英時間13日、エリザベス女王の“公式誕生日”を祝う特別行事がウィンザー城にて開催された。通常であれば大規模な近衛兵や音楽隊が参加し、盛大な祝賀式典「トゥルーピング・ザ・カラー」が行われるのが恒例だが、今年はパンデミックの影響によりイベントは中止、そのためこの日はかなりこぢんまりとした規模で特別儀式が行われた。

1926年4月21日生まれの英エリザベス女王は、今春94歳の誕生日を迎えた。英王室は先日公式SNS上で女王が乗馬を楽しむ姿を投稿したほか、今月10日の夫エディンバラ公フィリップ王配の誕生日には夫妻のツーショットを披露するなど自主隔離中も元気な姿を度々公開して国民を喜ばせている。

そんなエリザベス女王には4月の誕生日とは別に、もう1つ“公式誕生日”なるものがある。毎年6月の第2土曜日に指定されているその“公式誕生日”には、通常「トゥルーピング・ザ・カラー」と呼ばれる祝賀行事が開催され、1400人以上にのぼる近衛兵、およそ400人の音楽隊、そして200頭もの馬たちが参加する盛大なパレードが行われる。エリザベス女王を祝福しようと、毎年たくさんの人が沿道に集まり、英王室ファミリーがバッキンガム宮殿のバルコニーに勢ぞろいするのが恒例で、2018年には新婚だったメーガン妃が昨年はウィリアム王子・キャサリン妃の次男ルイ王子がそれぞれ“バルコニーデビュー”を果たし、英空軍「ロイヤル・エアフォース」の飛行連隊がバッキンガム宮殿上空を通過する祝賀飛行「フライパスト(Flypast)」を見上げるルイ王子のキュートな姿が話題を集めた。

その王室の一大イベント「トゥルーピング・ザ・カラー」は今年、新型コロナウイルスの影響を受けて開催中止が決定していた。しかし“公式誕生日”に当たる13日には、女王が自主隔離生活を送るウィンザーから通常の“縮小版”とも言えるこぢんまりとした特別儀式が行われた。エリザベス女王はこの日のためにウィンザー城広場に特別に設置された高座から、ウェールズ近衛連隊による行進や軍楽隊による演奏を楽しんだ。どちらもかなりスケールダウンされていたが、ソーシャルディスタンスを意識し6フィート(約2m)の距離を保ちながら近衛兵が次々とフォーメーションを変えていく様子は圧巻で、そのもようは公式SNS上にもタイムラプラス動画で公開されている。


パンデミックによるロックダウン以降、初めて公の場に姿を現したエリザベス女王。通常であれば長男のチャールズ皇太子夫妻や孫のウィリアム王子・キャサリン妃一家ら家族、そして沿道に集まる大勢の国民らとともに賑やかに過ごすはずの“公式誕生日”だったが、20分に縮小されたこの特別式典でも常に笑顔を絶やさず単独公務に臨み、国民を大いに喜ばせた。

なお公式SNSによれば、英王室伝統の「トゥルーピング・ザ・カラー」が通常規模での開催が中止されたのは、1955年以来初めてのことだという。ロイヤルメンバー達もここ数か月はリモート公務がメインとなっていたが、来年の6月にはロイヤルファミリーが勢ぞろいした姿が見られるようになっていることを期待したいものだ。



画像は『Duke and Duchess of Cambridge 2020年6月13日付Instagram「To mark The Queen’s Official Birthday today, Her Majesty viewed a military ceremony in the Quadrangle of Windsor Castle.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 c.emma)