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1月17日(火) 放送後記

まだまだ乾燥の時期が続きます。
肌の乾燥、気になりますよね?ただ保湿剤を使うといってもドラッグストアにはたくさんの商品があってどれがいいのか選ぶの難しいですよね?そこで今回は、保湿剤の選び方について、皮膚科の医師に教えていただきます。

お話を伺ったのは、皮膚科医の小林智子さん。
SNSでも皮膚疾患や美容に関する情報を発信されていて、YouTube「こばとも先生のスキンアカデミー」チャンネルの登録者数は4万3千人超えという方です。小林医師に、商品のタイプとその違いについて伺いました。

「医薬部外品」なのか「化粧品」かを確認!

■素材:医薬品、医薬部外品、化粧品とあるが、役割が違う。医薬部外品は、医薬品と化粧品の間。疾患の予防。化粧品は、健やかな肌の状態を保つ。若干配合されているものが変わる傾向がある。
■肌トラブルがなくて保湿したいだけなら医薬部外品にこだわる必要はない。医薬部外品のいいところは、有効成分が一定量担保されているところ。化粧品は、担保されていないが、医薬部外品より多く配合されている場合もある。

ということで!まずは、「医薬部外品」なのか「化粧品」かを確認しましょう。
「医薬部外品」には「指定医薬部外品」という表示があります。


「医薬部外品」ですと有効成分が担保されていて疾患の予防が目的。
「化粧品」は健やかな肌の状態を保つことが目的。

医薬品は医師が処方するものなので、今回は省いて、ドラッグストアで購入できる医薬部外品、化粧品にしぼってさらに伺いました。小林医師によると、選ぶ際に“成分"に注目してほしいということで、どんな成分があるのか、伺いました。

「選ぶ際には“成分"に注目」

■よく皮膚科で処方される「ヘパリン類似物質の保湿剤」。これと同じ濃度の0.3%が配合された保湿剤が売っている。高い保湿効果があり、肌本来のバリア機能。外からの刺激に強くなる。
■尿素も似たような効果がある。医薬品の場合は20%配合で、その場合、保湿成分のほかに、ピーリング成分=角質を剥がしとる効果がある。これは手のガサガサに適した保湿成分になる。
■私たちの肌本来に備わっている成分のひとつ・セラミド。乾燥した時期や加齢に伴ってその量が減ってしまうので保湿で補うのが大事。

基本的には医薬品ではなく化粧品ととして配合される。

3つの成分について伺いました。

■「ヘパリン類似物質」

スタジオにもひとつ商品用意しました。
マツモトキヨシのプライベードブランド「ヒルメナイド油性クリーム」ドラッグストアで購入する場合は、医薬品の濃度と同じ「0.3%」を目安に商品を探してみて下さい。

【皮膚科医に聞く】保湿剤を選ぶときはヘパリン・尿素・セラミド...の画像はこちら >>

■「尿素」

スタジオに用意したのは、資生堂の「尿素10%クリーム」。こちらは医薬部外品。商品名に“尿素"と入っていて、裏面をみると、「1グラム中・尿素100ミリグラム」とあります。

【皮膚科医に聞く】保湿剤を選ぶときはヘパリン・尿素・セラミドの表示を見よう

■「セラミド」

スタジオには、花王のブランド「キュレル」のクリーム。表示をみると、セラミド機能成分が配合となっています。
※成分の名前は「ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド」

【皮膚科医に聞く】保湿剤を選ぶときはヘパリン・尿素・セラミドの表示を見よう

「で、結局どの成分がいいの?」ということになりますが、小林医師によると、「成分によって自分の肌に合う合わないがあるので、使ってみて確認」とのこと。

こう言ってしまうと元も子もないと思われるかもしれませんが、「自分が使った保湿剤の成分が何か」わかった上で、合う合わないを判定して、次回 別の成分を試してみる、ということができます。そうやって自分に合う商品を探していくのがよいと思います。

「保湿剤の塗り方について注意点~手の平じゃなくて、手の甲~」

■NGなやり方→手の平に出して、すり込んでから塗る。体に塗る量が減ってしまう
■正しい塗り方→手の甲に置いて、少し多めにだして塗りたい箇所に分けておいてから塗る。


■乳液のようなシャバシャバのものはしょうがないが、クリーム系は手の甲で。
■保湿剤を塗っても乾燥が解消されない人は、保湿剤が足りてない場合が多い。気持ち多めに塗ってほしい。
■オススメは、お風呂上がりにローションのような軽いテクスチャーのものをさらに乾燥が気になるところに部分的にクリームを塗る。
■クリーム系の保湿剤を、手の平に塗り込んでから体に塗ろうとすると、手の平にたくさんついてしまったムダになりやすいので、手の甲に出して、もう一方の手の指で塗りたい場所に置いてから延ばすようにしましょう。

■さらに、小林医師のオススメはローションタイプのもので全体を保湿してから、クリームタイプで乾燥のひどいところを部分的にカバーするのがよいそうです。

最後に、小林医師から注意点。
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保湿しても保湿しても肌がカサカサしますとか、肌がかゆい、赤みがひかないという方。
ただの乾燥ではなく、皮膚疾患に発展している可能性が高い。正しい塗り方で2~3日保湿しても症状が続く方は、適切な薬が必要なので、早めに皮膚科を受診してほしい。
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ということなので、ご注意ください!

【皮膚科医に聞く】保湿剤を選ぶときはヘパリン・尿素・セラミドの表示を見よう
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