カーマニアの安東弘樹が、これまた車が大好きな方をお迎えしてお送りするラジオ、GARAGE HERO’s~愛車のこだわり~。
今週のゲストは先週に引き続き、自動車ジャーナリストで、雑誌「カーグラフィック」の前編集長、渡辺慎太郎さん!
これまでのカーライフ、そしてメルセデスベンツ愛について、お話しいただきました。
最初の愛車で高校通学?
渡辺慎太郎さんにとって最初の車は、母親の愛車だった小型ハッチバックの「ルノー5」。
実はこの車、父親が勝手に買ってきた車だったらしく、母親としても“無理やり”乗せられていた感満載。
実際はほとんど稼働していなかったのか、渡辺さんは18歳の誕生日に免許を取得して以来、この愛機でなんと高校に通っていたそうです。
「どんなに車が好きなんですか!?」と驚きも隠せませんが、本人曰く「車には興味がなかった。通学するのに長い距離を歩きたくないし、汗もかきたくない。雨の日なんか濡れたくない。なので仕方なく18歳になった日に免許を取って、車で学校に通っていました」と、ちょっと耳を疑う理由。
しかも車通学を始めた当初、愛機を停めていたのは、教職員用の駐車場。
やがてそれがバレてしまったため、その後、仕方なく学校の側にあった駐車場に停めていたんだそうです。
通学という苦痛から逃れるための車って、、、ぶっ飛んでますよね。
次なる愛車はオープンカー?
渡辺慎太郎さんが初めて自分のお金で買った車が、ソフトトップのジープ。
アメリカ留学から帰国後、車のことは詳しくなかったけど、なんとなくオープンカーが欲しいな、、、と思い、そこで一番安い輸入車オープンカーがジープだった。
しかもMT車をチョイスって、「どんなに車が好きなんですか!?」という話ですが、本人曰く「車は詳しくなかったけど、ジープの中でも一番安かったのがMT車。だからMTをチョイスした」とか。
後にカーグラの編集長になられたお方の、衝撃的なエピソードですよね。
メルセデス280SL愛
渡辺慎太郎さんにとって「最も愛すべき車」は、メルセデス・ベンツの280SL。
1960年台後半に製造された、まさに名車。
「あの車が手に入るなら、他はなんでもいい」と思えるくらい好きな車なんだそうです。
縦目のヘッドライトに繊細なフォルムは、従来のメルセデスからは想像できない異色のデザイン。
そして乗り味もアメ車っぽいフワフワした感じを醸しつつ、一度決まれば微動だにしない安定感。
そんなマシンに惚れ込んだ渡辺さんは、やがてこのマシンを手に入れます。
渡辺さんが選んだのは白のボディに青のインテリア。
初めてこのマシンを見たのが白いボディだったそうで、さらに後に青いインテリアのマシンを発見した渡辺さんは「ドライバーが海に浮かんでいるような、なんとも心地よさそうに見えた」と語り、手に入れるんだったらこれだ!と思ったそうです。
その後、5年ほど280SLに乗って、友人に廃却。
理由は複数台を所有するのが大変だったから。
手放すときは本当に心痛かったそうですが、いつか買い戻すつもりなので、今は預けている感覚なんだとか。
渡辺慎太郎さんにとって「車」とは?
車は3万点ほどの部品でできています。
多くの人は、鉄やアルミを思い浮かべると思いますが、ガラスやゴム、プラスチック、布などなど、いろんな部材が集まって1つのマシンが組み上がっています。
そこで自動車のジャーナリストを務める以上、金属のことを知っているだけじゃダメ。
ほかの事もしっかり理解しないと正しく評価できないと悟ったそうです。
「車」を生業にすることで、いろんなことに目を向けて、知らないことを調べて、そして更なる知の追求を求める。
そんな探求の幅が広がることで、人とのつながりも増える。
これが自分の人生に彩りを添えてくれたと思うと語りました。