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1月15日(日)放送後記

一青窈さん(part 1)

1976年台湾出身。2002年に「もらい泣き」でデビューし、日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。

2004年には「ハナミズキ」が大ヒットして、女優デビュー作となった映画『珈琲時光』では日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しています。昨年デビュー20周年を迎え、8年ぶりのニューアルバム『一青尽図』をリリースしました。

JK:ご無沙汰してます! 何年ぐらい?

一青:たぶん子供が生まれる前ぐらいなので、8年以上前。

JK:かまやつひろしさんと渡辺美佐さんとご飯してたときに南こうせつさんが入って来て、「さっき仕事で一緒だったから一青窈連れてきていい?」って言って一緒に食事しましたね?

一青:そうそう、こうせつさんから急に直電が入って「今コシノさんと飲んでるんだけど」って。

JK:あのあと美佐さんと3人でレディ・ガガ行ったでしょ。写真持ってきたの!

一青:懐かしい! 夏の装いですね。さいたまスーパーアリーナですかね? ・・・ジュンコさん、髪型がガガってる(^^) おうちに行ってご飯をごちそうになったこともあります。

JK:でもお子さんができてから夜遊びできなくなって・・・コロナになったって言うのもあるのよね。

一青:寝かしつけてから私も寝落ちしてるので、起きられない(^^;)・・・だんじり祭りも行きましたね。その時ご実家に伺って、お寿司屋さんを家に呼んでらして、中田ヒデさんがお寿司を食べていらした(笑)文化という文化を教えていただいたという感じです。

出水:デビューから20年が経ちましたが、どう振り返っていますか?

一青:本当にアッという間ですよ。気づいたら経ってたっていう感じです。

いまだに「ハナミズキ」をカラオケで歌ってくださるっていうのがね。

出水:国内外でもカバーされていて、そういう風に楽曲が育っていくのはどんなお気持ちですか?

一青:チェコ語あたりからもうチェックできなくなってきて(^^;) もう好きなように唄ってください、という感じです。その頃は翻訳機能もチョチョイと検索できるわけではないので、なんかいい感じで歌詞がはまっているとしかいいようがない。そうそう、去年やっと「ハナミズキ」の英語バージョンができたんですよ! 何人もの方にお願いしたんですけど、しっくりくるものに出会えなくて・・・結果15年ぐらいかかった。

JK:えっ、そんなにかかるものですか?!

一青:難しいです。私の歌詞は主語が抜けるので・・・アーサー・ビナードさんは5年前に出版社に連絡してお願いをしたんですが、3年後に公衆電話から電話がかかってきて「できました」って。忘れてたんじゃないかなと思ってたんですけど(笑)ずっと考えてくれてたんだなって。

JK:この絵はどなた?

一青:ねっこかなこさんといって島根の山奥に住んでる方なんですけど、本当にかやぶき屋根に住んでて、薪でご飯を炊いて。

JK:すっごい自然な生活をしてるのね。これを見てもすごくプリミティヴな感じがするもん。

一青:彼女の作品集を見てひとめぼれして、絶対アーサーさんとねっこさんだね、と思ってお願いしました。この原画を見た時はぼろぼろ泣きました。

出水:3年越しの英語の詞を呼んだ時の感想は?

一青:「ハナミズキ」をDog Wood Treeってタイトルにしてしまうと色がついちゃうじゃないですか。それ自体も悩んでたし、歌詞の「薄紅色」もピンクではないんだよなぁ、かといってblossomでもないし・・・でもアーサーさんはその辺ばっちりでした。

JK:日本語って独特だからね。でもすごい大ヒット! いいなぁ歌って。素敵なことよね。モノって在庫とかなんとか重いけど、歌はその場で歌えるじゃない?

一青:でも私が買ったコシノ・ジュンコの服はどれも軽いですよ、羽衣のごとく(笑)

デビュー20周年の心境を語る一青窈さんの画像はこちら >>

出水:昨年リリースした20周年アルバム『一青尽図」はオリジナルアルバムとしては8年ぶりだそうで、その間に温めた構想を盛り込んだ感じですか?

一青:いや、作ったのは1年以内なので、8年間はインプットしてた感じです。

JK:ジャケットがカメだかなんだか分からないんだけど。

一青:これはミロクマチコさんという奄美在住のアーティストさんで、沖縄に行った時に絵が壁一面に飾られてて、この人に頼みたい!と思ってラブコールしたんですよね。新しい生き物って感じですね。

出水:全曲歌詞は一青窈さんですが、今回はどんなテーマを大切に作ったんでしょう?

一青:今回は日常の中で歌詞がばーっと沸き起こる瞬間があって、この曲は誰に頼もうというのがぱっと浮かんで、ユーミンさんだったり森山直太朗君に投げたという感じです。

出水:すごく豪華な顔ぶれですよね!

一青:ボニー・ピンクちゃんも中村中ちゃんもみんな友人で、20周年じゃないと恥ずかしくて頼めないなと思って(笑)この機会を逃すと頼みどころが亡くなるなと思って。

JK:そういうのって、書いてもらって1回で納得ですか? そこで食い違うと難しいわよね。

一青:1回で納得です。思ったものと違ったけれども、期待を大きく裏切ってくれて良かった、というものばかりですね(笑) とくに中村中ちゃんはロックっぽい激しめのを予想してたんですけど、出てきたのがバラードで、えっと思ったんですけど、これ以外はないなという感じでした。「あなたのエピソードを曲にします」という企画でファンの人から話を集めて、1人選んだらたまたま大学の後輩だった(^^) 彼からは、学生の時に男の人を好きになったら報われなかった想いを曲にしてほしい、と言われたので、これは中だなと思って。

JK:今の時代らしいですね。

一青:みんなありますよね、好きだった人が振り向いてくれなくて、その人は別の人とうまくやっていると聞いて、ちょっとした報復とちょっとしたありがとうがないまぜになった気持ち。幸せばっかりよりも、負のエネルギーのほうがパワーの高い曲が生まれますね。

JK:でも一青窈さんの歌詞ってサラッと入ってくるよね。難しくないっていうか。

出水:タイトルの『一青尽図(ひととづくし)』というのはインパクト残るんですけど?

一青:これは「職人尽図」っていう江戸時代の絵があって、それを美術館で見た時にズキューンとやられて、タイトルにいつか使いたいなと思ってて。蕎麦屋とか鍛冶屋とか当時の働きぶりが分かる絵で、すごくきれいだったんですよね。今アルバムを見て、誰が造ったんだろうって分からないと悲しいなと思って。誰がどんな風に、どんな思いを込めて作ったアルバムかわかるようにしたいなぁ、と。

出水:この『ひととしづ・・・』

一青:アナウンサー泣かせのタイトルなんですよね(笑)

出水:お恥ずかしい(^^;) この『一青尽図』を1曲1曲聞きながら、楽曲に込めた思いや製作の裏話が聞けるというリスニングパーティが生配信されるんですが、このもようは1月30日までアーカイブ視聴できるんですよね。

一青:初めてでしたね、インターネットでしゃべりながら、チャットしながら・・・どんなもんだろうと思ったけど、楽しかったですね。ジュンコさんもどうですか?

JK:私はそういうめんどくさいのはいいわ(笑)

OA楽曲
M1. 耳をすます / 一青窈

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