日本の中小企業の技術はスゴい!その技術を紹介し、中小企業を盛り上げようというイベントが東京国際フォーラムで開かれました。『江戸・TOKYO 技とテクノの融合展2018』という展示会で、どんな企業があるのか取材してきました。
「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!10月3日(水)は、レポーターの近堂かおりが『これが世界に誇る、中小企業の技術!【技とテクノの融合展2018】』をテーマにレポートしました!
★「どこでもホワイトボード」?
まずひとつめ。株式会社光和インターナショナルの細貝和則さんのお話です。
細貝和則さん「まずはポリプロピレンですね、PPと言われているシートを使って静電気を閉じ込めてます。どこにでもくっつきます。例えばブロックや紙であってもガラスであっても全く問題ありませんので、どこにでも書き消しができるシートです。まさに緊急事のボードの代わりです。ホワイトボード用の水性ペンで書いて消すことが出来ると。ティッシュで。学校でも今小学校中学校はかなり使ってます。消防署や自衛隊や警察関係でも。例えば災害がありました。こちらの企業が出展していたのは、ポリプロピレンで出来たシートで『コーワライティングシート』という商品です。
静電気で色んなところに張り付きます。透明と白の二種類があり、白いほうを壁や机に張り付ければ、どこでもホワイトボードのになるという商品です。
元々、IT企業に勤めていた社長が、会議のたびにホワイトボードを持ち込むのが煩わしいと感じて、壁をホワイトボードの代わりにしてしまおうと開発したそうです。
▲コーワライティングシート。白と透明の二種類。サイズは3タイプ!

▲コーワライティングシートの中身。これは白タイプ。
これがいま、災害時に重宝されています。災害があった時、サッと壁に貼り付けて、その場で連絡掲示板にしたり、地図の上から透明タイプのシートを貼り付けることで書込むことが出来るんです。
ちなみに東京の消防署には全て導入されており、現場での作戦会議などに使用。(消防車の側面に、出動付近の地図を張り付けて、情報を書き込んでいく!)
元々のビジネスシーンでの用途から発展して様々なところに使われているようです。社長曰く、今まで使われていた模造紙などはこの商品に置き換わるだろうとのことでした。
★「聞こえない」が「聞こえる」に変わるイヤホン!続いては会場の中でもひときわ盛況だったブースの方にお話を伺いました。BoCo株式会社の謝 端明さんのお話です。
謝 端明さん「こちらはボコ株式会社のブースなんですけど、うちの商品は骨伝導イヤホン、音楽用、会話用を研究・開発・生産・販売している会社です。うちの骨伝導のデバイス、技術が日本初なんですけど、世界ナンバーワンではなくて「世界オンリーワン」なんです。超骨導、すごいです。今のところ超骨導イヤホンは2つの機能に別れていて、一つは音楽用、耳を塞がずに聞けるのでながら聞きが出来ます。もう一つはなにかしらの原因で聞こえに不安になられた方(耳が聞こえにくくなった方)向けで、骨伝導で鼓膜を飛ばして直接骨から音が届くという手段を提供することで、多くの方にまた明るい生活、聞こえに自信を取り戻せるようになれればハッピーなことかなと思って、二つのコンセプトで製品開発させて頂いています。」

▲BoCo株式会社の骨伝導イヤホン。

▲骨伝導イヤホンを使っているところ。耳たぶの上の軟骨で音を聞いているのです!
骨伝導というと、ひと昔前に携帯電話などで聞いたことがある方もいるかもしれませんが、鼓膜を使わずに骨から伝わる音を聞くことが出来るものです。これまでは、音質の問題だったり、使用にコツが必要だったりであまり浸透しませんでした。
そして昨日ブースにいた方々の半分以上が年配の方だったのが驚きでした。この方達が求めていたのが会話用のイヤホン。イヤホンの両側に集音マイクが備わっていて、補聴器のような役割を持つもの。相当クリアに聞こえるとのこと。試していたみなさんの顔がとても嬉しそうなのが、印象的でした。
★世界一細い輪ゴム!?続いてはちょっと変わった世界一の技術をもった会社にお話を伺いました。有限会社精工パッキング取締役社長の平井秀明さんのお話です。
平井秀明さん「今日は世界で一番細い輪ゴムというものを紹介しています。

▲世界一細い輪ゴム。一般的な輪ゴムと並べると、その細さは一目瞭然!

▲型抜きしたものから、輪ゴムを取り出すところです。
こちらの会社は、素材を様々な形に型抜き加工する業務を行なっていて、作業には精工さが求められる。その技術の極限を追求したのがこの『かつしか極細輪ゴム』。これだけ精巧な型抜きができますよ!ということですね。
この輪ゴム、肉眼で見つけるのもやっとという世界一の細さですが、手首にしていてもゴムの存在を忘れてしまうほど、当たりが優しい!しかし、輪ゴムとは正反対の性質、と平井社長もおっしゃっていましたが、切れやすい・・・。
この特徴を活かした使い道が、なかなか見つからないというのが社長の悩み!しかも型抜きをすると、ゴミの方が多いとか・・・
今のところマスク用の極細ゴムとして売っています。(耳が痛くならない!)また、手品のタネにも使われてるそうですよ。
このように素晴らしい技術を持った中小企業が多くいたのですが、最後に、BoCo株式会社の謝さんが今後の意気込みを語ってくれました。
謝 端明さん「いずれにしても我々はベンチャーですから、ものづくりのベンチャーですから、この技術も発明の技術であってまだまだ多くの方がご存知でないし、いかに多くの方に知ってもらって、理解して頂かないといけないと思ってこういう活動には積極的に参加したいなと思ってます。(社員は少ない?)25人です。(それで世界を相手に?)世界を相手にします。世界を制覇します。久しぶりに日本から発信して、日本生まれの企業で再度数十年前の偉大な先輩企業のようにこれから制覇します。」ものづくりの街、大田区から世界を狙うということで、非常に頼もしい限りですね。昨日も、会場では、商談ブースは人が多かったですから、数多くのビジネスマッチングも成立したのではないでしょうか?

▲近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。
◆10月3日放送分より 番組名:「森本毅郎 スタンバイ!」
◆http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20181003063000