今、カニ風味のかまぼこ、いわゆる「カニカマ」がひそかにブーム!と聞いて、調べてきました。8月29日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。
私も以前から料理で使っているカニカマ。あることをきっかけに業界全体で売り上げが伸びているそうなんです。カネテツデリカフーズ株式会社の広報担当・名知菜保子さんに聞きました。
◆カネテツデリカフーズ株式会社 広報担当 名知菜保子さん
「以前は春夏に販売数量が多くて、秋冬の期間は減るという1年の流れがあったんですけれども、昨年の秋にカニカマが「筋肉をつける最強食材」ということで、紹介されてからは、季節を問わずに伸び続けている状態です。業界全体ですとかに風味かまぼこの売り上げの実績が、2018年は昨対比で108%増加。元々、魚肉ねり製品自体が白身魚のすり身が主原料でして、魚のすり身が高たんぱく・低カロリー。ねり製品自体元々健康にいい食材と言われてます。」
ブームは「筋肉をつける最強食材」とテレビ番組で紹介されたことがきっかけ。と言っても、食べればそれだけで筋肉がつくわけではないのですが、高タンパクということで、話題になったんです。
カニカマは結構歴史が古くて、カップラーメン、レトルトカレーに並ぶ、戦後3大発明の1つとされています。元々、人工クラゲを開発しているさなかに、失敗作として生まれものなんです。
しかし昔からある商品ということもあり、売り上げとしてはじり貧の傾向にありました。そんな中、健康に良いとで注目され、ここ1~2年で売り上げが伸びています。
カニカマを扱うカネテツデリカフーズでは、今特に売れているカニカマのシリーズがあるということです。

◆カネテツデリカフーズ株式会社 広報担当 名知菜保子さん
「本物のカニに近づけたカニ風味かまぼこということで、「ほぼカニ」という商品を発売しております。わざわざ高いカニを買わなくてもカニのようなおいしさを楽しんで頂けるのではないかということで開発しました。本物のカニの繊維の向きですとか、ほぐれ感というのが大事になってくる。そういったところを徹底的に研究して、従来のカニカマとは異なる本物のカニに近い食感というのを再現しました。」
パッケージには「※カニではありません」。と書いてあります。スーパーの魚介類コーナーに置かれていても違和感がない見た目で、特製黒酢入和だしカニ酢付き。これが人気なんです。
さらにカネテツでは、期間限定の新商品として、カニミソも配合した「すごいほぼカニ」を発売したばかり。
負けじと他社からも、本物のカニを模した商品が多数出ていて、「大人のカニカマ」「タラバガニみたいでごめんなさい」など、カニカマブームは名前もユニークになっています!
★青いカニカマ!

そんな中、逆に従来のイメージをガラッと変えることで注目を集めているカニカマも。一正蒲鉾株式会社 開発担当の石山隆一さんのお話です。
◆一正蒲鉾株式会社 開発担当の石山隆一さん
「「青いカニカマ」ということでサラダスティックのソーダ風味を発売しております。
パッケージを空けた瞬間にソーダの匂い。食べてみると、ソーダ味と確かにちょっと甘めのカニカマの味がする、という不思議な商品!この「青いカニカマ」は、8月いっぱいの期間限定販売です。
一正蒲鉾のカラフルなかまぼこシリーズは、他にも去年発売された「黄色いカニカマ」(瀬戸内レモン風味)。9月からは新商品、みかん風味の「オレンジのカニカマ」も発売されます。
こちらのシリーズは若者層にも興味を持ってもらうべく、いわゆるインスタ映えも意識しているそうです。
★海外のカニカマブーム!?このように、商品のバリエーションも充実していて、ブームとなっているカニカマなのですが、愛好家の方に言わせてみると、日本のカニカマブームは、海外に比べたらまだまだという指摘も。およそ350人の会員がいる「カニカマファンクラブ」代表、筒木葵さんのお話です。
◆「カニカマファンクラブ」代表 筒木葵さん
「海外では「SURIMI」という名前で、タイ、ヨーロッパ、スペインあたりで「ドゥーユーライクスリミ?」と聞くと「イエス」と言ってくれる。スリミは欠かせない食材。
海外では、SURIMI=カニカマとして定着していて、メインディッシュの級の扱い。
日本でも、ちくわの代わりにカニカマの天ぷらを乗せる蕎麦屋など徐々に増えていますが、海外に比べたらまだまだ。
実はカニカマのライバルはちくわで、業界内ではちくわ並みにに人気になってほしいという意見もあるようです。
◆8月29日放送分より 番組名:「森本毅郎 スタンバイ!」
◆http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20190829073227