TBSラジオ「山形純菜 プレシャスサンデー」(日曜日・午前6時~9時)
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ゲストコーナー「プレシャスエンターテイメント」は、様々な分野で活躍する方を招き、お話を伺っています。

12月6日(日)のゲストは、声優の日髙のり子さん

デビュー40周年、声優・日髙のり子▼声優の基礎を学んだ現場は「タッチ」▼「MIX」「ETCの声」「トップをねらえ!」の現場エピソード

日髙のり子さんは、東京都出身。1980年に、「初恋サンシャイン」で歌手デビューの後、1984年に声優デビュー。代表作は「タッチ」の浅倉南、「となりのトトロ」の草壁サツキ、「らんま1/2」の天道あかね、など。他にも数多くのアニメに出演されています。また、テレビ番組やCMのナレーションを担当するなど、現在も、第一線で活躍されていらっしゃいます。

今回の日髙さんのご出演で、山寺宏一さん、関俊彦さんに続き、バナナフリッターズ全員コンプリート!そんなトークから始まりました。

★声優になったきっかけは?

(日髙さん)
小学生のころから劇団に入っていて、お芝居が大好きで、将来の夢は「女優さん」と思ってたんです。それでたまたま高校生の時に、アニメ「ふたごのモンチッチ」の主題歌を歌う仕事が劇団に舞い込んできて私が選ばれて、それがきっかけで担当の方が「いつかアイドルでデビューしようね」って仰ってくださって、歌の方に進んだという経緯があるんです。それで歌手活動を数年やっていたら「やっぱりセリフを喋りたい」と思うようになって、声優の道に入りました。
当時、タレント活動が多くなっていて、「ドラマに出たい」と思ってもレギュラーの仕事があって、スケジュールが難しくて「もうセリフを喋る仕事は出来ない」と思っていた時に、私がやっているラジオにリスナーからのお便りに「声に特徴があるから声優の仕事、向いてるんじゃないですか?」って書いてあったんです。それでオーディションを受ける機会があって、1作品やってみたら、この仕事が大好きになっちゃったんですよ。容姿に関係なく、いろんな役にチャレンジできることも魅力だと思いました。

★声優のオーディションは大変だと聞きますが…?

(日髙さん)
オーディションは、本当に大変ですね。最初は受けるのも楽しかったんですけど、3作目が「タッチ」で、自分自身が、凄くその役をやりたくて、力が入りすぎたというか緊張したというか…。それで、出来たかどうか分からない感じで終わっちゃったんですね。変える時には「あぁすればよかった…何で出来なかったんだろう…?」と後悔して、ずっと考えてましたね。
役を頂けたときは、すっごく嬉しかったです!「夢がかなった!!」という感じで。
でも、アフレコが始まると、その喜びはプレッシャーに変わっていきました。原作が大ヒットしていたので、あだち充先生のファンの皆さんが思い描いていた浅倉南があったと思うので。
お手紙が届くと半分はピッタリ、残りの半分は「イメージ壊れるから今すぐ辞めてくれ」みたいな感じで…。そういうお手紙を読んで泣く…みたいな(笑)
2年間の放送期間で、声優としての生きていく基礎を、全て叩き込まれた感じがあって、いろいろマスターすることも出来ました。

★アニメの現場、変わってきたと思うことは?

(日髙さん)
私が声優になりたての時は、映写機でフィルムを映すので視聴覚室で映画を観るようにスタジオの電気が消えての収録だったので、マイクの前に台本を照らす明かりが点いていたんです。手元明かりで読むのが、ものすごく緊張するんですよね。
セリフも6ミリテープで録っていたんですよね。

それで失敗部分をカットして、ごみ箱に捨てるので、ゴミ箱の中にテープの山が出来るんです。そうすると、私の教育係の三ツ矢雄二さんに言われるんです、「ご覧なさい、アレがあなたの失敗よ、反省しなさい」って言われて…。目で見て自分のミスを確認するんです。
精神面で鍛えられましたね。追い詰められて、食事がのどを通らなくなって、アフレコに臨んで、お腹が鳴ってNGを出してまた迷惑をかけるという悪循環…(笑)
今は便利になりましたけど、その分、アニメのテンポが速くなってアフレコの時には画が間に合わなくて、表情が読み取りづらかったりする作品もあるので、アフレコの技術はまた変わってきたような気がします。

この他、「るろうに剣心」収録現場での日髙さんの爆笑失敗談など、詳しく伺いました。

芸能生活40周年、忘れられない作品・セリフは!?

