TBSラジオ『井上貴博 土曜日の「あ」』毎週土曜13時から放送中!

7月8日(土)放送後記

来月には39歳。一応健康には気を遣っている。


食事も少しはバランスを考えて食べている…つもり。

しかし、最近は食事をする時間で変わってくるという考え方「時間栄養学」なるものがあるそう。

ということで、日本時間栄養学会・副会長、時間栄養学者の大池秀明さんにお話を伺いました。

「時間栄養学」ってナニ?

井上: 時間栄養学ってどういうものなのか教えていただけますか。

大池: 一言で言うと、体内時計を考慮した栄養学ということになります。なんで体内時計を考慮しなきゃいけないかということなんですけども、私達の体は24時間のリズムで働くようになっています。元々この24時間リズムがあるので、例えば昼間は体温が高くて、夜は夜体温が低いんですね。

これは24時間じっとしていても、そういうリズムはベースであるんです。
昼間はパフォーマンスが上がるようにエネルギーを燃やせるようになってるし、夜はエネルギーを燃やさないで静かにじっとしてるように、基本的にはなっているんです。

ということは、朝食べたときと夜食べたときは、実は同じものを同じ量を食べても、
使われ方とか役割が違うってことがわかってきた。これが時間栄養学です。

井上: 夜勤の方も、昼間働いている方も基本的にはそういう設計だと考えていいんですか?

大池: はい。基本的に動物も植物も24時間のリズムがあります。

体の中に、振り子のようなリズムがあるんです。
24時間で1回行って帰ってくるような振り子のようなもの。これが体内時計なんです。

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体内時計の振り子は頭だけじゃなく全身にある?

大池: 一般的には朝の光が大事だと言われていて、光が24時間周期で入ってくるので、体内時計がちゃんと動くようにできているということが、元々わかっていたんです。

井上: 太陽を浴びなさいって言われますもんね。

大池: 実はですね、もっとその後わかってきたのは、体内時計の振り子って実は全身にあるってことがわかってきた。昔は頭だけなんじゃないかと考えられていたんですけど。

井上: ほお。

大池: 実は体の時計は、光よりも食事が大事だってのはわかってきた。頭のときは光で毎日24時間の時刻合わせするんですけど、体の時計は光よりも食事なんです。朝ご飯食べると、そこでリセット(時刻調整)されるんです。

栄養バランスより、時間ぴったりの食事が優先

毎日同じ時間に食べるとパフォーマンスを発揮できる

井上: それはこの時間で食べなさいっていうことなんですか?どうすればいいんですか?

大池: 最初に、朝食べたその時間が大事なんですね。毎日同じ時間に食べてると、振り子が毎日同じ時間に押されるので、すごく綺麗に回るんです。

井上: 振り子がブレないので体内時計も一定で保たれる…そうすると…?

大池: 基本的には体内時計というのはパフォーマンスを上げる時間と、下げる時間をコントロールしているので、上げるべき時間に高いパフォーマンスを発揮できるし、休むべき時間にちゃんと休めるようになるんですね。

井上: じゃあ、朝・昼・夜だとすると、時間を一定になるべく食べましょう…朝はこれを食べた方がいい、昼はこれを食べた方がいい、のようなものはあるんですか?

大池: 多少はあります。多少はあるんですけど食べる時間がやっぱり大事なんです。24時間規則正しく食べることが大事で、朝ご飯食べる日と食べない日があるっていうのはすごく不規則なんですね。

井上: 極論ですけど、栄養バランスを考えるよりも、時間ぴったりで食べる方を優先した方がいいってことなんですか?

大池: 最近はそうだと思います。

井上: ええ~!?

大池: 元々の栄養学っていうのは、栄養が足りない、食べ物が足りない時代に出来た学問なんです。1日の中でこれだけ要素取ってないと体がちゃんと動きませんよっていうのが今までの栄養学。でも、今の日本で栄養不足になる人ってのはほとんどいないんですよね。

井上: 現代で考えると栄養バランス大事だけど、バランス考えなくても極論、ある程度バランスが取れますよと。

大池: そうです。その通りです。そうすると、実は何時にそれを食べるか、1日の中でどう配分するかが非常に重要になってくると。

井上アナも興味津々だった「時間栄養学」でした!

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