最近のスマートフォンにおけるカメラ技術の向上は著しく、クオリティの高い写真を手軽に撮影できるようになった。ほんの数秒でアプリが起動し、機種によってはAIが自動的に撮影シーンを判別してくれるから、シャッターボタンをタップするだけで美しい写真を撮ることが可能だ。
とはいえカメラ上級者になってくると、マニュアル設定を細かく行いたいという方も多いだろう。シャッタースピードやホワイトバランスなどを調整しながらこだわり抜いた写真を撮りたい場合、そのようなニーズに応えてくれる機種はそれほど多くない。
そこで今回は、カメラ初心者から上級者まで満足できるようなスマートフォンとして、ソニーによるフラッグシップモデル「Xperia 1 II」を紹介。
本記事はグローバルモデルの試作機(常時機内モード)によるレビューとなっているが、国内では5G対応モデルとしてドコモ・auが取り扱う。高品質の「ZEISS(ツァイス)レンズ」を搭載し、カメラ性能の素晴らしさが際立つ一台となっていた。
ハイレベルなカメラ性能
背面には縦長のトリプルカメラを備えている
それではさっそく、カメラ性能にフォーカスを当てて紹介をしていきたい。「Xperia 1 II」は背面にトリプルカメラを備えており、標準レンズ・望遠レンズ・超広角レンズ(3つとも約1,220万画素)という構成だ。また、併せて3D iToFセンサーも搭載し、被写体との距離を正確に測定することを可能とした。そして、大きなセールスポイントのひとつとして「ZEISS(ツァイス)レンズ」の採用が挙げられる。数多くの写真家に愛されている同ブランドのレンズにより、透明感や立体感、あるいはボケ味など、被写体の微細な質感を忠実に再現できる。
さらに、レンズには「T*(ティースター)コーティング」が施されているため、不要な反射光を低減し、クリアな描写性能を発揮してくれる点も嬉しい。
まずは、標準・望遠・超広角にて撮り比べたサンプルショットを見ていただこう。
標準レンズには1/1.7インチの大判センサーが採用されており、光を多く取り込むことができるため、白飛びや黒つぶれが発生しづらくなる。

標準モードによる撮影
望遠性能も素晴らしく、離れた位置からの撮影でも木の葉のディテールをしっかり描写できていた。

望遠モードによる撮影
超広角モードの場合は画角の広い撮影が可能となっているため、風景全体を写したいときなどに重宝しそうだ。

超広角モードによる撮影
次は、標準撮影とマクロ撮影の比較に移りたい。「Xperia 1 II」の場合は、被写体まである程度接近した時点で「マクロ撮影モード」を自動で適用してくれるため、機械の判断にまかせて適切なシーンでマクロ撮影を行うことができる。

マクロ撮影の適用は自動で判断
今回は被写体として花をチョイス。標準撮影におけるクオリティの高さはいわずもがな、マクロ撮影では独特の雰囲気がある写真を撮影できた。

標準モードによる撮影

マクロ撮影モードによる撮影
ここまでは完全なオート撮影の例として万人向けといえそうだが、「Xperia 1 II」は「Photography Pro」という機能も搭載。

クリエイティブな静止画撮影をサポートする「Photography Pro」
これは、マニュアル設定を行いたい上級者向けの機能で、「プログラムオート(P)」「シャッタースピード優先(S)」「マニュアル(M)」などのモードダイヤルから、自分好みのセッティングを選ぶことができるというもの。加えて、シャッタースピードやISO感度、あるいはホワイトバランスなど、さまざまなマニュアル設定を可能としている。

さまざまなマニュアル設定が可能
また、前述のような高性能カメラが活用できるのは静止画だけにとどまらない。「Cinematography Pro」というシネマ撮影専用機能により、何気ない日常風景を映画のワンシーンのように撮影できる。

シネマ撮影専用機能「Cinematography Pro」も搭載
スタイリッシュなデザインも魅力的

ソニーらしいシンプルな見た目
そして、本体のデザイン性も魅力のひとつ。すっきりとしたルックスで、全体的に高級感がある。ディスプレイサイズは約6.5インチとなっており、3,840×1,644(4K相当)の高い解像度を誇る。アスペクト比は21:9と縦長で、筆者が所有しているスマートフォン(約6.3インチ)と比べると、スリムであることが一目瞭然だ。

筆者のスマートフォン(右側)との比較
ソニーのスタイリッシュなハイエンドモデルとして、初心者から上級者まで満足できるようなカメラ性能を備えた「Xperia 1 II」は、さまざまな人に「撮影」の楽しさを教えてくれるスマートフォンといえるだろう。(文・早川あさひ)