「私たちの未来は、私たちで作る!」
あなたの「困りごと」、「モヤモヤ」、「お悩み」、
もしくは、「変えていきたい社会の課題」などを通して、みんなで一緒に「これから」を考えていく番組。
今回も、リスナーの方からいただいたメッセージに、スタジオの3人がこたえました。

今回は、農家のモヤモヤについて送らせていただきます。
ある統計によると、米農家の95%が赤字だそうです。私も兼業農家で、普段は70代半ばの母親が田んぼの管理をし、草刈りを私がやっています。暑い日の草刈りはすごく大変ですが、先祖代々の田んぼだから大事にしないといけない、という意識でがんばっています。私と同じような意識で田んぼをやっている人は多いのではないでしょうか。
渋沢栄一さんの『論語と算盤』の言葉を借りるなら、今の農家は、先祖代々の田んぼを守るという道徳(論語)のみで、経営(算盤)は成り立っていないと思います。
今日子さん、英司さん、彩子さん、今の日本の農業について、なにかアドバイスやご意見はありますでしょうか。

小泉:えいちゃんは、田んぼ行ったりしてませんでした?

大石:やってますよ。95%が赤字って、やっぱり構造がおかしいと思うんですよ。

小泉:だって、日本の人のほとんどが毎日のように食べる主食じゃないですか。それなのにね。

大石:知ってました?

小泉:はじめて聞いた数字。

先祖代々の土地、田んぼを大事に守っていかなきゃっていう気持ちでやられている人が多いんですかね。

大石:でも、限界があるでしょ。こんなに暑くて、「守るぞ」っていうだけではね。

小泉:後継者問題とかもあるし。若い人とかで農業を目指す人も増えてはいるんでしょ?彼らがまた新しい形とかを見つけてくれたらいいな、という目で見ていたりします。
よくテレビとか観てるとさ、レストランの方とかが農家の人と直接契約して買ったりしてるでしょ。自然食のお店だと生産者の写真とかが載っていて「大石さん家の大根」とか書いてあったりするんですよ。それだけでもすごく楽しくて、よく探しに行ったりするんです。

上村:私は前にTBS「報道特集」で有機農家さんの取材に行ったことがあるんですけど、取材した方たちは「半農・半X」。何か自分の得意なこともやって、農業もやっている、という人たちが多かったです。自然が豊かなところなので、夏場は川下りのアトラクションをやっていたり、川辺でサウナの経営をしている方もいたり。

小泉:最近、あるんだよね。

上村:でも、みなさん農業をやるのも好きな方達なので。土を触っていると心が落ち着くし、自然が豊かだし、もしなにか災害などがあっても自分たちで食べられる、という安心感があるとお話ししていました。みなさんすごく生き生きしていて素敵だなと思いました。

小泉:私の友達とかでも、サーフィン界隈だった人たちとかがみんなでコミュニティを作って、毎年お米を作って持ってきてくれたりするから。そういう小さなコミュニティで農業に関わる人が増えているような気はするけど。

大石:うちの会社もいくつか畑を契約してるけど、すぐそばで農家さんと関わっているって、生活的な安心感がありますよ。そこに行けばなにか食べ物があるかもな、ってなるから。

上村:作った農作物をどこに売るか、が農家にとって最大の経営課題とも言われています。そんな中、コロナ禍に急成長を遂げたサービスが産地直送アプリ「ポケットマルシェ」です。
ポケットマルシェを展開する会社、雨風太陽の高橋博之代表は「都会と地方のコミュニケーションを増やして、お互いに影響を受けあう社会にしていくことが、日本の再生の道」と話しています。

小泉:ポケマルで買ったこと、あります。

上村:何を買うんですか?

小泉:果物とか野菜を買いました。

他にも、クラウドファンディングとかで、ちょっと傷がついちゃったりんごとかを「買ってくれませんか」みたいなものにも参加したことある。あと、さつまいもとかも、人からいただいて美味しかったものとかは直接、農園に頼んで。今、結構ネットで買えるじゃないですか。

大石:そうですよね。

小泉:こういうポケマルみたいなところだと選び放題なので、暇な時とかに見ていると心が満たされる感じなんですよ。「もうこういう季節ね」って思ったりして。

上村:旬のものが選べるわけですもんね。

小泉:家庭で食べる分なんて、形が揃ってなくても、傷がついていても、火を通したり皮を剥くものなら全く気にならないじゃないですか。大きなところを通すと「形が揃ってないといけない」っていうこともあるんだろうけど、違うルートがあれば、そういうものも美味しく食べられるし、ちょっとお値段が安かったりしたらこちらも嬉しい。そういうことがもうちょっと、うまく回っていくといいですよね。

お手伝いをしながら知らない地域を旅する仕組み
「おてつたび」

お悩みから視点を広げて、こんな話題も紹介しました。

上村:全国各地の、人手不足で困っている方々と、働きながら旅をしたい方々をつなぐプラットフォームが「おてつたび」。

人手不足の仕事を手伝うと、報酬と宿泊場所も提供されるとのこと。地域の人々と出会ったり、交流しながらガイドブックには載っていない経験を得られるということです。

小泉:なんか、理想的。

大石:ね!

小泉:私の知り合いも、何人か、還暦を超えて移住した人がいて。ずっと東京の下町育ちで、絶対に東京を離れなそうな人からそういうメールをいただいたりして。人生、まだ何年もあると思った時に、もう1回ドキドキ、ワクワクしたいっていうの、いいなって思ってて。
若い方も、世界が広がる。いろいろなものを見て「人間っていっぱいいるんだな」とか「人生って色々あるんだな」ってその土地で考えたりとか。旅行って、観光する、いいところばかり見ようって思っているかもしれないけど、こういう体験ができたらすごく、自分の世界が広がる気がしない?

上村:長期滞在しないとわからないことってありますよね。

小泉:参加するとしたら、どんなことお手伝いをしたいですか?

上村:私は、お寺とか文化財の修復作業。ただ物を運ぶだけでもいいんですけど、職人さんの手を動かしているところを近くで見てみたいです。京都とかだったら、いいな。

好きなので。

大石:僕は駄菓子屋をやるのが夢だから。

小泉:でも、駄菓子屋さんは人手が足りてるだろうから…駄菓子を作る会社とか、あるかもしれないですね。

大石:やりたいかもしれない!

小泉:私はね、林業とか、漁業とか。力がそんなにないだろうから下働きでしょうけど、そういう、体を使った仕事も今ならまだできるから、したいなと思います。

上村:みんな違って面白いですね。

(TBSラジオ『サステバ』より抜粋)

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