TBSラジオ「山形純菜 プレシャスサンデー」(日曜日・午前6時~生放送)
「日曜日の朝を楽しくする」ワイド番組。
朝7時台の「プレシャスエンターテイメント」は、様々な分野で活躍するゲストを招き、お話を伺っています。
8月30日(日)7時台のゲストは、先週に引き続き、俳優の村上虹郎さん

村上虹郎さんは、1997年生まれの23歳。東京都出身。2014年に、カンヌ国際映画祭・コンペティション部門出品映画『2つ目の窓』で主演を務め、俳優デビュー。この作品で、高崎映画祭・最優秀新人男優賞を受賞されました。また、2017年には、映画『武曲 MUKOKU』で、日本アカデミー賞・優秀助演男優賞を受賞。TBSドラマでは、日曜劇場「仰げば尊し」「この世界の片隅に」に出演。一目見たら忘れられないほどの目力と、憂いを秘めたような独特の存在感で映画、ドラマ、舞台に出演し、その高い演技力で注目を集めています。
★村上さんのプレシャスな場所は?
(村上さん)
家!!(笑) 元々、家嫌いだったんですけど。実家というのが嫌いで。身内と近い距離にいると、ケンカしかしないから。親父にしろ、母親にしろ、どんなに好きな身内でも(笑)。母親はいまカナダに住んでるんで、丁度いいんですよ(笑)。
親父も一緒に住まわせてもらったりしたんですけど、門限を作られるんですよ。それが意外と早くて(笑)。「いやいや、アンタその歳の時、絶対守ってないだろ!」っていう(笑)。やっぱり親なんで、親父も元々コワモテなイメージあると思うんですけど、おばちゃんみたいな心配性で、それが鬱陶しくて。だから今の一人暮らしが丁度いいんですよね。それから家が好きになりました。
前回に引き続き、インドアな面が垣間見れた村上さん。続いては、これまでの俳優生活で、特に舞台で起こったハプニングについて、伺いました。
★4作品連続舞台中の悲劇メドレー!!(村上さん)
①初舞台をやらせてもらったときは、ある公演のクライマックスのシーンで、感情をむき出しにして周りの人と取っ組み合いになるシーンで…。お客線目線からすると、僕が消えたんですよ、そこまで叫びまくってたのに、一瞬にして舞台上から…落ちてたっていう…。1列目のお客さんに膝がぶつかって「あっ!ごめんなさい…」みたいな…。
②小泉今日子さんとの舞台で、セットに芝生があるんですけど。雨を降らせるんです。雪も降るんです。そうなると、人工芝って滑るんですよね…。それに僕が、すごく動く元気のいい役だったので、セリフ言いながら走ってたら、コケちゃって。もうその時は空中に浮いてたほどで、お尻から落ちて(笑)。なのて「痛っ!!」って言っちゃったんです。そしたら相手の方が、止まっちゃって…。
③高畑充希さん主演の舞台。僕はその弟役で、亡命してしまうが、親に復讐するために戻ってきて、姉の高畑さんに他人を装って再開するんですけど、「お姉ちゃんだ!」って分かった瞬間に「僕は弟です!」と伝えるんですけど。その感動のシーンで、高畑さんは体勢が低くて。
④石原さとみさん、鈴木浩介さんとの舞台で。初日が二日目あたりの公演で、僕の誕生日を二人が祝ってくれてるシーン。お芝居続けてたら、浩介さんが、「あっ!ヤバい!」って言いだして。そしたら僕のチャック(社会の窓)が、全開だったんですよ。しかもお客さんが「きゃっ!」って言ったのを聞いて浩介さんも気づいたらしく…。それで石原さんも「きゃ~!」ってアドリブしだして…。
舞台にハプニングは付き物だと思いますが、いろいろあるものですね。
そして、後半は、現在公開中の村上さんの最新主演映画「ソワレ」について、じっくり伺いました。この作品は、豊原功補さん、小泉今日子さん、外山文治監督などが立ち上げた映画制作会社「新世界合同会社」の、第1回プロデュース作品としても注目されています。
俳優を目指して上京するも結果が出ず、未来に希望を持てない翔太。ある夏、高齢者施設で演劇を教えることになった翔太は、そこで働くタカラに出会います。
数日後、翔太がタカラの家に行くと、父親から激しい暴行を受けるタカラを目撃。翔太は、逃げ場のない現実に佇むタカラの手を取り、二人の「かけおち」とも呼べる逃避行が始まった…。

(村上さん)
ヒロインのタカラは、この逃避行を「かけおち」と言ってしまう瞬間がある一方、翔太は「かくれんぼ」というんですけど。どちらも真意かは分からない。でも「かくれんぼ」って…結構幼稚なところがあって。夢を持って頑張ってるから可愛いヤツでもあるんですけど、実力ないのにプライドだけ高いっていう典型的なヤツなんです。タカラの方が、抱えているものは大きいんですよね、元々が絶対的弱者で。
(村上さん)
撮影に入る前は、監督とかと一緒にご飯とか行ってコミュニケーションとったんですけど。
(村上さん)
とある日、僕、朝がダメなんですけど、6時半とかに起きて外に出ると、日によりけり、ロケバスじゃなくて、小泉さんが車で後部座席を開けて。「おはようございます!乗ってください!」って、待っていて。そして時には豊原さんが車で渋い顔していて、乗ると「おぅ!おはよう!!」みたいな感じで、2人とも車両部をやってたりとか。あとは、レールという、カメラワークで移動するものを手伝ってたりとか。「そんなにやるんですかっ!?」って感じだったんですけど。小泉さんに関しては、警備棒みたいなやつで車止めまでしていて。でもそれだけお二人が、映画に対して、社会に対して、既存のものに疑問を持って「ここから変えていくんだ!」っていう、気合みたいなものがハンパなくて。でもそれを、そんなに見せないようにするっていう、粋な感じが素敵なところですね。

(村上さん)
映画好きな人は、僕が何を言わなくても観てくれると思うんですけど、「ちょっと気になるけど」「重そうだな」って思っている人に、少しでも劇場に来てもらえると嬉しいですね。サブスクがこれだけすごく普及しているとはいえ、「映画館の価値上がってない?」って思うんですよね。純度は高まっているんじゃないかと思いますね。
村上さんの面白い話、映画に対する想いがたくさん聞けた放送となりました。ありがとうございました!公開中の「ソワレ」もぜひチェックしてみてください!
◆8月30日放送分より 番組名:「山形純菜 プレシャスサンデー」
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