権力掌握期間はあのスターリンを超えるのか。3月17日、ロシア大統領選でウラジミール・プーチン氏(71)が5選を果たした。



「不正疑惑はあるものの、その得票率は過去最高の87・28%と圧勝。独裁体制は盤石と言えそうです。2030年までの新たな任期を全うすれば、旧ソ連・ロシアの指導者で歴代最長に。ただ、そんなプーチン氏にも悩みの種があるようです」(全国紙国際部記者)



 それが、後継者問題だ。再選したばかりとはいえ、年齢的に“跡継ぎ”のことを考えても不思議ではない。



■ショイグ、メドヴェージェフ、パトルシェフらの名前も挙がるが

「下馬評では、ショイグ国防相(68)、メドヴェージェフ元大統領(58)、パトルシェフ安全保障会議書記(72)などの名前が挙がったことがあります」(前同)



 だが、それぞれ不安要素を抱えているようで、



「ショイグ氏は、ウクライナ戦争の長期化で国民の支持を失い、解任の噂もあります。

メドヴェージェフ氏は、リベラルな面があり、プーチン氏の信頼は薄い。パトルシェフ氏に至っては、プーチン氏同様に、高齢すぎる」(同)



■国際政治経済学者が解説

 そこで注目されているのが、5月の就任式を経て判明する閣僚人事だ。国際政治経済学者の浜田和幸氏が解説する。



「元妻との間に生まれた、長女で医師のマリヤ・ボロンツォワ(38)を厚生大臣に、次女で数学者のカテリーナ・ティホノワ(37)を文部大臣に据える意向といわれています」



 万が一の場合に備え、血縁者で脇を固めようとしているわけだが、これはあくまで伏線。



「男女格差の激しいロシアですから、本音では2人の娘よりも、イワンという現在9歳の息子を後継者に据えたいようなんです」(前同)




■法改正をして

 まさに、 “プーチン王朝”の確立を目指そうとしているわけだが、ロシアの現在の法律では「大統領の被選挙権は35歳以上」と定められている。



 9歳の息子が大統領になるには最低でも、あと26年。

それまでプーチンが大統領を務めるのは、さすがに無理があるような……。



◆大統領の被選挙権を得る年齢を引き下げ

「そもそも法改正をして5期目をやっているプーチン氏です。改正された現行法ではもう1期、つまり最長で2036年まで大統領を務めることができます。



 その間に9歳の息子は成人しますから、それまでにまた法改正をして大統領の被選挙権を得る年齢を引き下げれば、長男を後継者にすることも可能です」(同)



■アテネ五輪の金メダリスト、アリーナ・カバエワとの間に隠し子も

 プーチン氏には、31歳年下の、アテネ五輪新体操の金メダリストであるアリーナ・カバエワ氏との間に、現在5歳の隠し子の息子がいるともいわれているが、



「現状では公式に認められていない点や、36年時点で未成年であることなどから、9歳の息子のほうが有力な後継者」と浜田氏は言う。




■健康不安説は…

「一部にはそんな説もありましたが、それはウクライナ侵攻以前の話。フェイクニュース



 それにしても、プーチン氏は、なぜ後継者選びを急ぐのか。



 そして、なぜ“王朝”の確立を目指すのか。もしや健康に不安でも?



「一部にはそんな説もありましたが、それはウクライナ侵攻以前の話。フェイクニュースの可能性が高い」(同)



■ロシア大帝国を築く夢

 プーチン氏は家族思いで愛国心が強く、幼い頃から“ロシア大帝国”を築く夢を抱いていた政治家なのだと、浜田氏は言う。



「アメリカのような西側の民主国家には分断や腐敗が付き物。自分は、それに一切惑わされず、ロシア大帝国を築くために身を粉にしている。



 その自分の思いを、血族、中でも息子に継いでもらいたいという希望が強いようです。



 そのため、日本の天皇家の歴史や、中国の王朝の歴史なども調べているそうです」



“生涯皇帝”から“王朝建設”へ独裁者の欲望が尽きることはない!?