だそうだ。
参考:日本辞典

【富士山が見える場所】
「富士見」と名の付く地名のいくつか(特に関東地方・中部地方)は、その場所から富士山がよく見えることにちなんで付けられたといわれる。
■栃木県…宇都宮市富士見町、佐野市富士見町など
■埼玉県…富士見市、ふじみ野市など
■東京都…板橋区富士見町、八王子市富士見町など
■長野県…富士見町、下諏訪町富士見町
■静岡県…沼津市富士見町、磐田市富士見町など
■愛知県…名古屋市中区富士見町、刈谷市富士見町など
ほかに、富士見が丘や富士見台といった地名も同様。さらに、富士見橋、富士見坂などもある。現在は建物が林立し、見るのは難しい場所もあるかもしれないが、かつてはこういった場所から富士山の雄姿をのぞむことができたのだ。
参考:Wikipedia「富士見」

【ご当地富士が見える場所】
Wikipediaによると「ご当地富士」とは、郷土富士ともいわれ、日本各地にある富士と呼称される山のこと。山の形が円錐形で富士山に似ていることから、そう呼ばれることが多いようだ。

ご当地富士は北海道から沖縄まで全都道府県にある。
また、関東地方を中心に、人工の築山に「○○富士」と名付けたものも多く存在している。富士山を霊山(神)と見立てて信仰・崇拝する「富士信仰」のためにつくったもので、これもご当地富士に含まれる。
ご当地富士の数は、『全国ふるさと富士390余座大観光』によると、なんと397座。いかに富士という名前が日本人の暮らしに馴染み深い存在なのかが分かる。

ネット上の調査の結果、日本各地に「富士」の付く地名が散らばっている理由は、ご当地富士の存在にあることが分かった。近所に「富士」の付く地名がある場合は、そこから富士山が見られるのか、あるいはどのご当地富士に付帯した名前なのか、探してみるのも面白いかもしれない。

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