この時期の百貨店では、お中元商戦が本格的に始まっています。そんな中、各店舗が「新しい戦略」でお中元を売り出そうとする動きがあります。
まずは、三越伊勢丹の取り組みについて。ギフト担当の木本直子さんのお話です。
★キーワード①「イートイン」
◆三越伊勢丹ギフト担当 木本直子さん:
「今回、日本橋三越のギフトセンターでは、来ていただいたお客様に楽しんでいただくという試みでイートインコーナーを設けております。来週の火曜日までなんですけども、キャピタルコーヒーさんのコーヒーと、ノアドブールさんの焼き菓子を販売しております。沢山のお客様にギフトセンターに来て頂くんですけども、カタログが到着した時に本当に最初の1ページから楽しんで見ているというお声を頂いているんですけども、いざギフトセンターに来るとちょっとテンションが下がってしまうというお声が結構ありまして、来て頂いている送り主様に楽しんで頂きたいという気持ちがあり、今回こういう取り組みにつながっております。」
カタログだと見栄えが良いけれど、ギフトセンターでは箱に入ったダミーが並べらているだけで楽しさが半減してしまう。さらに自分のための買い物ではない所もテンションが下がる要因になっているのではと木本さんは分析しています。
そこで、売り場内にお中元の商品を有料で試食できるコーナーを設けました。例えば焼きたてのマドレーヌとフィナンシェがそれぞれ1個216円。アイスコーヒーが1杯432円。もちろん、気に入れば箱入りのお中元セットをその場で買うこともできます。
取材してきましたが、ギフトセンターでの買い食いはかなり新鮮な感覚でした!
さて三越伊勢丹では他にも、新しい戦略を取り入れています。
★キーワード②「低価格」
◆三越伊勢丹ギフト担当 木本直子さん:
「お中元・お歳暮というと大体値段が3000円~5000円というところになってるんですけど、今回お中元の用途以外にも、8月のお盆。あとは会社でお使いになる所も狙って、低価格なものをご用意してます。1000円~2000円ですかね。今まではあまりカタログでピックアップしたことはない価格帯なんですけども、私たちが思っている以上に個数的にはとてもよく売れています。」

1000円~2000円のおせんべい、クッキー、佃煮などがカタログにも載っています。ただ、これはお中元用ではなく、お盆の帰省土産や、ビジネスの場での手土産用。これをお中元ギフトと一緒に売りだすことで、まとめ買いの効果が出ているそうです。
★キーワード③「ご自宅用」さて、今度は別のカタログをご用意しました。こちらは高島屋のもので、「ご自宅用にも」と書かれています。表紙はとうもろこしで、これがまさに髙島屋の今年のお中元の目玉商品なんです。高島屋の総菜バイヤー、藤堂恵子さんに詳しいお話を聞きました。

◆高島屋総菜バイヤー藤堂恵子さん:
「この旬のとうもろこし。
「ご自宅用にも」のカタログは、身近な食べものを商品化しているのが特徴で、他にもチョコバナナ、ライスバーガーなどがあります。
★キーワード④「次世代応援型」
さて髙島屋ではさらに、今売り上げ好調な、お中元のカテゴリーがあります。再び藤堂さんのお話です。
◆高島屋総菜バイヤー藤堂恵子さん:
「「がんばれ次世代ギフト」というのは、高校生の方々が育てた食物だったり飼育した豚だったり、そういう食材を私たちが企業とコラボして作ったギフト。京都農芸高校のグラタン詰め合わせ。先生と話して、去年からトマトとバジルのソースを作っている。ぜひこれを髙島屋さんのギフトに反映させて頂けないかという話を頂いて、商品化させて頂いた。」
農業高校の生徒が育てた豚のハンバーグ、海洋高校が漁獲したかじきのスパゲティなど10種類。このシリーズ自体は10年ほど前からあるそうですが、高校生を応援したいというリピーターが多く、売り上げは好調だそうです。
このがんばれ次世代ギフトは他にも思わぬ効果があるそうです。再び高島屋の藤堂さんのお話。
★思わぬところでお中元パワー!

髙島屋のお中元とのコラボレーションが高校の認知度アップにもつながったそうです。
◆6月6日放送分より 番組名:「森本毅郎・スタンバイ!」内「現場にアタック」
◆http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20190606063000