デビュー40周年、声優・日髙のり子▼声優の基礎を学んだ現場は「タッチ」▼「MIX」「ETCの声」「トップをねらえ!」の現場エピソード

後編は、日髙さんのこれまでのお仕事の中で、忘れられない作品・セリフなどのエピソードを伺いました。

★アニメ「MIX」のナレーション

(日髙さん)
あだち充先生の現在も連載中なんですが、「タッチ」の舞台となった明青学園の30年後を描いた作品なんです。だから伝説の甲子園優勝ピッチャーということで上杉達也という名前が残っているんですね。そういう作品に、ナレーションとして入ったんですが、どういう感じで読んでください、っていう指示がなかったんです。リハーサルもしていったんですけど、当日に「これも読んでもらいたいんだけど…」と渡された原稿が、「あの栄光の夏から30年、…目指せ!甲子園!!」だったんです。何の準備もなくそれ渡されて、なんとなく最後の言葉は、南ちゃんのテイストに当てはめた方がいいんじゃないかと…。

それまでいろいろな番組で南ちゃんの声はやっていたのに、アニメのアフレコでやるとなると、すごく緊張しちゃって…。
「MIX」の声優さんたちも後ろにズラリといて、私のことをOGのような感じで見ていたので期待もハンパじゃなくって…。あだち充先生作品は、いつでも私にプレッシャーを与えてくるな、と忘れられない作品になりました。

★ETCの声

(日髙さん)
タクシーに乗っていて「あ、私だ…」と思うことがあって、そうなるとETCと自分の声を変えようと思って喋り出す自分がおかしいです(笑)
一番びっくりしたのは、リズムを刻むクリック音が流れて、それに合わせて言ってください、ってことで。それでテンポ感とトーンを同じにして喋るんです。そうすると安定感が出て、ドライバーが運転しながら、心地よい動揺させないようになっているんです。
それに機械の音声なので、感情表現がいらないんですね。「このカードは有効期限が切れています」などの警告メッセージを言うとき、私の言い方が、申し訳ない…という雰囲気になっていたらしく、「それ、いらないから!申し訳ないなんて一切思わなくていいです」って言われたのが、難しかったですね。

★アニメ「トップをねらえ!」の収録現場

(日髙さん)
庵野秀明監督の初監督作品で、すごく力も入っていることもあって、こだわりがすごく強かったんです。この作品は、高校生の女の子が、ロボットに乗って宇宙怪獣を倒すというアニメなんですけど、イナズマキックとか、バスターコレダーとか必殺技があるんですね。その技を叫ぶには、力点を置くポイントがあって、それを庵野監督が直接伝えたいということで、スタジオに降りてこられて、実演してくださったんです。
庵野監督、ひょろっとして顔も青白い感じで、画の作業でお疲れだったと思うんですけど、それで全身全霊で叫んでくださるから、その後すごく息が上がっちゃって、イスに、ドスッと倒れこんじゃうんです。

そんな現場初めてでビックリしちゃって…、でも熱意もすごく伝わりましたし、私もそれをやってると、だんだんライバル心が沸いてきちゃって…。おそらく庵野監督も「負けるもんか!」みたいな感じがあって…(笑)
音響監督さんも戸惑ってました。「なんか監督が直接教えたいっていうから、聞いてやって~」とか言われましたね(笑)

この他、日髙さんのプレシャスなもの、コロナ禍で挑戦したことなど、内容盛りだくさんでお届けしました!

そして、番組では、歌手デビュー40周年を記念してベストアルバム「Noriko Hidaka All Time Best ~40 Dramatic Songs~」と、デビュー記念日の配信限定リリースされた、40周年記念書き下ろし新曲「ドラマ」をご紹介しました。これから1年、40周年イヤーとして活動する日髙さんも要チェック!!

◆12月6日放送分より 番組名:「山形純菜 プレシャスサンデー」
◆http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20201206060000

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