TBSラジオ『要 潤のMagic Hour』毎週土曜17時から放送中!

7月30日(土)放送後記

ゲストは先週に引き続き、俳優 大沢たかおさんです。

最上階10階にある 『エグゼクティブ オーシャンビュー テラス スイート 1007号室』で東京湾を眺めながら、お話伺っています。

いつも変わらない思い『お客さんさえ喜んでくれれば良い』

これまで数々のドラマ、映画に出演されてきた大沢さんですが、演技のキャリアを積む中、どんな方々の影響を受けてきたのか、伺いました。

大沢「すごく我も強かったから...。先輩たちとは違う、自分たちの時代の表現をすべきだって勝手にモデル時代に思っていて。俳優になった時もそうだったから、周りの方々とは、別のやり方で考えてやっていく方だったかなぁ。むしろ。」

要「大沢さんって、俳優という色はお持ちですけど、真っ白な、無色透明なイメージを保ってらっしゃって。それは、誰かみたいになりたい、という事ではなく、自分の中で消化して自分から道を切り開いてらっしゃる、ということなんですかね。」

大沢「どうなんだろうね?たまたまだよね(笑)ラッキーだった。」

要「たまたま、じゃ、大沢さんにはなれないですよ(笑)」

大沢「日本だから分からなかっただけなんだけど、見てた役者さん達が、出てくる度に違う人みたいだったんですよ。”あの映画で観た役者さん、この役者さん?!”っていうくらい 、驚かしてくれたんです。それを俳優さんだと思い込んでいたので自分も、ドラマや映画を見るたびに、”あれ?”って思ってもらえたらエンターテイメントなんだろうなと思っていたから。自分のことを話す番組も出ないようにしてた。ただ、お客さんさえ喜んでくれたら良いっていう。それだけは、ずっと変わらないね。」

大沢たかおと語る『俳優の終着点とは』の画像はこちら >>

葛藤に苦しんだ、10代、20代。

当番組では、事前アンケートをお願いしています。
項目の1つには、ご自身の人生を振り返っていただく質問があります。

その回答は驚きで...

10代、葛藤
20代、葛藤
30代、葛藤
40代、挑戦
50代、挑戦と冒険

要「何に葛藤していたんですか?!」

大沢「自分の人生、しんどすぎて、もう繰り返せないね(笑)10代とか学生の頃、なぜ友人達がみんな同じ事を言ったり、なぜ全く同じ物に盛り上がってるのか。そういうのが、全く理解できなくて、笑えなくて...ずっと冷めきってた。高校も大学も周りとズレていて、周りの価値観とかが分からない、それで嫌だった。学生の頃はそれが苦しくて、異常なのかなとかも思ってた。ただラッキーなことは、いじめられる事はな買ったね。徹底的にズレてたからなのかな?(笑)成績表に『協調性ゼロ』っていつも書かれてた。ONE OF THEMが気持ち悪くて苦しんだ。」

20代は、ファッションモデルや俳優として仕事をスタートさせた時期です。
その時は、なぜモデルは笑顔でポーズを決めなくてはいけないのか?
という、従来の価値観に疑問を抱いていたそう。

大沢「たまたま出させられた メンズ・ノンノさんだけは、許してくれました。不貞腐れた顔でも、くしゃくしゃな格好でも、それを日常で表現したいなら良いっていう雑誌だったから。カメラマンに笑ってって言われても、笑ったことない。」

要「それが、格好よかったですよ!他とは違うって。」

大沢「ありがとう。でも、それで、みんな笑わなくなっちゃって、ものすごい暗い雑誌になっちゃったの(笑)逆に俺が笑い出したよ(笑)でも、そういう時も派閥があったり、”皆はこう”っていう流れがあったから、最終的にそれが嫌になっちゃったし、戦いも苦しくて、辞めちゃった。

