昆虫に感情があるとはイメージし難いことだが、このほどイギリスでミツバチ科のマルハナバチが救ってくれた少女のそばを離れず、そのままペットとして飼われることになったという。このマルハナバチは犬や猫のように懐いているように見え、いつも少女と一緒で夜は彼女のベッドの横で眠るそうだ。
『LADbible』『The Mirror』などが伝えている。

今月上旬、英ウェスト・ミッドランズ州コヴェントリーに住むレイシー・シリングロウさん(Lacey Shillinglaw、13)が近所で犬を散歩していた時、道路に1匹の弱っているマルハナバチに気づいた。ハチは羽がクシャクシャになっており、飛ぶことができなかったようだ。

このままでは走行中の車に潰されてしまうのは目に見えていたため、レイシーさんはハチを近くの公園に咲く花の上に移してあげた。しかしハチは花の上に留まらず、レイシーさんのそばから離れようとしなかったという。レイシーさんは何度も花の上にハチ留めようとしたが、1時間後には諦めてハチを肩に乗せたまま自宅に帰るしかなかったようだ。


帰宅後もレイシーさんはハチを外へと放してあげようと試みたが、そばを決して離れることはなかった。そして最終的にレイシーさんは、ハチに“ベティ(Betty)”と名前をつけてペットとして飼うことにした。

今月8日にレイシーさんは初めてベティを連れて外出したそうだが、この時は母親のローラ・パシュレイさん(Laura Pashley、35)も一緒で、ミルクを買うために近所の店に入ったという。店内でベティはレイシーさんのメガネの上に留まっていたが、他の買い物客がレイシーさんとベティを目にして驚いていたそうだ。


またベティは夜になると、レイシーさんのベッドの横のサイドテーブルにある小さな器に入って一緒に眠るとのこと。レイシーさんはベティに砂糖水や蜂蜜、イチゴジャムを与えており、時々グミのお菓子をあげることもあるという。
そんなベティについてレイシーさんはこのように語っている。

「ベティは本当に素晴らしいんですよ。私はこの経験を一生忘れることはないと思います。ベティは初めて会った日にどこかへ飛んで行ってしまうと思ったけど、どこにも飛んで行くことはありませんでした。ベティはとてもふわふわしていて、私はこの関係が大好きなんです。」

不思議なことにベティはレイシーさん以外の家族には決して近づかないそうだ。母親のローラさんは「うちはドアを開けっ放しにしていることが多いのですが、ベティは一度も外に出たことがないんですよ。
何故なのかさっぱり分かりません」と首を傾げている。

ちなみに2016年9月29日の『The New York Times』でミツバチの感情についての研究結果が報じられたが、そこには「昆虫にも感情のようなものがある」と示唆されていた。研究者たちは困難ながらその状態を突き止めようとしており、「甘い物がマルハナバチの意思決定に変化を与え、楽観的な状態に似たような状況を作り上げる可能性がある」と述べている。

画像は『LADbible 2021年8月21日付「Teenager Who Rescued Bumblebee Adopts It As Her Pet After It Refused To Leave Her Side」(Credit: SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)