TBSラジオ「ACTION」。2月10日(月)のパーソナリティは、宮藤官九郎さん。
ゲストコーナーは、「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」と題してさまざまな方の愚痴を聞いていきます!今回は映画評論家の町山智浩さん、ジャーナリストの北丸雄二さんにお越しいただきました!アメリカウォッチャーでおなじみのお二人。今回は、IOC(いだてん面白いからちょこちょこ集まろう)のアメリカ支部総会を開催しちゃいます!
幸坂:まずは北丸さんから、「いだてん」をご覧になった感想を宮藤さんにぶつけていただいてよろしいでしょうか?
北丸:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、日本の撮影現場とかテレビ業界って、スキャンダルとかあったときに脚本家が関係ないことを悩んで、色んなところに目配せをしなきゃいけなくて…大変でしょ?

宮藤:それは俺の気持ちを代弁してくれてるんですか!
北丸:それに対してまたメディアがちゃんとフォローしてくれない。今はみんなTwitterとか個人メディアを持っちゃったので、よっぽど暇な人たちが言うんですけど、関係ないんですよね。これはやっぱり言論教育をしっかりしていかなきゃいけない。それが「いだてん」の本筋とは関係のないところで色々ごちゃごちゃ言われてたと思うけど、でも「いだてん」は良かった!!
宮藤:ああ~!良かった!(笑)
北丸:色んな筋があったじゃないですか、時間を戻ったりして。素晴らしい脚本だった…。
宮藤:それがどうもお年寄りには…。
北丸:なんだか「ポーの一族」を見ているようだった。時空を超えてずっと生きていて、時々登場人物がまた戻ってきてそこにいる。それに気づいたときざわっとしました!本当にありがとうございました!
宮藤:いやいや!でも今考えたらショーケンさんとか無理でしたよね!

町山:そうですよ!昔「いつかギラギラする日」っていう映画があって、登場人物の前科足すと何十年とかありましたけど。それこそ東出君とかピエール瀧で「いつかギラギラする日2」を作ってほしいです!前科者集めて映画作ってほしいんだよなぁ!
一同:(笑)
宮藤:今は見る人が物語に集中できないっていうんですけど、そんなこと言ったら昔の勝新太郎さんとか見れないじゃないですか。昔は良かったって言っちゃアレですけど…。
町山:クオリティは今の方が全然高いですよ。でも、自由とかそのときの遊びから出てくる意外な面白さっていうのが、今はかっちり決まりすぎてますよね。
幸坂:町山さんは「いだてん」をどのようにご覧になりましたか?
町山:最初は脱落組だったんです(笑) でも復帰しまして、戦争が始まるあたりから緊張感が増していくんですよね。で、やっぱり阿部サダヲさんが言うセリフが一つ一つカッコいいんですよ。何度も問いかけていた「オリンピックって一体誰のものなんだよ!」っていうところが、今必要な言葉だし。
宮藤:ああ~。
町山:あとは浅野忠信ですよ!せっかくみんなが東京でオリンピックやるために頑張ってるのに、横から取ってっちゃうんですよ。これは政治案件だからって。だから自民党って横から取ってっちゃうんです!もうアレすごい良いな~と思って!!
宮藤:アハハ!(笑)

北丸:宮藤さんの脚本っていうのは、戦争や委員会や政治が個人のところに公の部分が覆いかぶさってくるのに対して、個人がどうやってそれをどう突き抜けようかって「私の物語」を貫くわけですよ。そして、必ず個人の生活に政治というものが関わってくるんだってことを暗に示してくれた。これはものすごくNHKらしからぬ反抗的な物語だったという気がしますね。
このあと、「いだてん」を頑張った宮藤さんへ、町山さんから「町山大賞」のメダルを贈呈。
◆2月10日放送分より 番組名:「ACTION」
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