ウィリアム皇太子とヘンリー王子が、6人のいとこ達を率いて伝統儀式「子供達の夜警(Vigil of the Children)」を執り行った。ヘンリー王子は特別に許可された軍服姿で会場に現れ、エリザベス女王の棺の前に立った。

現地時間17日午後6時、エリザベス女王の棺が一般公開されているウェストミンスター・ホールで衛兵交代を知らせるための床を叩く音が鳴り響いた。

するとホールの階段をウィリアム皇太子が下り始め、ヘンリー王子が後に続いた。その後ろには、2人のいとこであるベアトリス王女ユージェニー王女、レディ・ルイーズ・ウィンザー、セヴァーン子爵ジェームズ、ザラ・ティンダルさん、ピーター・フィリップスさんが歩き、女王の8人の孫達が勢揃いした。

ヘンリー王子は王室離脱後に米カリフォルニア州に移住しており、その後軍の名誉称号や役職を返上した。王子はアフガニスタンに2度派遣されるなど最前線で活躍したが、現役の王室メンバーでないため公の場で軍服を着ることは許されていなかった。

しかし今回はチャールズ国王から特別に許可が下り、ウィリアム皇太子と共に軍服を着ることになったのである。

ホールでは一般の弔問客も列をなして並んでいたが、ウィリアム皇太子とヘンリー王子がいとこ達と登場すると会場は静寂に包まれ、8人が歩く足音だけが鳴り響いた。

ウィリアム皇太子は棺の先頭に立ち、ヘンリー王子は反対側に、他のいとこたちは棺の両側に立った。

棺に背を向けて立つ8人は、両手を前に組んで頭を下げると10分間にわたり黙祷した。そして再び床を叩く音が鳴り響くと顔を上げ、棺の前から並んで歩き去った。

ホールの脇ではレディ・ルイーズ・ウィンザーとセヴァーン子爵ジェームズの両親であるエドワード王子とソフィー妃が、その様子を静かに見守っていた。

儀式の間も一般の弔問客は次々と入場しており、人々は棺の前で一礼したり、涙をぬぐいながらホールを後にする人もいた。

この前日16日の午後7時半過ぎには、チャールズ国王をはじめとする女王の4人の子供達が棺の前に集まり伝統的な儀式を執り行った。

この日も現役の王室メンバーでないアンドルー王子が軍服を着ることを許可され、国王とアン王女、エドワード王子の4人全員が、軍服姿で母の棺の前に立って黙祷した。

「子供達の夜警(Vigil of the Children)」は1936年、ジョージ5世の4人の息子達が棺を見守ったのが始まりだ。2002年には、エリザベス女王の母エリザベス皇太后の4人の孫がウェストミンスター・ホールで皇太后の棺の前に立っていた。



画像2枚目は『The Royal Family 2022年9月17日付Twitter「The Queen’s grandchildren hold a Vigil beside Her Majesty’s coffin at Westminster Hall.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)