ヘンリー王子とメーガン妃の日常を追うNetflixのドキュメンタリーシリーズの配信日と、王子の自叙伝の発売日が延期となった。当初これらの内容は、王室に関する爆弾発言で満載になると予測されていたが、女王の崩御後、夫妻が内容の変更を求めていた。
その理由について王室専門家は「祖母の遺志を継ぐのではなく、自分達を守るため」と解説している。

ヘンリー王子メーガン妃は2020年3月に王室を離脱し、息子アーチー君(3)と一緒に米カリフォルニア州に移住。翌年3月にはオプラ・ウィンフリーのインタビュー番組に出演し、王室に関する爆弾発言を世界に向けて放った

そして同年7月には、ヘンリー王子が「ペンギン・ランダム・ハウス(Penguin Random House)」から出版される自叙伝を執筆中だと発表したのだ。当時、同著は2022年秋に発売する予定と報じられていた。

同出版社は声明文で「ヘンリー王子は、自分を形成するのに役立った経験、冒険、損失、人生の教訓の決定的な記録を初めて共有します」と述べ、この本が「正直で魅力的な、個人のポートレートになる」と予告していた。


すると多くのメディアはその内容について、兄ウィリアム皇太子との確執や王室メンバーとの関係が描かれると憶測した。

しかしエリザベス女王が先月8日に崩御したことを受け、自叙伝の発売は来年以降に延期されると報じられた。米メディア『Page Six』によると、自叙伝は今年秋に発売予定だったが、ヘンリー王子は土壇場になって編集したいと申し出たという。

さらに夫妻は2020年9月に動画配信サービスNetflixと複数年におよぶ契約を交わし、その一環として1年以上前からドキュメンタリーシリーズの制作に取り組んできた。Netflixでは王室を描いたドラマ『ザ・クラウン』のシーズン5を11月9日に配信開始後、翌月12月にヘンリー王子夫妻のドキュメンタリーシリーズを配信する予定だった。

しかし夫妻は女王の崩御後、この番組にも編集を加えたいと申し出たのである。
そのため番組の配信は来年以降に延期せざるを得なくなった。

業界関係者は同メディアの取材に応じ、「ヘンリーとメーガンはシリーズの配信を一旦停止し、来年まで待ちたいそうです。このままでは番組がお蔵入りするかもしれません。夫妻はただ単に、この計画を見送りたいだけなのでしょうか」と答えている。

現在、ヘンリー王子夫妻は息子アーチー君と娘リリベットちゃん(1)の称号をめぐり、チャールズ国王との関係が緊迫化していると報じられている。2人の子供達には“王子”と“王女”の称号が与えられるが、王子の自叙伝や今後の活動の内容次第では、国王が子供達の称号使用を禁ずる可能性もあると専門家が分析していた。


また夫妻は2023年に王室と和解するため、生前のエリザベス女王に媚びる計画を練っていたとの話題も浮上した。しかし女王が崩御したため、夫妻は和解計画を続行するために君主となったチャールズ国王に敬意を払う必要に迫られているのだ。

夫妻が女王の崩御後に編集を求めた理由について、ロサンゼルスを拠点とする王室専門家キンゼイ・スコフィールド氏(Kinsey Schofield)は「祖母の遺志を継ぐというのとは、ちょっと違うような気がします」と言い、次のように解説した。

「ヘンリー王子は、女王の死と父親の新たな治世が訪れるこのタイミングで(王室に)批判的な話をすることで、無神経と見られたくないのです。夫妻の人気は爆弾発言以来、急降下しています。世間の人々は王室の味方なのです。
本や番組の編集を求めたのは、王室のためというより自分達を守ることが目的なのでしょう。」

画像は『The Duke and Duchess of Sussex 2020年1月8日付Instagram「After many months of reflection and internal discussions, we have chosen to make a transition this year in starting to carve out a progressive new role within this institution.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)