TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』は月~金の11:00~13:00生放送。
みなさんは、りぼん世代?それともコーラス世代?
読んでる方は絶対ご存知!今回は、漫画家の一条ゆかりさん特集です!
漫画家の一条ゆかりさんは・・・
1968年『りぼん』でデビュー。
そんな一条ゆかりさんのデビュー50周年を記念した原画展が文京区の弥生美術館で12月24日まで行われています。実際に行ってきたところ、原画の魅力もすごいが、ちりばめられた覚悟のエピソードがすごい。元気と勇気をもらえるんです!
ということで、今回は一条ゆかりさんの代表作のひとつである「有閑倶楽部」世代のジェーン・スーが、原画展でビビビッときた一条ゆかりさんのエピソードを、勝手に一条ゆかりさんになりきってご紹介。セリフは勝手に考えたものもあるのでご了承ください。
一条ゆかりのここがスゴイ、なりきりセリフその①「このお店で一番高いお酒をください」高校生でデビューした一条ゆかりさんが、編集者に連れていかれた高級バーで言ったセリフ。高校生なので実際にオーダーが通ったのかどうかはわからないが、ド新人の頃にこれが言える心臓がすごい。で、なににビビッとくるかって、このセリフまるで一条ゆかりさんが描く漫画の主人公のようなんですよ。
「なにを描けばいいかは私がわかってる。だからネームは見せないわ!」
1974年の代表作、「デザイナー」では前人未到の表現にチャレンジ!
主人公の少女が自分を捨てた実の母親とトップデザイナーの地位を巡って争う物語 。「好きなことを好きなように描くには、読者の支持が不可欠!」と考え読者アンケートにも目を通し、流行の服装や職種を採り入れていた。要素で読者を惹きつけて、好きな主題を貫いた。「描いてだめなものは描かない」と、ネーム(セリフと簡単なコマ割り)を編集者に見せることなく漫画原稿の状態まで仕上げてから見せていたという。そこで「キスまで」とされていた少女漫画で男女が体を重ね合わせる姿を描いたり、タバコや酒のシーンを入れたりして少女たちを魅了した。怒られたこともあったらしいですが・・・。
☞失敗したらすべて自分のせいになるところへ自分を追い込んでいくパワーがすごい!
「弓月くん!新谷くん!聖くん!メカよろしく!」
「少女漫画は背景は適当だし車は車輪4つ描いておけばいいから楽だよなー」と外野から揶揄され悔しい思いをした一条ゆかりさんは、男性漫画家の弓月光さん、新谷かおるさん、聖悠紀さんにアシスタントを頼んで背景や車を描いてもらっていた。人任せと思われるかもしれないが、実は漫画って多分私たちが思ってる以上に分業で、「餅は餅屋」に任せる判断がプロ。まるで敏腕社長。
「よーし!!次は嫌いな女を苦手なジャンルで描くわよ!」
1977年の作品「砂の城」はフランスを舞台にした長編漫画。フランシスとナタリーの禁断の愛と周囲の複雑な人間関係を描いた作品だが、「デザイナー」で好きなものを好きなだけ描いた一条ゆかりは「苦手なもの、嫌いなタイプの主人公を描き、それでも読者に支持されなければプロじゃない!」と、嫌いなタイプの女を主人公にして不得意分野のメロドラマに挑戦。見事大人気作品となりました。
とにかく自分で自分に負荷を掛けて、自分の限界を超えていくタイプ。天才にして努力家であることが一枚一枚の原画、エピソードから伝わってきて震える。
展示は・・・
デビュー初期の「砂の城」から、「デザイナー」・「こいきな奴ら」・「有閑倶楽部」・「プライド」・「正しい恋愛のススメ」などの原画、当時のりぼんの表紙作品、一条先生がまんがを書く際に使用する画材など。画力もすごいがデザイン力もずば抜けてすごい。
原画展のタイトルは「集英社デビュー50周年記念 一条ゆかり展~ドラマチック!ゴージャス!ハードボイルド!~」まさにそれ。
◆11月28日放送分より 番組名:「ジェーン・スー 生活は踊る」
◆http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20181128110000