今月5日、米モンタナ州で2日間行方不明だった3歳男児が無事に保護された。そこは野生のピューマやクマが生息する地域で、男児が行方不明になった日の夜は激しい雷雨で気温が4度まで下がったそうだ。
自宅の庭で犬と一緒に遊んでいたところ、突然姿を消した男児が発見されたのは約3.2キロ離れた場所にある小屋の中で、男児は芝刈り機の袋に入って暖を取っていたという。『TODAY』『New York Post』などが伝えている。

米モンタナ州リンカーン郡トロイに暮らすライカー・ウェッブ君(Ryker Webb、3)の行方が分からなくなったのは6月3日午後のことで、自宅の庭で一緒に遊んでいた父親が家の中に入った数分間で姿が見えなくなってしまったという。

捜索には地上捜索隊の他に全地形対応車(ATV)、ドローン、救助犬チーム、50人以上のボランティアが配備され、さらにモンタナ陸軍国家警備隊のヘリコプター2機が捜索活動を支援したが、雨で視界が悪かったため難航したそうだ。だが2日後の6月5日、ライカー君の自宅から2マイル(約3.2キロ)ほど離れた場所にある小屋で発見された。

その日、サンダース郡に住むある夫婦が自宅敷地内の物置小屋から子供の泣き声が聞こえたため中を調べたところ、芝刈り機の袋に入ったライカー君がいたという。


リンカーン郡保安官事務所のダレン・ショート保安官(Darren Short)は、当時の状況をこのように明かしている。

「ライカー君はブル湖の東側にある自宅から2マイル(約3.2キロ)ほど離れた場所で発見されました。彼は昆虫に興味を持っており、家の裏の小道にはひっくり返したばかりだと思われる岩がいくつもありました。ライカー君は虫を探しているうちに迷い込んだと思われます。この地域にはピューマやクマが生息しています。そして行方不明になった日の夜は雷雨で気温は4度まで下がりましたが、彼は小屋に避難して芝刈り機の袋に入って暖を取っていたのです。」

「ライカー君は土と汚れにまみれた水色のカバーオール(首から足先まで覆う服)を着ていただけで、足先には穴があいていたので散歩したのか尋ねました。
どうやら長い時間歩いていたようで『とても疲れた』と話していました。食べ物や水もなく、寒い中で2日間もひとりで過ごしていたせいでライカー君はひどく怯えていて、最初は目を見開いて怖がっていました。ですが両親と再会した時にその目は輝いていました。」

その後、ライカー君は「キャビネットピークス・メディカルセンター(Cabinet Peaks Medical Center)」に搬送されたが、顔にあざができており脱水症状や疲労が見られたものの、現在は元気にしているそうだ。


ショート保安官は捜索に協力してくれた捜索隊やボランティアに感謝しつつも、事件はまだ解決していないとしてこのように述べた。

「ライカー君が行方不明になってから48時間足らずで奇跡的に発見され、無事に家族のもとに帰ることができました。捜索にご協力いただいたみなさんには深く感謝しています。
しかしながらこの事件はまだ解決していません。我々が最初の報告を受けたのは、ライカー君が行方不明になった2時間後の午後4時43分でした。行方不明届を出すまでに少なくとも2時間かかっているのです。我々はその理由を明らかにしなければなりません。なぜ姿を消したのか、そしてなぜ見守られていなかったのか、今後も詳しい調査を続けます。」

画像は『Lincoln County Sheriff’s Office - Montana 2022年6月5日付Facebook「UPDATE. SUCCESSFUL RECOVERY.」、2022年6月6日付Facebook「NEWS RELEASE Missing Child Found」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)