日本全国・各地を出向いた際、筆者は必ず地元のスーパーマーケットに立ち寄ります。その地域ごとの大衆的な食文化を見たいことと、願わくば、駅・空港・パーキングエリアなどにはない、地元ならではの食材を買って帰りたいという思いからです。

 また、趣味で製麺をやっているため常に気になるのが麺類のコーナー。大手メーカーの麺類しか置いてないとガッカリしますが、地元の製麺所の麺が置いてあったり、そのスーパーマーケットオリジナルの麺があったりすると、自分用のお土産として買い、東京に戻って食べ比べています。

 そんな各地のスーパーマーケットで買ってきた麺のうち、「これはうまい!」と病みつきになったのが、山形県のトップシェアを誇るスーパーマーケット『ヤマザワ』で売られている「ちぢれ太麺」というものです。

ネットでは無名も味は日本一!? 山形のスーパー『ヤマザワ』の「ちぢれ太麺」が絶品すぎるワケ

『ヤマザワ』のグループ企業・サンコー食品というメーカーによるオリジナル麺で、その名の通り、見た目は黄味がかった縮れた太麺。おそらく山形県内のいくつかの人気ラーメン店のインスパイア的に開発された麺だと思いますが、小麦の風合い、コシ、喉越しのクオリティは有名製麺所のそれを凌駕するほど。さらに縮れた太麺加工の効果でラーメンを食べる際、スープが持ち上がってくれる効果もあります。

ネットでは無名も味は日本一!? 山形のスーパー『ヤマザワ』の「ちぢれ太麺」が絶品すぎるワケ

 つまり、家庭でのラーメンの味をグッとあげてくれる逸品なわけですが、これでたったの198円(3玉)。筆者はオンライン販売などを行っていない『ヤマザワ』に直接交渉し、東京まで商品発送をお願いすることもあります。個人的には「スーパーの麺では日本一なのではないか」と思っています。

 しかし、ネットを検索しても『ヤマザワ』の「ちぢれ太麺」に関するレビューはごく限られており、現状では「無名」と言っても良い状態。これは惜しい! ということで今回は改めて『ヤマザワ』からこの「ちぢれ太麺」を取り寄せ、しっかりレビューします。また、この「ちぢれ太麺」の秘密について、製造元のサンコー食品の担当者の方にも聞いてみました!

茹で方は、通常の生中華麺と同様。
しかし、ラーメン全体の味を押し上げてくれるクオリティ!

ネットでは無名も味は日本一!? 山形のスーパー『ヤマザワ』の「ちぢれ太麺」が絶品すぎるワケ

 果たして届いた『ヤマザワ』の「ちぢれ太麺」。裏面の記載の通り、約120g×3玉がセットになっています。庶民向けのスーパーの麺であるはずなのにスープは付属されておらず、あくまでも麺のみ。この辺からもまた『ヤマザワ』およびサンコー食品の麺に対する強い自信を感じます。

ネットでは無名も味は日本一!? 山形のスーパー『ヤマザワ』の「ちぢれ太麺」が絶品すぎるワケ

 茹で方は、市販されている生中華麺と同様で沸騰したお湯に4分程度茹でるだけ。別途用意したスープと合わせていただくという寸法です。

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 今回、筆者は『ヤマザワ』の「ちぢれ太麺」が到着する日に先立って、自前の獣+介出汁、カエシ、具材を自家製で準備。言わば町中華の魚介強め版のスープなのですが、ガッツリギトギトではないものの「ちぢれ太麺」のおかげで、かなり美味しいラーメンになりました。お湯で溶かすタイプの市販のラーメンスープでも同様に美味しくいただけるはずです。

ネットでは無名も味は日本一!? 山形のスーパー『ヤマザワ』の「ちぢれ太麺」が絶品すぎるワケ

水でシメても硬直しすぎない柔軟性をキープ!

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「ちぢれ太麺」の喉越しの良さとスープの絡み具合は、ラーメンだけでなく、油そばつけ麺などでも、その効果を十二分に発揮します。油そばでいただいても、タレ・香味油をしっかり麺が持ち上げてくれます。

ネットでは無名も味は日本一!? 山形のスーパー『ヤマザワ』の「ちぢれ太麺」が絶品すぎるワケ

 つけ麺の場合、麺を水でシメていただくことが多いですが、水でシメても硬直しすぎず柔軟なボディをキープしてくれるのも「ちぢれ太麺」の特徴。むしろ水でシメたほうが、「ちぢれ太麺」のインパクトと風合いが強くなるようにも筆者は思っています。

知名度はあまりないものの、山形県の「スーパーマーケット麺」の中では最も売れる麺だった!

ネットでは無名も味は日本一!? 山形のスーパー『ヤマザワ』の「ちぢれ太麺」が絶品すぎるワケ

 ここまでの通り、かなりのクオリティであり、他でもあまり似た麺を見かけることがない『ヤマザワ』の「ちぢれ太麺」なのですが、最後に製造元のサンコー食品の新工場PC研究開発室の庄子泰央さんに話を聞きました。

「『ラーメン消費量全国1位』として取り上げられる山形県ですが、一方で10万人あたりのラーメン店舗数でも全国1位となっており、県内には全国にその名を知られる名店も多く、他県に比べ消費者の舌も肥えているように思います。

 そんな中で、『ヤマザワ』の100%子会社であるサンコー食品では、『安くて美味しい麺』を作ることをモットーとし、ラーメン10品、うどん5品、そば1品、焼きそば3品をラインナップしています。これらのうち『ちぢれ太麺』は、スープなし生中華麺の中では一番人気の商品です」(庄子さん)

 ヤマザワ自体が山形県でトップを誇るスーパーマーケットということを含めれば、「ちぢれ太麺」は「山形県で最も多く食べられているスーパーの生中華麺」と言い換えることができましょう。その味の秘密についても聞いてみました。

「『ちぢれ太麺』は切刃の番手が『14』というタイプで、麺幅を2.14mmとし、ちぢれを加えた麺になります。

このちぢれ効果により、麺が伸びにくくなる上、スープに絡みやすくなる特徴があります。オススメは味噌系の濃厚なスープですが、それ以外のスープでも美味しくいただけると思います。

 サンコー食品および『ヤマザワ』では『ちぢれ太麺』だけでなく、全ての商品において『地産地消』を念頭に、地元ならではの食材や調味料を使った商品開発などを行い食を通して皆さまの『健康元気』に役立つことができるよう、今後も取り組んで参ります」(庄子さん)

 冒頭でも触れた通り、残念なことに『ヤマザワ』ではオンラインによる通信販売などを行っていません。山形・宮城を訪問する機会があれば、ぜひ『ヤマザワ』各店で購入してみてください。本当に美味しい麺ですので是非ゲットし、試してもらいたい。きっと病みつきになるはずですよ!

(撮影・文◎松田義人)

●DATA

ヤマザワ

https://yamazawa.co.jp/