TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』毎週月曜日~金曜日 朝6時30分から放送中!(5月5日(木)放送分)
7時30分過ぎからは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」
今週のTBSはSDGsウィークと言うことで、、今朝はプラスチックを減らす取り組みに目を向けました。「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)「現場にアタック」で竹内紫麻が取材報告しました。
クッキーコロネ
まずは、お菓子でお馴染みの株式会社ブルボンです。「クッキーコロネ」という商品が、話題になっていますが、どんな商品か?ブルボンの業務用販売課の川上博士さんのお話しです。
「この商品は、ドリンクが飲めるクッキーストローでして、生地はクッキーでできたものでございます。数年前ですかねウミガメの鼻にストローが刺さってるっていう、ちょっと衝撃的な映像があったかと思うんですけども、私達菓子メーカーでも環境問題に対して何かできないかというのがきっかけでございます。弊社の商品の中で「チュエル」という商品があったんですけど、クレープ生地で中空のクレープクッキー、中にチョコレートが入っているような、そういった仕様になるんですけど、そのチョコレートを抜けば、そのままストローとして使えるんじゃないかというのが1つの開発のヒントになりました。耐水性を持たせるということで、チョコレートがけやキャラメルコーティングを行いましたが、飲み物自体の味が変わってしまうということがありましたので、食用油脂のコーティングをしたところ、20~25分くらいはストローとしての機能が保てることがわかりました。」
(ブルボンの業務用販売課の川上博士さん)
2020年度にグッドデザイン賞を受賞した、クッキーの生地で出来た、食べられるストロー、「クッキーコロネ」。
お菓子メーカーの技術を活かしてプラスチック削減ができないかと目をつけたのが「ストロー」。というのもブルボンには、筒型のクッキーで、中にチョコが詰まった「チュエル」というお菓子があるのですが、そのチョコを取り除いたら、ストローになるのではと。そこから、ストローになるように、長くしたり、耐水性を高めました。

温かいものとかには不向きなんですが、冷たいドリンク、スムージーなら、25分から30分、ソフトドリンクであれば、15分か20分ほど耐水性があるそうです。
2020年にレストランや喫茶店向けに業務用として販売。使っているお店によると、お客さんから「これ本当に吸えるんですか」っていうような声も出たそうですが、最後は食べられるということで、「すごいね」と話題になっているようです。
現在は飲食店向けの業務用販売のみですが、今後は一般販売も視野に入れているとのことです。
パクーンでパクっ!
ストローの次はスプーンです。カラフルな「食べられるスプーン」を販売している株式会社の勤労食、常務取締役の濱崎佳寿子さんのお話し。
「商品名は食べられるスプーンの「パクーン」といいます。使ってる材料はメインは小麦粉になるんですけども、全て国産の材料を使用してまして、食べた感じはクッキーみたいな感じなんですけども、種類としては「おから」「かぼちゃ」「井草」「抹茶」「ビーツ」の5種類の味で展開してまして、色はカラフルな色がついてるんですけど、全て野菜の天然の色でつけてありますので、無添加のものになっております。ヨーグルトとかアイスとかスープとかそういったものを食べてる間はふにゃふにゃになったり、溶けたりしないので、食事を食べていただいて、最後はスプーンを食べて洗う手間もなくゴミも出ないっていうような、そんな商品になってます。」
(株式会社の勤労食、常務取締役の濱崎佳寿子さん)
国産野菜でできた、食べられるスプーン、その名も「PACOON(パクーン)」。

勤労食は愛知県の会社ですが、同じ愛知県のメーカーで、アイスクリームのコーンなどを作っている「丸繁製菓(まるしげせいか)」と一緒に開発したのが、この「パクーン」。
特別な製造方法で、ふにゃふにゃになりにくく、かつ食べるにも硬すぎない絶妙な硬さを作る事に成功したそうです。冷たいものだけでなく、熱にも強いので、スープなどでも、途中で溶けることなく使えて、食後にはスプーンをカリッとした状態で食べられます。

また、バターなど酸化しやすい材料を使っていないので、賞味期限は製造から180日持つとの事。こちらは防災などのストックにも役立つようになるべく長く日持ちするように工夫されたそうです。
パクーンは公式サイトでネット販売中。20本入り税込み1620円。
食育と環境!
この食べられるスプーン「パクーン」は、観光地のデザート店などでも導入され、スプーンをポイ捨てする人が減ったなどの反響もあるそうですが、プラスチック削減といった環境問題だけでなく、もう一つ、別の目的もあって開発されたそうです。
「弊社のメインは社員食堂を運営してる会社になるんですけども、その中で大人の食育っていうところをさせて頂いてるっていうような状況で、体のために野菜を食べてくださいっていうふうに伝えているんですけど、なかなか大人の方にいきなり野菜食べてくださいって言っても伝わりにくいっていう部分があって、やっぱり子供の頃からの食育っていうところが大事になってくるんじゃないかっていうので、何か楽しみながら、あの野菜を食べるきっかけができるような商品が開発できないかな、っていうところが、一番初めの「パクーン」を作ろうと思ったきっかけです。今学校でSDGsの授業とかもあったりするみたいで、昨年とかは学校に購入いただいて、小学校、高校の家庭科の授業とかで使われることがありましたね。」
株式会社の勤労食、常務取締役の濱崎佳寿子さん)
濱崎さんは管理栄養士の資格を持つ食育のプロ。子どもの頃から楽しく食育を、と言うテーマもあり、野菜を使って、子供でも食べられるサイズにこだわった。そうしてできた「パクーン」は、食物繊維やたんぱく質、ビタミンといった栄養も豊富だそうです。
学校の授業でも使われているとのことで、2020年10月の発売以来、10万本を超える売り上げのヒット商品となった。
今後は、食育を通して、環境意識の向上に貢献できればと濱崎さんのお話しでした。