TBSラジオ『蓮見孝之 まとめて!土曜日』毎週土曜日内で8時20分頃から放送している「人権TODAY」(5月7日(土)放送分)
ロシア軍に侵攻されたウクライナからの避難民同士が交流するカフェ『ドゥルーズィ』
ロシア軍に侵攻されたウクライナからの避難民が交流するカフェが先週の木曜日、4月28日に横浜市のみなとみらいにできたと聞いて取材に行ってきました。
横浜市にはおよそ10万人の外国人が暮らしています。
そうした外国人の相談窓口として横浜国際協力センターという場所がパシフィコ横浜にあるんですが、その中に設置されました。
交流カフェの名前は「ドゥルーズィ」といいます。
「ドゥルーズィ」はウクライナ語で「友達」という意味です。
カフェといっても単なるお茶飲み場ではなくて、避難民が交流するサロンのような場です。
子どもたちが遊べるマットが敷かれたキッズスペースや落書きができるホワイトボードに、壁にはウクライナの港湾都市・オデーサの写真なども飾られているんです。
現在横浜市には、およそ20家族、40人の避難民が滞在しています。
横浜市が、そうした避難民の皆さんが集える場所を作ったその狙いについて横浜市国際局の関谷聡さんです。
(関谷聡さん)やっぱり衣食住だけでなくて、しっかりウクライナ人の方々の横のつながりというんですかねウクライナ人の方同士の交流を進められるようにということで今回こういう拠点、施設をオープンしたところです。
もちろんウクライナ人同士、その避難民同士もですし、前から日本に住んでいる方と新しく避難して来られた方の交流というのもありますし、そういった方々が母国語で交流できるような施設をということで今回こういう風に整備をいたしたところです。
横浜市内には120人くらいのウクライナ人が元々暮らしています。
その人たちが、ウクライナから逃れた親族を横浜に呼び寄せている状況ですが、なかには全く横浜にゆかりが無くて来ている人もいるそうで、こういう方々が孤立しないように「ドゥルーズィ」で交流が図られています。
カフェの運営は横浜国際交流協会と日本に住んでいるウクライナ人が協力して行っています。
カフェを運営しているお一人で、横浜市在住のウクライナ人、オデーサ出身のコヴァリエヴスカ・ナタリアさんにお話を聞きました。
実は横浜市とオデーサは1965年から姉妹都市。
ナタリアさんは元々一般社団法人で横浜市とオデーサの交流を深める仕事をしていて、ウクライナとのパイプ役をしていました。
ロシア軍の侵攻以降は、このカフェで時々避難民のサポートをしています。
(ナタリアさん)例えば教育や日本語の勉強や仕事の探し方とか子供の学校の通い方とか、その情報を準備しています。みんな一生懸命。
もう学校通っている子ども達もいらっしゃいますね。
ビザや、口座開くのとか、そこまで一緒に行って手伝いますね。
横浜に来て早速日本語の勉強をする人、仕事を自分で探して始める人、小学校に通い始めた子どももいたりと、避難民も早くも動いているんです。
そのために今避難民に必要な銀行口座の開設の手伝いなどもナタリアさんは行っています。
ナタリアさん以外の日本在住のウクライナ人が読み書きを教えることもあるそうです。
慣れない日本の社会で暮らす避難民が、この「ドゥルーズィ」で母国語で交流している様子を見た横浜市国際交流協会の鈴木一博さんとナタリアさんです。
(鈴木さん)先日、ここでウクライナの方がですね、日本に住んでいる方々とコミュニケーションを取っていらっしゃいましたけれど、随分リラックスをして話も弾んでいましたね。
(ナタリアさん)そうですね、すごく大切。自分の母国語を話せるとすごいリラックスできますね。一人じゃない、誰か側にいます。それはすごく安心、安全で大切です。
さらには、ここではウクライナ人同士だけではなく、避難民をサポートしたい民間企業も繋ぐ拠点になっています。
実際に企業からの支援の申し出はかなりあって、近隣の商業施設やレクリエーション施設の招待券の申し出もあるほか、カフェ内の備品を提供する企業も。
また、ウクライナ大使館から子ども向け絵本の寄贈もあったといいます。

この「ドゥルーズィー」を開いた横浜市は“ウクライナ避難民の皆さまを「オール横浜支援パッケージ」で支援します”とホームページのトップで大きく載せていて、慣れない土地で不安を感じる
ウクライナの避難民が安心して生活できる支援を続けるとしています。