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10月21日の放送回では、作家の温又柔さんをお迎えしました。

温さんは、子どもの頃から本を書く人になれたらな、という憧れが小さい時からありました。


13歳ぐらいから日記を書き続けていて、それは
「ノートを開いて、文字に自分の気持ちを託していると、現実的な失敗やつまづきみたいなものがシューッと癒されていくというような。
ノート開いて何か書いているときが一番自分ここにいてもいいと思えるような。そういう感じの子どもだった」そうです。

また、自分がおかしいとおもっていることを、大勢の人がおかしいと思っていない環境が多かったそうで、
「日本は日本人が多い。この国って日本人のものだという前提で何か進んでいるような感触がすごくあった」そう。
ほかの人は日本人だから納得できますが、「私だけちょっとそこの資格が足りなくて、自分でも自分を異物だと思わなきゃいけない感覚があった」とのことです。

それは高校生の時に、THE YELLOW MONKEYの「JAM」という曲の「乗客に日本人はいませんでした」という歌詞を聞いた時、
「そうだよね、日本人が乗っていなければ笑顔になれるニュースキャスターどうなんだろうっていうこの歌ってすごいなーって感動しつつ
なぜかその時の私は、その飛行機に自分が乗っていたらどっちなんだ、日本人は乗っているのか」と思ったこともあり、
そんな温さんの小説には、色んなところに「普通とは何なのか、普通の日本人とは何なのか」という主題が通底しています。
この度の新刊『永遠年軽』でも「普通」という言葉が一つのキーワードとなっています。

さらに編者を務めた『李良枝セレクション』についてもお聞きしました。
温さん曰く、李良枝さんは「国民国家的なものに引き裂かれていた人」。
特に「人間と言語の関係って恣意的な国民国家で区切っちゃっていいんだろうかと学ばせてくれた」そうです。
砂鉄さん曰く、「この作品を読むと、温さんがずっと小説を通して問いかけてきた『日本人とは誰のことなのか、日本語とは誰のものなのか』といった、温さんがものすごく影響を受けてきたことがよくわかる作品だった」そう。


温さんは、「ちゃんとした論文を書けなかった、バラバラになったものかきあつめて小説になる原動力にした」とおっしゃっていました。

他にも「イエモンとドラえもんが好き」、「ツイッターのアイコンを俳優に変えたらクソリプがなくなった」、「このままのほうが都合がいいとひそかにほくそ笑むものたちの神経を逆撫でするような声を積極的に発する必要がある」、
入管法改正問題、「愛国心は二つある」などについてお聞きしました。

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