ロシア軍がウクライナへ侵攻してから1か月経つが、未だ収束の気配が見えていない。そんな中、ウクライナに侵攻したロシア軍兵士がウクライナの市民権と引き換えに戦車を明け渡して降伏したという。
『New York Post』『The Sun』などが伝えている。

今月22日、ウクライナ内務省のビクトル・アンドルシフ大臣(Victor Andrusiv)がFacebookで「ロシア軍兵士が降伏した」と声明を発表した。添えられた写真には、銃を構えるウクライナ軍兵士と地面に伏して降伏するロシア軍兵士の姿があった。

投稿によると、ウクライナ政府は過去数週間にわたってロシア軍兵士が使用しているスマートフォンを特定し、降伏したい場合の条件と戦車や兵器などの軍備の引き渡し方法などをSMS(ショートメッセージ)で送信していたという。そして今回、降伏したロシア軍兵士についてこのように綴られていた。

「数日前にロシア軍兵士の“ミーシャ(Misha)”から電話があり、我々は彼に関する情報をウクライナ国防省情報総局に伝えました。
我々は待ち合わせ場所を指定し、彼がやってきた時には念のためドローンで付近を監視し、待ち伏せ攻撃などの罠でないことを確認した上で我々の特殊部隊が彼の身柄を拘束しました。」

「ミーシャによると、戦車に乗っていた仲間の兵士は彼を残して逃げ去ったとのことです。そこでミーシャは『戦い続けることに何の意味もない』と思ったようです。彼によれば食料はほとんど残っておらず、軍の部隊の運営も混乱をきたしておりほとんど機能していないようで、ロシア軍兵士の戦意喪失が拡大しているようです。」

ミーシャという名前は仮名のようだが、『The Sun』によると彼はロシアに帰国することを恐れており、今後はロシア軍による侵攻が止むまでの間、テレビや電話にキッチンや浴室を使用することが許された快適な環境に置かれるそうだ。また侵攻が収束したあかつきにはウクライナの市民権を申請する権利が与えられ、1万ドル(約124万円)の報酬を受け取る予定とのことだ。

画像は『UNILAD 2022年3月27日付「Russian Soldier Surrenders In Return For £7,500 And Ukrainian Citizenship」(Credit: Alamy)』『Victor Andrusiv 2022年3月22日付Facebook「Русские сдаются! З технікою」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)