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11月26日(日) 放送後記
小谷実可子さん(Part 2)
1966年東京都出身。1988年ソウルオリンピックの女子シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング)競技でソロ、デュエットともに銅メダルを獲得した後、1992年バルセロナオリンピック後に引退。
出水:小谷さんは東京のどこでお生まれになったんですか?
小谷:原宿です(^^)
JK:原宿! ど真ん中?
小谷:今ラフォーレになってるところが病院だったんですけど、そこで生まれて、近くに住んで、神宮前小学校に通い・・・表参道がただの道で、キディランドとかもないところが通学路でした!
JK:まさかあんなになるとは思わなかったわよね。
小谷:同潤会アパートの、人んちの洗濯物の下をくぐって宝探ししてました(笑)
出水:どんな性格の少女だったんでしょう?
小谷:活発でした。学級委員長やったり、生徒会長やったり。
JK:でも原宿って水泳と縁がないんじゃない?
小谷:いえ、千駄ヶ谷の国立競技場が建て替わる前に、あそこで水泳教室をやってて。姉と一緒に健康のために通ってたんですけど、先生の旦那さんが日本にシンクロナイズドスイミングを取り入れた方だった、というご縁です。普通に泳いでたら、「あなたの泳ぎはシンクロに向いてるわよ」って勧めていただいて。
出水:向いてるってどういうこと?
小谷:多分、泳ぎながらも「私を見て! 私じょうずでしょう!!」っていうのが出てたんですかね?(笑)でも当時はシンクロなんて言われても誰も見たことも聞いたこともなかったので、勧められてやりたいっていうよりも、たくさんいる生徒たちの中で選ばれたっていうのが嬉しくてやってみたところ・・・逆さまになるのも昔から好きだったので(^^)TVとか逆立ちして見たり、集中すると息を止める癖があったり。
JK:あっ、そうですか! じゃあ根っから向いてるわね。
小谷:友だち誰も遊ぶ人がいないと、1人でマンホールのところに行ってぐるぐる回ってるとか・・・いろんな私の習性がシンクロに向いてるっていう(^^)
出水:12歳で日本代表になっていらっしゃるので、ご自身でも向いてるなって感じていらっしゃったんですね。
小谷:9歳で勧められて、シンクロがまだわからないうちに年齢別の全国大会に出たんです。
JK:子どもってそうなんですよ、一言おだてられるとその気になって、その後ずっと続くのよね。シンクロって女子のイメージがあるけど、今度は男女混合になるんでしょ?
小谷:よくご存じで! 私が始めたころからウン十年経ちましたけれど、世界選手権ではすでに男女混合デュエットがあるんですが、パリ五輪ではチームの中に男性2人まで入っていい。男女平等を謳っている大会ですから、アーティスティックスイミングも男女混合種目になりました。私も来年ドーハでの世界マスターズに挑戦することを決めたんですが、そこで初めて男性と組んで男女混合デュエットをやることになりました!
JK:社交ダンスみたいね(^^)
小谷:もう水中でからみあってます! こんなにからんでいいの?ってぐらい。リフトで上げてもらうと、本当にポーン!と高く飛んで、もう夢中なんです。
出水:お相手は2021年世界選手権銅メダリストの安部篤史さんですが、どんな方ですか?
小谷:男性が参加できるってなったときに、最初に日本代表として出場したパイオニアですね。すごいですよ、バレエとかフィギュアみたいに足もきれいで、表現力もあって。まったく新しいスポーツに挑戦しているような気分です。水中でからみあってるのは全然平気なんですけど、陸上で洋服で手をつないだりするとなんかテレちゃって(^^;)なんにもないんですけど、家でも最近ダンナに優しくなったり(笑)
JK:おかしい~! 新しい出会いでなんかウキウキ、わくわくしてるんでしょうね。前向きになるし、本気になるし、カッコつけたくなるし。
小谷:そうなんです! 練習の前日は各所をチェックして、「私、大丈夫よね?」っていう緊張感が出るので(笑)

出水:気が早いかもしれませんが、来年のドーハ大会の目標は?
小谷:もちろん金メダル!金メダルを取って、ラクダの首に金メダルをかけるのが目標です(笑) カタールだからすっごい大きいメダルだと思うんですよね!
JK:落とさないようにね(笑)口から飛び出すようなマサカは? いっぱいあるでしょう?
小谷:アスリート人生ではいっぱいありますね。
JK:でもある意味、負けは勝ちっていうか。あの悔しさっていうか試練っていうか、それが教訓となって強くなりますよ。だから今があると思います。なんでもルンルン♪っていくと、大きな喜びにならない。
小谷:私の90分の講演の、一番のメインを先生が解説してくださいました(^^)全くおっしゃる通りで、あの時は「私はアメリカで認められたのに、私の演技に点数を出す日本の審判が間違ってるじゃないか」って思い始めたら、どんどん階段を転がり落ちて、これ以上落ちようがないところまで落ちたんですけど・・・そこから努力して、謙虚に頑張ることを覚え、面白くない基礎からやるようになって、その結果優勝できた。その時に思ったのが、「もともと簡単に優勝できてたら、1回の優勝でこんなに喜べなかっただろう。遠回りしたからこそ、1回の優勝がこんなに嬉しいんだ」って。そのおかげで、どんなに辛いことがあっても「これはステップアップや大きな喜びを得るためのチャンスなんだ」って。それが私の楽しい人生の原点になっています。
出水:今後まだまだやりたいことがあると思いますが、どこに目標を置いてますか?
小谷:今年世界マスターズに出た時に「私57歳でこんなに競技がんばってる!」って思ったんですけど、試合に行ったら70歳の部、80歳の部があるんです。

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M1. Mela ! / 緑黄色社会