TBSラジオ「コシノジュンコ MASACA」毎週土曜夕方5時から放送中!コシノミチコさん(Part2)朝の連続ドラマ小説『カーネーション』のモデルとなった小篠綾子さんの三女として生まれ、1973年にロンドンへ渡り、デザイナーとして活躍。1986年にMICHIKO LONDONをスタートし、日本人初の英国ファッション協会正式会員になりました。
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JK:人生マサカだらけなんだけど・・・思い当たることをこの際暴露して!MK:まず高校入学するのに、テニスやってたから行きたい学校があったんですけど公立に行ってくれって言われて・・・レベルの高い公立高校だったから家庭教師もつけられて、まさか入れるとは思わなくて。JK:一番ビリで入りました(^^)MK:滑った中の10番以内は特技で取りますって言われて、滑った中の10番目だったんです! 入ったはいいけど、成績が悪いわけ。でも先生がなんか私をひいきしてくれて。「テニスを教えて」って言うから、「毎朝7時半に来てくれたら教えてあげるよ!」って。その時だけは先生にボロくそ言うて(笑)「そんなフォームじゃ先生どうにもなりませんよ」とか言いたい放題言って(^^) でもその先生と一番仲良くなった。JK:テニスがなかったら今はないわね。(^^;)MK:アカンアカン。全然ちゃう方向に行ってたと思う。JK:嬉しかったことって何?MK:嬉しかったこと? いっぱいあるけど・・・ああ、そうや。イギリスってサー●●とかロード●●って称号があるんやけど、アートの世界ではHONSっていうタイトルをくれるの。Honarable=名誉修士過程っていって、大学院を出た人の中から1人だけくれるわけ。それをもらったの。
ファッションで1人、アーキテクチャーで1人、という風に。卒業の時に四角い帽子被るでしょ? でも「あんたはこの帽子」って言って、丸い帽子をかぶせられたの。それはマサカの話。うれしかったわ。JK:そんな知らなかったわ、初めて聞いた。それはよかった、おめでとう! いつも「どこの学校を出たんですか」って言われるのが一番嫌なのよね。どこ出てるって言えないから、私の経歴を言うんですって(笑)出水:ははは! MK:そう、全部そっくりさん(笑)出水:でもミチコさんの作品がイギリスのV&A博物館に収められてるって・・・これってすごいことですよね?!MK:80年代のコレクションもあって、その時に展覧会もあったんです。その時一番前に「空気の服」を置いてもらって。入口入って一番真ん中にどーんとあるの。そしたらみんな、「なんであんたの服があんな真ん中にあるの」っていうわけ。「しらんよ、誰かが選んだんちゃう」って言ったら、みんな黙って知らん顔。JK:ある意味、学校のルール通りじゃなくて、本当にフィーリングのみで作ってるから。
そういうのって誰のものでもない自分のものだから、オリジナルの突拍子もないものができるのよね。MK:イギリスは1年の80%が雨なの。朝がものすごいいい天気で、11時ぐらいにちょっと曇って、昼過ぎからだーっと雨になる。それで気候のコンプレックスというか、軽くするような服をずーっと作ってて、それがものすごいヒットした。それこそ1つの会社から500枚とか800枚とかのオーダーがボンッとくるの! ふかふかしてるから、パッキングしても3枚ぐらいしか入らんのよ。それで朝の8時から夜の2時までパッキングばっかりして・・・もうめっちゃ疲れて。「ただの空気を入れたいな」と思ったの。それで空気の服を発明したの。もうこれ以上同じことをするのは嫌だ!と思って。出水:なるほど、出荷の問題だったんですね!MK:1984年に作ったんだけど、ちゃんと整理されたものにするにはそれから2年ぐらいかかって、1986年にちゃんと出たんです。JK:すごいかわいいのよ、あれは本当にオリジナル。それでぺったんこになるからね。
MK:イギリスってクラブファッションがすごくて、気候が悪い上に、クラブ入るのにずらっと並ぶのよね。そしたらその服を来た人は必ず「あなた入りなさい」って優先的に入れたの。中に入ったら空気を抜いて、リュックサックに入れて、踊ったりしてた。そういうストーリーがあったのよ。JK:気候とかそういう過酷なところからの発想ってあるわね。
