TBSラジオ「ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ」毎週木曜日よる9時から放送中!
「マイゲーム・マイライフ」のゲストにアルコ&ピースの酒井健太さんがやってきました。2021年3月末までテレビ東京で放送していたゲーム番組『勇者ああああ』のMCとしても知られています。
酒井「僕はスーファミを地域で一番最初に買ったんですよ」
宇多丸「ははははは。これは誇らしい。じゃあ、ファミコンは誰かの家にあったみたいな?」
酒井「(ファミコンんは)誰かの家で遊んではいたんですけど。僕の家が小学校から徒歩10歩くらいで行けるところで」
宇多丸「徒歩10歩(笑)。隣ですね」
酒井「もう、隣なんです。目の前が小学校みたいな」

宇多丸「いいですね、ギリまで寝てられる」
酒井「ギリまで寝てられる。放課後みんながそれ(スーファミ目当て)で遊びに来るようになっちゃって」
宇多丸「ヤバいですね。それでスーファミ初めて仕入れたらゲーセンですよね」
酒井「いや本当。たまり場になっちゃって。最悪でしたね」
宇多丸「でもまあ、人気者よね」
酒井「まあ……人気者にはなりましたけど、それから友達が雑に家に入ってくるようになったから、今もう後輩とか自分の家に一切入れないです」
宇多丸「逆にそのときのトラウマっつーか」
酒井「それが嫌になっちゃって。
宇多丸「子どもからしたら夢じゃないですか。学校の隣にゲームをタダでやれる、お茶お菓子でもてなしてくれる(笑)」

酒井「当人からしたら最悪ですからね(笑)。(中略)お姉ちゃんは、ファミコンは色々タイトルあるし、今みんなファミコンやってて、スーファミはこれからどうなるかわかんないじゃん、ファミコン買おうよってなっていたんですけど、絶対スーファミのほうがいい! って俺が言い切って」
宇多丸「今にしたらどう考えたってハードが上のものが出ていればそっちのほうがいいけど、当時は海のものともってね。わかんなかったですもん。(中略)でも、自分がやる時間、どんどん削られません? そんなに人が来て」
酒井「そうなんですよ。だから夜中にお姉ちゃんとこっそりやるとか」
宇多丸「かわいそう(笑)。営業時間外みたいになってる。」
酒井「(中略)スト2買ってからまた、家に友達が来るのが加速し始めましたね。(中略)みんな100円握りしめてゲーセン行ってたのが、家でできるって」
宇多丸「当然の権利のように友達も」
酒井「タダゲーですよ」
宇多丸「(中略)ちなみにドラクエとかRPGはどうしてたんですか?(RPGは)人とやるったって。やってもいいけど」
酒井「学校終わって、みんなでワイワイワイワイ、スト2やって、みんなが帰ってご飯食べてから、やりに行くか、ってお姉ちゃんと。(中略)こっからこっから、行くぞ!(笑)」

宇多丸「でもプレイ時間、そんな夜中からRPGやったらね」
酒井「家に来ないがっつりRPGやる奴とかは進みすぎて。俺らちょっとしか時間がないので」
宇多丸「ゲーセンやってるからね(笑)。ゲーセン経営してるから」
酒井「ゲーセン経営してるから、話が合わなくなっちゃうんですよ。
宇多丸「ゲーセン、カネ取ればよかったのに!(笑)入場料を」
酒井「(家に来る友達と)めちゃくちゃ仲良くなりすぎると、なんか、下の名前で呼び出すんですよ(笑)。調子こいて」
宇多丸「ははははは!」
ちなみに、我が家は基本的に家に人を入れない方針だったので、酒井さんのこのゲーム環境は全然想像もつかない世界でした。
幼い頃から対戦ゲームを好まず、RPGやシミュレーションゲームをコツコツひたすらやり込みまくるのが好きだったため、みんなでワイワイとゲームができなくてもまったく問題がなかったのですが、よく考えたらそもそもそのゲームスタイルは、「家に誰も来ない」&「ひとりっ子」という環境で培われたもののような気もします。

宇多丸「違う地域の知らない人の、同級生の家に行くって普通ないから」
酒井「eスポーツの神奈川大会を自分でやってたんですね、今思えば」
宇多丸「逆に言えば(今みたいな)オンラインだと会わないから。二度と生じない対決だったんですよね」
文/朝井麻由美(ライター、コラムニスト)
◆6月17日放送分より 番組名:「ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ」