投資の始め方やお金の仕組みはもちろん、金融経済の注目ニュース、最新のマーケット動向などを学ぶ「トレードアイランド学園」。生徒「レッド吉田くん」と「花奈澪さん」、担任の「大橋ひろこ先生」と一緒に生放送で学んでいきます。
大橋先生:今回のテーマは・・・「もしトラ」! もしもトランプが大統領になったら・・・パート2~!
レッド君:何が出るかな~ ごきげんようなの(笑)!?
花奈さん:なんでパート2なんですか!? パート1の授業やってないですよね?
レッド君:トランプ大統領の1回目がパート1ってことなんじゃないの!?

大橋先生:レッド君、鋭いねー(笑)。トランプさんは1回、2016年に大統領をやっていますよね。あの時、まさかトランプさんが当選するなんて、誰も思ってなかったんですよ(笑)。それで、もしもトランプが大統領になったら・・・「もしトラ」というキーワードが生まれたわけですよ。
花奈さん:はい。
大橋先生:今の今回も、まさかね・・・!?と思っているんですけど、共和党の党大会で、大統領選の候補者に誰がなるかという投票が始まっていて。トランプさんが2戦2勝なんですよ。圧倒的にリードしています。
花奈さん:共和党の候補者はトランプさんという可能性が高いということですか?
大橋先生:高いです。もう1人の候補者は元国連大使のヘイリーさんという方で、この方よりもトランプさんの方が全然票が集まっています。

レッド君:人気がありますよね。
金融業界で使われる「もしトラ」の元ネタといえば・・・
大橋先生:そうなんですね。もしかしたらトランプさんが大統領に復活することがあるということで、今、金融関係者の間では「もしトラ」というフレーズがよく聞かれるようになっているんです。
花奈さん:「もしトラ」は、大橋先生が作った用語ではないんだ。
しょこらさん:もう一般的にも浸透しているんですね。

レッド君:「もしトラ」の元ネタって?
大橋先生:「もしドラ」って言葉、覚えてないかな?
花奈さん:ショコラさんは、覚えてますか?
しょこらさん:聞いたことがありますよね。ポニーテールの女の子のイラストで・・・

花奈さん:あ、覚えてる!
大橋先生:そうです! 2010年にベストセラーになったビジネス書で「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」。このドラッガーというのは“現代経営学の父”と呼ばれた方です。この本がめちゃめちゃ売れたんですよ。
レッド君:うちにもあります! 読んでないけど。

花奈さん:読んでないんかーい(笑)。私は読んだ記憶はあります! でも覚えてない。
大橋先生:この本のことは覚えていますか?
しょこらさん:覚えてます。

花奈さん:私は読んだ記憶はあります! でも覚えてない。
トランプの大統領時代のイメージ
レッド君:トランプが大統領になったらどうなるんだろう?
大橋先生:このばら撒きが効いて、インフレがドーンといっちゃったわけですよ。しょこらさん、どんなイメージですか?
しょこらさん:なんかちょっと・・・過激なイメージ(笑)。

花奈さん:やんちゃな感じだった。
レッド君:白黒はっきりしてる感じだから気持ちが良いですよね。
大橋先生:そういう評価もあるんですね。トランプさん、けっこう過激と言われていて、誰も思いも寄らなかったことを当時のTwitterでツイートをして、ドル円が上がったり下がったりしたことがあって、マーケット関係者は右往左往したんですよ。
レッド君:へえ。そんなことがあったんだ。FOMCとか、要人とか・・・
大橋先生:あれはスケジュールがされているから。トランプさんの場合は突然だから。夜中3時頃にツイートするから。
レッド君:Twitterを見てすぐ動いたら・・・
大橋先生:そしたら初動は取れるかもしれないけど。
花奈さん:じゃあトランプさんが大統領になったら寝てられないじゃないですか(笑)。日本人には不利だ~!

レッド君:たしかにアメリカとは時間が真逆だからねえ。
「もしトラ」実現で金融マーケットが大荒れ!
大橋先生:まずは、「もしトラ」のパート1を振り返っておきましょう。前回の「もしトラ」は8年前、2016年。当時、誰もトランプさんが大統領になるとは思っていなかった。民主党候補のヒラリーさんがなると思っていたんですよ。
花奈さん:なるほど。
大橋先生:ですから、そんなに不安が無いと思っていたんですけど、票が開くとどんどん<トランプ優位>になってきたら、日本のマーケットが株やドル円が動いている時に結果がわかってきたんですよ。
花奈さん:はい。
大橋先生:日本市場では、トランプさんが当選したらとんでもないことになる!と事前に言われていたんですよ。株が下がるはドル円は下がるはで急落したんです。

花奈さん:一日でですか?
大橋先生:その日に!
花奈さん:ええ!?
大橋先生:<トランプ当確>が出た瞬間から崩れたんです!
レッド君:そうなんですか。
大橋先生:トランプが大統領になったら何が起きるかわからない! とんでもないことが起きる!って言って、みんな売ったんです。だけど、ヨーロッパタイムになって、ロンドン、ニューヨーク時間に入っていくと下がっていたドル円とか、日経平均がものすごい勢いで切り返して、大きく上がったんです!
レッド君:ええ!?
花奈さん:そうなの!?
大橋先生:2016年にトランプの大統領当選確実が出るんですが、ドル円のチャートがあるので見てみましょう。

大橋先生:トランプラリーって書いてある所、よく見ると、ここに長いヒゲがあるんですよ。
花奈さん:ああ。
大橋先生:ここで100円を割れるくらいまでドーンと下がったんですよ。
レッド君:一日で5円くらい動いたってこと!?
大橋先生:そう! ところがそのあと、ロンドン市場とニューヨーク市場で巻き返して、この上昇! 118円まで!
花奈さん:おそろしいなあ。
レッド君:ショート持ってたら最悪じゃない!?
大橋先生:事前予想ではトランプさんが当選したら100円割れるという予想が多かった。
花奈さん:だからみんな<売ろう!売ろう!>となったんだ。

「もしトラ」パート2で気をつけるのは・・・「メキシコペソ」!
大橋先生:で、今回の「もしトラ」のパート2で気をつけなければいけないのは、何かと言いますと・・・「ペキシコペソの暴落リスク」。
レッド君:え、メキシコペソが?
花奈さん:ドル円じゃないの?ペソなの?
レッド君:なんで?
しょこらさん:わからないです。
大橋先生:メキシコってアメリカの隣の国なんですよ。
レッド君:トランプさん、壁を作ろうとしたよね!?
しょこらさん:おお!

大橋先生:メキシコからアメリカに越境して来ないようにって、壁を作ろうとして。色々と賛否がありましたよね。
レッド君:ありましたね。
大橋先生:トランプさんは不法移民の問題をきっちりやるんだ、と。合法で入ってくる移民はいいんですよ。
レッド君:はい。
大橋先生:トランプさんが大統領に当選した時、メキシコペソがどう動いたのか。ドルとメキシコペソのチャートがあるので見てみましょう。
レッド君:見たい!見たい!

大橋先生:「トランプショック」の時、上に行っているということはドル高になっているということなので、ペソ安になっています。
花奈さん:すごい!
大橋先生:つまり、トランプさんが大統領になった時、メキシコペソがドーンと下がったということなんですよ。
レッド君:じゃあ今回もあり得ますよね?
しょこらさん:たしかに。
大橋先生:今、メキシコペソってとても強い通貨で上がっているんですよ。これ、前に「トレアイ学園」で取り上げたのは覚えてますか?
レッド君:覚えてますよ。

大橋先生:今、メキシコペソってとてもなんで強いって覚えてる?
花奈さん:はい。金利がすごい高いんですよね。
大橋先生:11.25%です。
花奈さん:高い!
大橋先生:日本はマイナス金利政策だから、どっちの通貨を持っていたらいいか、持っているだけで金利が入ってくるといえば・・・
しょこらさん:メキシコ! 羨ましい。
大橋先生:だからみんなメキシコペソを買うわけです。そして、メキシコの経済も強くて、GDPも+3.3%の成長。そしてもう一つ。バイデン政権になってから、トランプ政権時代のメキシコに壁を作るというのを止めて、移民に優しい政策をとっているんですね。
レッド君:はい。
大橋先生:つまり、不法に入国するメキシコの移民がアメリカにいっぱい入って来たんですよ。アメリカは超景気が良いので、メキシコの人がたくさん稼いで故郷に送るわけですよ。
レッド君:なるほど! ドルを売って・・・

しょこらさん:送金する。
大橋先生:そう。これを郷里送金というんです。これでドル売りペソ高になる。
レッド君:なるほど!
大橋先生:なるほどって、前に勉強しましたよ(笑)。

レッド君:厳しいなあ(笑)。

“新トランプノミクス”の政策とは!?
大橋先生:ペソが強いというのは、移民にたくさん仕事があって、稼いだお金をメキシコに送っていてペソが高いというのがあるんです。もしも再びトランプ大統領になったらどうなるか。“新トランプノミクス”の政策を見てみましょう。
花奈さん:はい。
大橋先生:ここで重要なのが、移民規制の強化。今いる移民を捕まえてメキシコに帰すとまで言っているんですよ。
花奈さん:もうすでにそこまで言ってるんですか!?
大橋先生:そうなると、ペソはどうなりますか?
レッド君:もう下がるしかない!
大橋先生:そう考えると、リスクが出てくるかなと。これからトランプ大統領が出てくるかもというニュースのたびに、揺れ動く可能性がある。
花奈さん:ペソはちょっとチェックしておかないとですね。

中国をはじめ世界に関税をかける!?
花奈さん:他にも注目どころはあるのですか?
大橋先生:元トランプさんの元側近から出てきたニュースで、中国からアメリカに輸入するものに対して、関税を60%かけると。
レッド君:60%も!?
大橋先生:今、中国で作った安い物がどんどんアメリカに入ってきて、アメリカの製造業や産業が全然育たなくなっているから困るということで、中国の物がアメリカに入って来ないようにしようと。
レッド君:なるほどね。

大橋先生:だからまた、米中の貿易対立が高まることが考えられます。それと、中国だけじゃなく、世界の輸入品に一律10%の関税をかけるとも言ってるんです。
花奈さん:へえ。
大橋先生:つまり、日本からの輸入品にも10%の関税がかけられる可能性があります。ということは、トランプさんが大統領になったら自国アメリカの産業を守りたいということなんです。
レッド君:なるほどね。わからないことはないですね。
大橋先生:今、日本のドル円相場がドル高円安になっているおかげで、日本の経済は潤っているわけですね。
しょこらさん:ああ。
大橋先生:円安政策で日本の製造業は輸出競争力が高まって、トヨタなどはどんどん稼いで。それは円安のおかげでもあるんですよ。バイデン政権はこれを今は容認しているけど、トランプ政権になったらこれを許さないかもしれない。
レッド君:そういうことか。
しょこらさん:そういうこともあるんですね。

大橋先生:トランプさんが<日本は円安で稼ぎ過ぎでは!?>という可能性が出てくるわけです。
しょこらさん:ええ、やめて~(笑)。
大橋先生:円安でアメリカの車が売れないじゃないかということを、また言い出す可能性があるんです。
レッド君:でもそれはしょうがないですよね。アメリカの人が日本車を買っちゃうんだから。
大橋先生:でもそれは通貨政策だから。ドル安になればオレたちの車ももっと売れるはずだと思ってる。本当にそうかはわからないですよ。
レッド君:そうか。

大橋先生:トランプ大統領になったら、今までのバイデン政権でやってきた政策と真逆になる可能性がある。
レッド君:為替は一気に変わりますね。雰囲気的にいうと、もうトランプ大統領になりそうですよね!?
大橋先生:まだわからないですね。アメリカ大統領選は11月です。選挙は水物なのです。トランプさんはいろんな訴訟をやられていて、賠償金の支払いでお金が無いとも言われているんです。選挙戦はお金がかかるんですよ。
レッド君:そうか。ええ!?トランプタワーをいっぱい持っているのに!?

今回はここまで。次回の放送も、どうぞお楽しみに!