代表作「空気の服」誕生秘話&スタジオにお寿司屋出現? ~コシノ・ミチコ
MK:私らはイギリス在住ですから、スタジオでは5か国以上の人が働いています。イギリスにいる人はインド人、ギリシャ人、イタリア人・・・イタリア人は多いですね。私のスタジオにはドラァグクイーンもいます。私も含めて、そういう人たちはマイノリティということもあって仕事がすごい完璧。私もそうですけど、肌の色や、上流階級、中流階級、労働階級・・・そういう中で多様性っていうのはすごい良かったかなと思ってるんです。JK:それぞれ自分の生き方をして、お互いを認めるっていうことよね。多国籍っていうのかな。
日本の場合単一民族だから、外国人に対して違和感があるとか慣れてないとか・・・だから逆に居心地がいいってことよね。MK:そうそう。私らはそういう意味では何の抵抗もないですよ。黒人の人が言うには、肌の色が濃いほど就職しにくくて、肌がちょっと明るいほうが就職しやすい。そういう問題もあるんだけど、私らもそれこそコンプレックスがあるし、イギリス人みたいにはなれない。結局他の国から来た人達ばかりで、5人いたら5人とも国籍が違う。出水:そういうロンドンで、ミチコさんはお寿司屋さんもやってるんですよね?MK:そうなんです! すごく変なストーリーで・・・1階がものすごく広いんですよ。それでフォトセッションとか展示会とかをやってたんですけど、スペースがまだあるから、コーヒー屋の兄ちゃんにコーヒー屋のセクションを貸したんです。そしたらコーヒー屋に並んでる姉ちゃんたちが「ミチコ! この辺に寿司屋がないから寿司屋が欲しい」って言うの。「えっ、私が寿司屋するの?」「ピンポーン!」って。JK:ピンポーン!って(笑)MK:それで行きつけのところに「こんな頼まれたんだけど、一緒にやってくれない?」って言ったらね、あくる日ミーティングに来たの。「この辺なかなかいいですよ、やりましょう!」って言ってから2か月でオープンした。
しかも名前をどうしようかなあと思って、もうなんでもええやと思って「MICHIKO SUSHI」(笑)JK:それがすごく流行ってて! 私この前行ったとき全然満席で、席がないからしょうがないからテイクアウトしたのよね! でメニューがさ、全部自分で考えたの?MK:キヨマサとかね。巻きもあるし、寿司もあるし、一番バラエティに富んでるのがキヨマサ。JK:日本のお寿司屋さんだと、刺身包丁で薄く切るじゃないですか。でもイタリア人がやるから、ものすごい分厚いの! ものすごいのよ、ボリュームが!MK:ものすごく分厚くばっさり切ってるから。ちらし寿司なんかごはんより刺身のほうが盛り上がってる(^^)出水:またそこでお寿司を食べに来た人がミチコさんのファッションを気に入ったりして、いい循環が生まれそうですね?MK:そうなんです、お寿司食べに来て「上で服買いたいんだけど」って言う人もいるの。JK:全然お寿司屋さんっぽくないわよね、クラブよね。MK:ないない。インテリアを自分でしたんですけど、鉄と木とセメントなんです。テーブルが全部鉄。だから一緒にする人たちに「あんたたちが絶対理解できないインテリアにしますから」って(笑)「竹とか和紙とか絶対しませんよ」って。すごいファッショナブル。ふつうはカウンターの前に座るでしょ? でも座らせるとイタリア人とかがびびって真っ赤になってでけへんから、うちは座らせへんの! JK:おかしい! 何しろ楽しいわね。
みっちゃん、まだまだやりたいこといっぱいあるだろうけど、今から何やりたい?MK:うどん屋したい! 蕎麦かうどん。みんなうどんとかものすごい好きなの! 簡単に食べれるようなうどん屋さんとかあったらいいとおもうの。ちっさいところでええから。JK:MICHIKO UDONっていうのはどう?(笑)
代表作「空気の服」誕生秘話&スタジオにお寿司屋出現? ~コシノ・ミチコ
==OA楽曲==M. MICHIKO LONDON KOSHINO / SHO
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