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10月3日(火)放送後記

10月に入って少し秋を感じることも増えてきました。

なぜ今年はこの時期に「蚊」?

すっかり秋だな~と思っていたら、今年は、夏に活動が活発になる「蚊」がまだまだ元気なんだそうです。今なぜこんなことになっているのか、殺虫剤などを手がける日用品メーカー「フマキラー」のマーケティング部 川端美虹さんに伺いました。

フマキラー マーケティング部 川端美虹さん

7月8月は酷暑が続いていたので、日中の気温が35度を超える日も多く続いていたんですが、蚊の最適な活動温度が、25度から30度と言われています。9月末から10月にかけて、今がまさしく蚊にとって最適な活動の時期となっています。本来、夏の時期に活動する蚊たちも、今年の酷暑では、なかなか活動ができなかった。今ようやく気温が秋に差し掛かって少し下がってきたので、活動ができるようになって、ずれ込んできたとも言えると思います。蚊の最低活動温度が10度から15度。今後も天気予報を見ていただいて、この温度よりも高い日が続くと、蚊には注意していただく必要があると思います。10月いっぱいは、まだまだ注意が必要かと思います。

例年は、もう少し早く暑さが落ち着くので、蚊ももう少し早く活動が活発になるんですが、今年はこの時期になってようやく蚊が活動しやすい気温になった。暑い時期が長かったことによって、蚊の活動時期が遅れた、この時期までずれ込んでいるということなんです。

「蚊」の対策商品 薬局でも今、異例の売り上げ

この時期に蚊?ということで、油断されている方も多いと思いますが、それは薬局も同じで、ちょっと困っているようです。横浜市の潮田薬局 山田三夫さんのお話です。

潮田薬局 山田三夫さん

秋めいても多いですね。9月に入ってから、気温が下がってから売れ行きはまた動いているかなと思います。

私たち街の中の薬局なので、ご近所付き合いの中で「蚊が多いんだよね。どうしたらいい?」という相談は受けますね。9月に入ると乾燥シーズンになるので、咳止めの薬中心に販売するコーナーを設けるのが例年なんです。それにも関わらず、今年は夏のグッズがそのまま居座っています。私はこのお店やるようになって40年なんですが「9月は商品を入れ替えるときだよ」と先代から聞いているので、それをずっと実行してきたんですが、今年の異常にはちょっと参っていますね。

今年は異例!?秋の蚊に注意の画像はこちら >>

まだ、蚊の対策商品、虫除け、虫刺されの薬が売れているそうなんです。むしろ9月になって、また動きが出ているそうで、本来なら今ごろから風邪薬、咳の薬などに商品を入れ替えたいところ、なかなかそうならず、戸惑っているということでした。

秋の「蚊」 油断せずに対策を!

この時期に蚊に油断してしまうのは一般の方も同じかと思いますが、有効な対策、蚊を増やさないために私たちが気をつけるべきことなどを、再びフマキラーのマーケティング部 川端美虹さんに伺いました。

フマキラー マーケティング部 川端美虹さん

夏ではないので、気持ちも緩んでいると思うんですけど、今が1番の活動のピークだと意識していただいて対策をしてほしいと思っています。刺されたときにかゆいだけではなく、海外では危険な感染症、日本でも日本脳炎も蚊が媒介する感染症なので、感染症を防ぐという意味合いでも対策をしてほしいと思っています。まず肌を露出しないという方法が一つ。黒とか紺とか、こういった色に近づきやすい傾向もあります。

あとは、地面や茂みにスプレーしておくと、24時間、蚊を寄せ付けない空間を作れるスプレーがあるんですよ。屋外での活動時間が長くなるようなら活用するのもいいと思います。蚊は、少量の水たまりでも卵を生みつけることができます。植木鉢の受け皿だったり、子どもの遊ぶものにも(水が)溜まりやすいので、こまめにひっくり返していただくという対策をしてほしいと思っています。

蚊は体温の高い人を好む傾向があるので、体温が高い赤ちゃんも注意が必要です。また、二酸化炭素に反応すると言われていて、心拍数が上がって呼吸回数が増える運動後の方や、お酒を飲んだ後なども刺されやすい傾向にあるそう。今が「蚊のピーク」と考えてということでしたが、薬としては体につける虫除けのほか「蚊を寄せ付けない空間」を作る商品もあるので、長時間、外で作業する方は活用してほしいということでした。

酷暑の影響がこんなところにも出ているのかと思いますが、この時期の蚊、油断せずに気をつけましょう。

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