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音楽ジャーナリスト高橋芳朗さんによる洋楽コラム(2020/10/22)

の新曲『Whenever You Call』を聴いて超おしゃれなR&Bのプレイリストをつくっちゃおう!」

高橋:本日はこんなテーマでお届けいたします! 「嵐の新曲『Whenever You Call』を聴いて超おしゃれなR&Bのプレイリストをつくっちゃおう!」。さっそくですが蓮見さん、そもそもの話になりますが「プレイリスト」をご存知ですか?

蓮見:名前は知っていますが……そこから説明をお願いしてもよろしいでしょうか?(笑)

高橋:もちろんです。

定額制音楽配信サービスはわかりますか?

蓮見:サブスク?

高橋:そうです、いわゆるサブスク。サブスクで個人アカウントを取得すると自分の好きな音楽を特定のテーマに合わせてリスト化してまとめることができるんです。それがプレイリストですね。

スー:昔、友達におすすめの曲を集めたカセットテープをつくったりしたでしょ。

高橋:そうそう。カセットテープだったり、CD-RだったりMDだったり。

蓮見:はい、やりましたね。

高橋:自分でテーマやコンセプトを考えて選曲した「マイベスト」をつくったりしましたよね。ざっくり言うとあれをインターネット上で作成するような感覚でしょうか。ただ、サブスクで作成したプレイリストは個人で楽しむだけでなく世界に公開することもできるんですよ。

蓮見:公開? なんのために?

高橋:「ぜひ私のセレクションを聴いてみてください!」という。

蓮見:いやいや、そんな僭越な!

高橋:フフフフフ、謙虚!

スー:いまは時代が変わってオープンになっているものが多いよね。

自分の好みを人に見せる時代。前提条件が昔とちがうんですよ。

蓮見:なるほど。

高橋:その自分が選曲したプレイリストを通して、ファン同士、音楽好き同士でコミュニケーションをとったりするわけですよ。

スー:そうそう。「あなたが選んだその曲いいね!」って。

蓮見:なるほどね!

高橋:今日はそんなプレイリストを嵐が9月18日にリリースした最新シングル「Whenever You Call」をきっかけにつくってみようという提案です。

スー:なぜ嵐のこの曲でプレイリストをつくってみようと思ったの?

高橋:この「Whenever You Call」は嵐の音楽と最新の洋楽、具体的には最新のR&Bを一緒に楽しむ絶好の機会だと思うんですよ。まずここ一年ぐらいの嵐がめちゃくちゃ熱いことになっている、という話をさせてもらいたいんですけど……嵐が今年いっぱいで活動休止することは皆さんご存知ですよね?

蓮見:はい。

高橋:その嵐、昨年11月3日のデビュー20周年のタイミングですべてのシングルの表題曲の配信とSNSを解禁しまして。つまりこの日をもって嵐が世界に向けて開かれたことになったわけなんですけど、それに併せるような格好でシングル「Turning Up」をリリースしました。これが嵐のディスコグラフィ中でもベスト級に素晴らしい仕上がりで。

♪ Turning UP / 嵐

高橋:この「Turning Up」は曲自体が従来よりもぐっと現行の世界標準なR&Bサウンドを踏まえたダンスミュージックになっているのに加えて、歌詞でも「We bring the party / Let's get it started / 世界中に放て/Turning up with the J-POP!」と歌っていて。要は、すでに活動休止は決まっているけどギリギリまで挑戦をし続けるという彼らの決意表明的な楽曲になっているんですね。実際、その「Turning Up」から現在に至るまでの嵐のシングル曲が活動休止を控えたグループとは思えないほどに意欲的な作品ばかりで。海外アーティストとのコラボだったり英語詞の曲だったり、活動休止どころかなにかこれから新しい未来を見せてくれるのではないかと思えるような作品が続いているんです。

これから聴いてもらう「Whenever You Call」はまさにそんな一曲で、まず全編が英語詞で構成されています。そしてプロデュースを務めるのが現行ポップミュージック最高のスーパースターといえるブルーノ・マーズ、そしていまコアなR&Bリスナーから最も厚い信頼を得ているプロデューサーのひとり、D'マイルとの共同制作。このキャスティングといい曲のディレクションといい、R&B好きからすると「わかってらっしゃるなー!」という感じなんですよ。R&Bの良心を感じさせるところがあるというか。

スー:誰かいるね!

高橋:うん、どなたか優秀なブレーンの方がいらっしゃるのかもしれない。さらに驚かされるのが、嵐の皆さんのボーカルパフォーマンスなんですよ。明らかにこの曲のレコーディングに当たってチューンアップしてきてる。特にリーダーの大野智さんが素晴らしいので、ぜひそのあたり注目して聴いてみてください。

M1 Whenever You Call / 嵐

高橋:蓮見さん、気に入っていただけたようでうれしいです!

