R-指定とDJ松永によるHIPHOPユニット・Creepy Nutsが、11月13日放送の『マツコ会議』(日本テレビ系)にゲスト出演してMCのマツコ・デラックスと熱いトークを繰り広げた。DJ松永がマツコの洞察力に胸を打たれて感涙する展開となり、話題は日本におけるHIPHOPやテレビの現状から今後の展望にまで及んだ。
番組関係者でさえ「震えました」という内容に、お笑いコンビ・千鳥のノブなどはタジタジとなったようである。

フリースタイルでラップの腕を競うMCバトルを得意とするR-指定は全国大会3連覇。ターンテーブリストのDJ松永は『DMC WORLD DJ CHAMPIONSHIPS 2019』で優勝して「世界一のDJ」と呼ばれる存在だ。『ワイドナショー』(フジテレビ系)などバラエティ番組に出演して広く知られるようになり、ラジオ番組をきっかけに菅田将暉とコラボして楽曲『サントラ』を配信リリース。「Creepy Nuts×菅田将暉」として2020年9月放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演した。

『マツコ会議』では冒頭こそバラエティ番組で活躍するDJ松永をいじっていたが、やがて当のDJ松永から「HIPHOPを日本で広めるには限界がある」という本音が出た。
それを受けてマツコ・デラックスが本場アメリカでHIPHOPが根付く環境に日本も少しずつ近づいていると現状を分析。「不安感や怒りは前よりも大きくなっており、それを表現するのにHIPHOPは適している」という持論とともに「日本でHIPHOPが広がらないのはテレビにも一因がある」と説いた。

HIPHOPについて真摯に考えるマツコの話を聞くうちに、感極まったDJ松永が涙をこぼして「分かってくれすぎて嬉しい」と声を詰まらせれば、R-指定は「テレビに出た時点で“本物”を表現することに気を遣わねばならず『これをやったら誰かを傷つける可能性がある』と考えてしまい、人質にとられた感覚になる」と訴えた。その後もディープなトークが続き趣旨がエンターテインメントにまで行き着くと、マツコは「本当に大事な魂まで売り出したら、笑ってもらっているのではなく笑われて生きるようになってしまう」、「みんな最後に絶対売っちゃいけないものを売りすぎ」と警鐘を鳴らしながら、またしてもDJ松永の涙を見てもらい泣き。涙の意味について「勝手に感じてくださっていいんですけど、絶望と希望が入り交じった涙ですよ」とフォローしていた。


『ザ!鉄腕!DASH!!』を手がける島田総一郎プロデューサーは『マツコ会議』も担当している。
オンエア前にTwitterで「3人の会話が心に染みて染みて…今も余韻に浸ってます」と収録を振り返り、「『表現』する事に対し、壁や限界を感じている多くの人に観てもらいたいです」と呼びかけていた。一方、演出担当の橋本和明ディレクターは「ここまで深い話をテレビでできるのかということにも震えました」とツイートしており、オンエア後には多くの制作者から感想が届き「みんな苦しい思いで、表現を模索しているんだなあ」と実感したそうだ。さらに自分を含めたテレビ関係者に向けて「伝わるのは熱量だけなので、絶望の中でもあがいて、熱量だけは放っていきたいですね。そこだけ下りずに戦いましょう」とエールを送った。

そんななかオンエアを見て反応したお笑い芸人が千鳥ノブである。


直後に『千鳥かまいたちアワー』の放送が控えていたため「その前のマツコ会議が凄すぎるて」とツイートしたところ、「DJ松永がもがいている姿にグッときた」というフォロワーが「そっからの千鳥には行けなくて録画にしちゃってゴメンなさーい」とコメント。
他にも「すいません今日はcreepyからの温度差エグすぎて録画勢です」というような声が目立っていた。

画像2、4枚目は『Creepy Nuts 2021年11月11日付Instagram「2021.11.11.thu「有吉の壁 Break Artist Live’21 BUDOKAN」at.日本武道館」』『NTVマツコ会議 2021年11月13日付Twitter「マツコ× #CreepyNuts 完全燃焼!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)