フロリダ州ネイプルズのゴールデン・ゲーツ・エステイツに住むミッシェル・ホールさん(50歳)には、前のパートナーとの間に34歳、28歳、24歳になる我が子3人がおり、28歳の娘には6歳と4歳の子供がいることから、2人の孫のおばあちゃんでもある。現在の夫ジェリーさん(47歳)との間にもうけた娘オーブリーさん(14歳)と3人で、出身地だったペンシルベニア州からフロリダ州のゴールデン・ゲーツ・エステイツに数年前に引っ越してきて平凡で幸せな生活を送っていたが昨年、とんだサプライズが起こった。
ミッシェルさんは2017年にペンシルベニア州の医師から閉経したと診断されており、フロリダ州でも医師に同様の診断を受けていた。医師らはミッシェルさんの妊娠の可能性について「ゼロ」と口にしており、実際にミッシェルさんは1年以上も生理がなかった。しかしこの間、既にミッシェルさんは第5子を妊娠していたのだ。
昨年10月、体の数か所に痛みを感じたミッシェルさんは、それを閉経期症状か、10年間患っている自己免疫疾患の全身性エリテマトーデスによるものだと思っていた。しかし、ちょっとした好奇心で10月8日に妊娠検査スティックを購入し検査してみたところ、なんと陽性反応が出て仰天した。ミッシェルさんから妊娠を聞いたジェリーさんも、当然ながら驚いた。50歳にして妊娠という事実には、家族全員がショックを隠せなかったという。だが夫妻には、中絶するという考えは最初から全くなかった。
つわりや体重の増加もなかったミッシェルさんは、気付いた時点で妊娠26週に入っていることがわかった。
「妊娠の可能性としてはごくわずかでしたが、ミッシェルさんの場合、排卵された1つの卵子が運よく受精したのでしょう。」
妊娠に気付かず過ごしたまま、出産を迎える女性がいることを常に不思議に思っていたミッシェルさん。そんな女性らの様子をテレビで見たりするたび「あり得ない」と口にしていたことが、自分に起こってしまったと笑う。幸いにも出産前の2か月は順調に進んだが、街を歩くと周りからは好奇の視線を投げかけられたとミッシェルさんは話す。
「多くの高齢者たちから二度見されるほどでした。妊婦の私を見て彼らは、私が見た目同様の年齢なのか否か計りかねているようでした。」
昨年12月27日、予定していた帝王切開でミッシェルさんは男児グレイソン君を出産した。医師らの計算では37週になっていたとされたが、実際には34週もしくは35週での出産だった。12日間、NICU(新生児集中治療室)で過ごしたグレイソン君は心拍数が遅く、睡眠時無呼吸であることや一時的に呼吸器系の問題を抱えていることが判明し、「やはり、何かしらの問題があるとは覚悟していた」とミッシェルさんを不安にさせたが、1月7日にグレイソン君は無事退院の日を迎えることができた。
現在、ミッシェルさんとジェリーさんはようやく子育てに落ち着いてきたようだ。最後にミッシェルさんは、笑いながらこのように語っている。
「女の子ならグレース(Grace)と名付けたかったのですが、男の子だったのでグレイソン(Grayson)にしました。妊娠はサプライズでしたが、この子は神の恩寵を受けて授かった子供です。でも、もうこれで最後。帝王切開後に卵管の切除手術をしたので、今度こそ100%妊娠することはないでしょう。」
画像は『Naples Daily News 2019年3月1日付「Golden Gate Estates grandma delivers surprise baby, restarts motherhood at 50」(Srijita Chattopadhyay, Naples Daily News)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)