蓮見:いやー、これはいい歌ですねえ! いい歌! 歌詞は英語ですけど、よく聴いていると「あっ、ニノだ! 相葉(雅紀)くんだ!」ってちゃんとわかりますね。

高橋:フフフフフ、蓮見さんはニノ(二宮和也)推しということで。

蓮見:そう、二宮さんのことが大好きで。もちろん大野さんのボーカルも好きなんですけど、もう嵐はドンピシャ世代ですから。

スー:だって蓮見さん、聴きながら歌詞を紙に書き写し始めて「これ歌えるようになりたい!」って(笑)。

高橋:蓮見さん、歌詞はネットで検索すれば一発で出てきます!(笑)

スー:フフフフフ、なんで耳コピしようとしてるの?

高橋:それでこの「Whenever You Call」をもとにどんなプレイリストづくりを提案したいかというと、先ほど「いまコアなR&Bリスナーから最も厚い信頼を得ているプロデューサーのひとり」と紹介したD'マイルが関与した作品を集めてプレイリストをつくってみてはどうでしょう、と。このD'マイルは本名ダーネスト・イマイル、2005年ごろから頭角を表してきたニューヨーク出身のプロデューサーです。これまでに手掛けたアーティストは、ジャネット・ジャクソン、リアーナ、ジャスティン・ビーバー、アリアナ・グランデ、ジェニーファー・ロペスなど。もうこれでもかってぐらいにスーパースターがひしめいているんですけど、特に去年から今年にかけて傑作を連発していまして。ここでは彼の最新のお仕事から3曲厳選して紹介したいと思います。

スー:よろしくお願いします!

高橋:まずはオハイオ州出身のシンガー、アリーナ・バラスが4月にリリースしたアルバム『It Was Divine』より「The Beginning」。気怠い物憂げなボーカルとボサノバ調のトラックとの調和が美しいスタイリッシュなR&Bです。

M2 The Beginning / Alina Baraz

高橋:これは素敵でしょ?

スー:こういう抑制の効いたR&B、いいですね。

高橋:蓮見さん、奥さまとスウィートな時間を過ごすときにはお酒でも飲みながらこういう音楽をBGMとして流したりすると最高です。

蓮見:たしかに、高層階ホテルのワンフロアにいるイメージが……。

高橋:フフフフフ、また蓮見さんの妄想が始まった!

スー:来たよ来たよ(笑)。

蓮見:いい仕事をしてホテルの部屋に戻ってきたら妻が先に部屋に入って待っていて、みたいな。

スー:先にチェックインしていてね。

蓮見:そう、チェックインして。

高橋:すみません、次の曲にいっていいですか?(笑)

スー:アハハハハ! これはどこが舞台? 白金高輪?

高橋:続いてはサクラメント出身のシンガー、ヴィクトリア・モネイが8月にリリースしたアルバム『Jaguar』よりタイトル曲の「Jaguar」を。ヴィクトリア・モネイはアリアナ・グランデの全米ナンバーワンヒット、「thank u, next」や「7 rings」を提供していたりとソングライターとしても大活躍中。この「Jaguar」はビヨンセの「Deja Vu」にも通じるファンキーなアップテンポですね。

M3 Jaguar / Victoria Monet

高橋:では最後3曲目はロサンゼルス出身のシンガー、インディア・ショーンが8月にリリースした最新シングル「Movin' On」。ゲストシンガーとしてグラミー賞最優秀新人賞にノミネートされたこともあるアンダーソン・パークが参加したさわやかなナンバーです。

これもめちゃくちゃいい曲!

M4 Movin' On feat. Anderson .Paak / India Shawn

高橋:では蓮見さん、この4曲のプレイリストになにか名前をつけるとしたら?

蓮見:仕事を終えて帰宅するとき、颯爽と街中を歩いている自分を想像したんですよね。そんな「今日はいい仕事をしたぞ!」というときに聴くプレイリスト...

スー:なるほどね。

蓮見:なので「アーバンライフ蓮見」でお願いします(笑)。

スー:フフフフフ、どこのマンションだよ!

高橋:じゃあ「アーバンライフ蓮見」でいきましょう(笑)。そんなわけで嵐の新曲「Whenever You Call」、ここはブルーノ・マーズと共にプロデュースを勤めるD'マイルの傑作群と並べて聴いてみてはどうでしょうか。4曲だとちょっと少ない気もするので、あと6曲選曲してトータル10曲のプレイリストをつくっておきますね。

そして最後に今後の嵐の動向を。まず来週金曜日30日にはニューシングル「Party Starters」をリリース。これがまたワン・ダイレクションやケイティ・ペリーを手掛けたサム・ホランダーがプロデュースを務めているということで期待大ですね。そして11月3日には3年ぶりのニューアルバム『This is 嵐』が控えています。ここ最近のシングル曲の流れから考えて、ここでもなにかしらのサプライズがあるんじゃないでしょうか。楽しみです!

【嵐「Whenever You Call」と共に聴くD'MILEプロデュース作品+6】

M5 Like I Feel / Xavier Omar feat. Mereba
M6 Shoulda / Lucky Daye feat, Babyface
M7 That's On You (Japanese Remix) / Joyce Wrice feat. UMI
M8 Nothing to Lose / Zola Courtney
M9 Bad Decisions / Buddy
M10 Forever Valentine / Charlie Wilson

◆10月22日放送分より 番組名:「ジェーン・スー 生活は踊る」
◆http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20201022110000

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