英ロンドンのウェストミンスター寺院で現地時間19日、故エリザベス女王の国葬が執り行われた。女王の棺はウェストミンスター・ホールから葬列で運ばれ、王室メンバーや世界各国首脳など2000人以上が参列する礼拝堂へと入場した。

ウェストミンスター寺院で英時間19日午前10時45分、エリザベス女王の棺が安置されていたウェストミンスター・ホールから運び出された。

棺は砲車に乗せられ、ウェストミンスター寺院に向かうパレードが開始された。棺の後ろではチャールズ国王ウィリアム皇太子ヘンリー王子らが並んで歩いたが、アンドルー王子は涙ぐんでいる様子だった。

棺の上には英王室旗「ロイヤル・スタンダード」がかけられ、紫のクッションの上に置いた王冠、宝珠と王笏、そしてチャールズ国王が庭で選んだ女王のお気に入りの花のブーケが添えられた。

歴史的なこの日は、8日に女王が崩御して以来、英国全土が喪に服していた期間のフィナーレとなった。

寺院の外からロンドン中心部に続く葬列のルートの沿道には、推定200万人の人々が集まった。

警察による警備は、女王の即位70周年記念式典「プラチナ・ジュビリー」や2012年「ロンドン・オリンピック」を上回る、英国史上最大のものとなった。

女王の棺を乗せた砲車がゆっくりと通り過ぎると、周囲には静寂が訪れた。沿道に集まった群衆は歴史的な瞬間を目撃するために押し寄せ、多くの人々が写真撮影をしていた。


ウィリアム皇太子夫妻の息子ジョージ王子と娘シャーロット王女は前日に急遽参列することが決定しており、2人はカミラ王妃キャサリン皇太子妃とともに車で移動した。

棺を運ぶ葬列は、午前11時前にウェストミンスター寺院に到着。棺が寺院に入ると、ジョージ王子とシャーロット王女が王室メンバーとともに女王の棺の後を並んで歩いた。


ゴシック様式のウェストミンスター寺院では、1066年以来に君主の戴冠式が行われるなど英国で最も重要である寺院として知られている。エリザベス女王は1953年に同寺院で戴冠式を行い、1947年には故エディンバラ公フィリップ王配とのロイヤル・ウェディングを執り行った。

この日、礼拝堂は女王の親族や世界各国の首脳陣、VIPなど約2000人のほか、招待された数百人の一般市民の参列者などで埋めつくされた。

ビッグベンが1本の鐘を鳴らして礼拝の開始を告げると礼拝堂は静寂に包まれ、讃美歌と祈りの音だけが響き渡った。

なお国葬は正午に終了。女王の棺が寺院から運び出されると、王室メンバーが再び葬列に参加し、バッキンガム宮殿の近くにあるウェリントン・アーチまでの壮大な葬列が行われた。

このあと棺は霊柩車に乗せられてウィンザー城の敷地内にある聖ジョージ礼拝堂に移動し、午後4時から追悼礼拝が執り行われる。



画像は『The Royal Family 2022年9月18日付Instagram「Ahead of Her Majesty The Queen’s Funeral」、2022年9月19日付Instagram「As for her father King George VI」』『ITV News 2022年9月19日付Twitter「The State Gun Carriage carrying the Queen’s coffin has begun its funeral procession from the Palace of Westminster」「Royal family members were seen singing ‘The Day Thou Gavest, Lord, Is Ended’」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)