それで、芸能活動したら、同じような芸能界と自分のギャップが埋められなくて毎日現場行くと、、、葛藤だったね。今思えば、申し訳ないんだけど、今の何がOKなんだろうって聞いちゃって。その分揉めて嫌われるし...なんで分かってくれないんだろうって。それはエゴだったんだと、今思うけど、その時分かってないから、ぶつかり続けてきた。」

要「30代でも、同じように葛藤を続けてらしたんですね」

大沢「30代に入ってからしばらくして、ドラマで自分が上手くやれないから映画に行こうと思って、そこから凄く、自分としては一生懸命にやってて。芸能のシステムとか理不尽なことは、30代にもなれば理解はしていたけど、それだけ、いきがってたら、うまくいかなくなりますよね。40代はもう、人生ほとんど葛藤しきったんで、自分のやれる事だけ思いっきりやろうと思って今まで避けていた世界でも。その中で出会ったドラマが『仁-JIN-』です。葛藤とか言ってられないくらい、全員が挑戦しないと勝てないドラマ時代だったので自分も挑戦する気持ちが芽生えました。もう葛藤とか言ってるような子供じゃないから、とにかく、挑戦しよう。と」

大沢たかおと語る『俳優の終着点とは』

俳優の終着点『引退ってわざわざ言う必要はない』

挑戦を続け、ひたすらに走ってきた40代を超え、現在は、高い挑戦や冒険という感性が入ってきた、と大沢さん。

要「役者としての終着点って、どうお考えですか?」

大沢「個人的には、理想を持って始めた仕事だったので。単純に、自分が作品に対して挑戦する気持ちが無くなったら、やめるだろうし。休業するつもりなかったけど、2年間休んだら休業扱いだったし、ここから10年休業したら、やめてるって事だし。

それほど長く挑戦する気持ちが無くなった時が、辞める時なのかな。『引退』ってわざわざ言う必要も無いだろうし、黙って消えていけば良いと思ってる。」

要「なるほど...深いですね。なんか、こんな深い番組でした?(笑)」

大沢「だって、俳優の最期って言うから!(笑) 逆に、どう考えてる?」

要「それこそ、自分からやりたいって言っても出来るお仕事ではないのでヨボヨボでも、役を頂けて、現場に行けて、セリフを言えるのならば、やりたいな、とは思いますけどね。迷惑かけたり、セリフ出てこないって状況だと、引かなきゃいけないかなとは思います(笑)」

大沢「要くんの言う通りで、声をかけられるって、すごく嬉しい。 人に必要とされてるって。もちろん、事情があってできない仕事でも本当によく電話いただけたり、声かけていただけるのは、改めて感謝です。」

大沢たかおと語る『俳優の終着点とは』

大沢さんにとっての、”人生の要” は ?

最後に、”人生の要” になっているモノ・コトについて伺いました。

大沢「これ、本当に難しい質問だよね(笑)人生という部分では、『自分の可能性を全部!使い切って終わり!』だよね。もう、お役御免っていう状態で人生を終わりたいから、『俳優じゃなくて、こういう才能もあったかな』とかで終わりたく無いからとにかく全部やる。とにかくやって、失敗してもやって、 可能性を全部使い切りたい。」

近藤「大沢さんに1ヶ月に渡り、お話うかがいましたが、、、永久保存版ですね。」

大沢「意外と、濃厚な番組でしたね(笑)」

要「すみません(笑)もっと軽くやりたかったんですけど、色々聞きたくなってしまいました(笑)」

近藤「ぜひまた、お願いします!!」

大沢「え?! これでまた1ヶ月?! 聞いてる人、しんどくない?!(笑)」

1ヶ月にわたり、濃厚なトークをありがとうございました。

主人公が憧れている将軍である”王騎”を大沢さんが演じられ、その腹心である”騰”を要潤が演じている、映画『キングダム2 遥かなる大地へ』。
現在公開中です! ぜひ劇場でご覧ください。

OA楽曲
Story of My Life/One Direction

大沢たかおと語る『俳優の終着点とは』
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