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素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」(2月16日(水)放送分)
コロナ対策での非接触や、人手不足を受けて、ロボットの活躍が広がっていますが、今年に入ってガソリンスタンドがロボットの実証実験を始めました。
ENEOSロボット配送実験!?
実験を始めたのはENEOSホールディングズ株式会社。未来事業推進部、片山裕太さんに伺いました。
今回ですね実証実験は2月1日から1ヶ月間、お客様のご自宅からですね、飲食店だったりスーパーの商品を注文すると、自動で走行するロボットがですね、実際にその商品をお客様の家の前まで届けると、そういったようなサービスを行っております。エネオスとしてはですね、ガソリンスタンドで、このロボットを実際に管理してですね例えば充電したり、そういったような機能を担っております。背景としてはですねやはり今後、脱炭素に向かっていく社会の中でですね、ガソリンの需要というのが今後ですね、減少していく中で、ガソリンスタンドができるような新しいサービスの形の一つとしてですね、こういったロボットをガソリンスタンドで充電したりですね、管理したりするということによって、このロボットを活用した配送サービスの普及に役立てるのではないかというふうに考えております。
(ENEOSホールディングズ株式会社の未来事業推進部、片山裕太さん)
こちらは、ENEOSと、宅配代行サービスのエニキャリ、ロボットの製造などを行うZMPの3社共同の実証実験。ENEOSが中心となっていて、ENEOSは全体の取りまとめの他、ロボットの充電やメンテナンスなどを行っています。
今回は「デリロ」という名前の2台のロボットを活用し、エリアは中央区の佃田・月島・勝どきの3エリアで、地元にある飲食店やスーパーなどと提携しエリア内の配送可能なマンションへ配達。ガソリンスタンドのDr.Drive月島SSなどを設置拠点としています。
注文が入るとロボットが、その拠点を出発し、街中を自動で走行。提携している店舗から商品をピックアップし、注文者の住むマンションのエントランス付近まで宅配します。
2月1日にスタートし現在までで利用数は300件ほど。小さなお子さんがいるご家庭だとロボットが来てくれて子供が喜ぶ、だったり、悪天候な時ほどデリバリーを頼みたいけど相手が人間の配達員だと申し訳ない気持ちになる。ロボットだと気兼ねなく頼めるから良い!などの声が寄せられているそうです。
課題点としては、現状はまだマンションなどのエレベーターと連携して部屋の前まで届けるのがコスト的に実現できていない点。いずれロボットが部屋の前までデリバリーしてくれる時代がくるかも・・・
コミュニケーションしながら宅配!
そんな今回の実証実験で活用された宅配ロボットについて株式会社ZMPロボライフ事業部の池田慈さんのお話しです。
今回の実証実験は、遠隔監視でロボットを監視しておりまして、複数の店舗と複数の配送先が参加するサービス検証としては日本初のサービス検証という形になっております。弊社のロボットはですね、大きく三つ特徴がございまして、一つ目がデザインと、いうところで、ロボット自体にですね、目を付けたりですとか音声を発することで、歩行者や自転車に乗ってる方とのコミュニケーションを実現しております。二つ目が自律移動という観点で、レーダーセンサーを使ってですね、周辺の障害物情報を拾っておりますので、障害物を検知してよける、もしくは止まるという形で安全な自律移動というところを実現しております。三つ目はですね遠隔監視というところと外部システムの連携というところで、人手がですね、あまりかからないような運用というのを既に実現したサービ検証というのを実施しております。
(株式会社ZMPロボライフ事業部の池田慈さん)
今回活用された宅配ロボット「デリロ」は、①コミュニケーション型で②自立走行型③遠隔監視体制という所が特徴。
まずコミュニケーションについてですが、このロボットには「目」がついていてAI技術によって、状況に応じて表情が変わったり音声を発したりする。例えば進行方向に歩行者がいて、進めない場合は「道を譲ってください」と音声が流れ、目が涙目になる。逆に道を譲ってもらった場合は、目がハート型になって「ありがとうございます」と発したりして、人と共生できるロボットを目指すそうです。

ふたつめの自律走行については、レーザーなどで障害物を避けるだけではなく、カメラで色を識別。例えば横断歩道などでは信号の色を識別して自動で止まったり進んだり出来る。
そして三つ目のポイントは遠隔監視!今回は実験なので1台のロボットにつき1人の遠隔監視者がついていますが、将来的には1人が複数台のロボットを監視して人員削減などに貢献できればとのこと。
課題も見えてきた
では今回この実験に参加した飲食店側の意見はどうなのか伺いました。株式会社サイゼリヤ広報担当 儀間智さんのお話しです。
コロナになりまして、イートインの売り上げが大きくちょっと低迷しているというような中で、今回このようなお話を頂戴いたしまして、新たな販路ができたんではないかなと思いまして、参加させていただきました。メリットといたしましては、配達員の方、人間ですので時間通りに来れなかったりとか、そういったことがあったんですけども、今回のこの企画ではそういうことがなくなったということですね。ただ、デリバリーとかでよく配達員の方が担いでいらっしゃるあのバックっていうのは保温性があるかと思うんですけども、このロボットに関してあまり保温性がないということでちょっと料理が冷めてしまうというようなこともありますので、もし可能であればそのロボットとの例えば電力をちょっと利用して保温機能をつけるとか、期待はしております。
(株式会社サイゼリヤ広報担当 儀間智さん)
人間だからこそ起こるトラブルを、ロボットだと回避出来るところがメリットだそうですが、配達員の方によるデリバリーサービスの方が歴史は長いので、飲食などを配送する上で改善するべき点もあるが、新たな販路として期待しているとの事でした。