TBSラジオからお送りします、「やる気スイッチラジオ アストルム」が4月より、毎週金曜夜20時にお引越し、番組内容をリニューアル!より子育てや学習にフォーカスした内容となって、パワーアップしてお送りしていきます!メインパーソナリティには新たに関根麻里さんをお迎えし、佐々木舞音アナウンサーと2人でお送りします。
今週のやる気スイッチアドバイザーは、ネット・ゲーム依存症専門の予防・回復支援サービス「MIRA-i」(ミライ)所長で、臨床心理士の森山沙耶さんです。
先週よりお送りしているテーマ「親子考えたいスマホとの付き合い方」。今回は第2回ということで、「スマホ使用ルールの作り方」と題し、麻里さんも気になるスマホとの向き合い方について話してくださいました!
佐々木:日常生活に支障をきたしていないか、ということが大事かと思いますが…夏休み期間ということで気になる方も多いと思います。今回のテーマは「スマホの使用ルールの作り方」です。
関根:お~!そうか、ルールね~。最初が大事なのかなとも思うんですが、気になりますね!
佐々木:ん~、作り方…森山さん、教えてください!
「親が勝手に決める」・・・ルールを決めるうえで一番ダメなポイントだった!
森山:親が「こうしてほしい」と一方的に作るのが一番良くないと言われています。
関根:あ!危ない危ない!(笑)
森山:例えば低学年や乳幼児の場合はある程度親が主導して、「動画は2個までならいいよ」「タブレットのゲームは1時間までならいいよ」って約束をして、アプリでも使用時間を見れるので、5分前くらいに通知が来て「時間だよ」って言ったりしてます。
関根:ちゃんと辞められますか?
森山:今のところは大丈夫です。ただ、これが思春期になると難しくて。大体思春期になるとスマホを持ち始めるじゃないですか。なので、ここでルールを決めないでやると、ほんとに夜中までずっとスマホを触ったりしちゃうんです。それで生活が乱れて依存のリスクが高まります。なのでルールを決める必要があるんですけど、でも思春期って親が「こうしなさい」って決めてもその通りには従わないじゃないですか。
関根:そうですね~。
森山:なのでスマホって子供にとっては魅力的なモノだし、友達と連絡取りたい、好きなモノ、推しの情報を調べたいとかそれぞれニーズがあるんですよね。子供が何をしたいのかとかをちゃんと理解したうえで、ある程度そういうものが楽しめるようにルールを一緒に決めてもらいたいと思ってます。
関根:LINEについてはどう思いますか?そもそもするかしないかとか、適切なタイミングはあるんですか?
森山:難しいですよね~。やっぱり問題は“起きる前提”で考えた方が良いと思います。大人だっていろいろSNS上でトラブルを起こすこともあるので。
関根:炎上とかね。
森山:ましてや子供がちゃんと適切に自分の意見を見つけられないし、顔が見えないからつい攻撃的にもなれるし、時間がないからってパパっと打った文が全然違うふうに伝わってしまうとか、そういうことが起こりうるのであまり小さい頃から、やらない方が良いと思うんですけど、でも部活の連絡もLINEでやる時代なので。
関根:そうですよね~。
森山:はい。なので持たせるにしてもある程度ちょっと小さいトラブルを許容しながらその都度「言い方はどうしたらよかったのか?」とか考えたりしますよね。問題が起きたから制限をかけるというよりかは、一緒に解決しながら使っていけばいいと思います。
佐々木:今は、そういうのを学ぶ授業もあるんですか?
森山:少しずつ増えてきていると思います。
その約束、ホントに守れる?ますは達成できるレベルから始めよう!
佐々木:ルール作りで気を付けた方が良いポイントは何がありますか?
森山:そうですね~。気を付けた方が良いこと…なるべくゲームをしないとか、夜中は触らないとかって少し曖昧な感じがしますよね…あと「○○しない」って守の難しくないですか?
関根:あ~!確かに!否定文というか。
森山:じゃあ子供はどう行動すればいいのかって分かりにくいんですね。なので肯定文に変えた方が良いんですよ。「動画は2つ観ちゃダメ」じゃなくて「2つまで観ていいよ」とか。
佐々木:あ~!
関根:そのほうが、「観る」のほうにフォーカスできますね!
森山:そうすると子供も「制限されている」という感覚も受けにくいですし、ポジティブに伝えられることができるので、「○○時になったら充電器に差し込む」とか、ルール内に「○○時に親に預けよう」とか具体的に時間を入れてみたり、そういう行動ベースな表現のほうがいいと思います。
佐々木:肯定かつ、具体的に言ったほうが分かりやすいですよね。
森山:で、あとは「だいたい80%はできそうかな~」っていう感覚も持つのも大事ですね。
関根:厳しすぎちゃって…(笑)
森山:そうです。厳しくて、数が多くて覚えられない、とか。なので、まず「できそうなレベル感」から始めてほしいんですね。っていうのも「守れない」っていうのが子供の感覚としてあると「ルール決めてもしょうがないじゃん」っていう状態になってしまうんですね。
関根:破りグセ、みたいなことですよね~。
森山:そうです。だからそれで親も何回も注意して叱ってしまう。だから子供が「できた!」っていう感覚を持てるようなルール設定が大事だと思います。
関根:親が機能制限できる設定とかあるじゃないですか。あれはどうですか?
森山:ペアレンタルコントロールですかね。
関根:そうですそうです!
森山:うちも使ってるんですけど、子供って、分かってはいるけどでもその時になったら辞められないじゃないですか。
佐々木:ペアレンタルコントロールっていうのはどういうものなんですか?
森山:機器によって色々あるんですけど、スマホだったら時間制限決められるし、夜は使えないようにするとか。あとは課金ですよね。親のカードと紐づいていて、勝手に何十万と請求されることが増えてますし。
佐々木:増えてますよね~、そういうニュース。
森山:あとは、ダウンロードも親が承認しないとできないようにしたり、とか。
関根:それやってます!うち。だから必ず聞いてきます。
森山:そうするとまず親の確認作業が入ってきますから、判断ができるのでそれもいいと思います。いつかは自分でスマホを使っていくわけなので、親がそれをサポートしていくって言うのが良いと思いますね。
関根:複雑な世の中になってきた~!(笑)
佐々木:大変ですよね~。
関根:あらためてどういったコミュニケーションが大事なんでしょう?
森山:ますは親が最初に色々決めるのではなく、子供のやりたいことを聞くのが大事なんですよ。
関根:とにかくグッとこらえて、まずは聞くと!
森山:あなたにとってそれが大切なんだということはよく分かった、と。カウンセリングマインドですね。(笑)
関根:そうか!カウンセラーだと思えばいいのか!親だとあれこれどうしても言いたくなっちゃいますから。
森山:友達だったら最初から否定しないじゃないですか。親としても、「そうか、そういう意見もあるのか」「これはあなたの為に大事なコトだと思ってる」というようなこともぜひ言っていただきたいですね。
来週は森山さんに、「スマホとの良い付き合い方」について話していただきます!
(TBSラジオ『やる気スイッチラヂオ アストルム』より抜粋)