Netflixが制作するヘンリー王子とメーガン妃のドキュメンタリーシリーズの配信開始日について、さまざまな憶測が飛び交っている。当初は王室ドラマ『ザ・クラウン』最新シーズンの11月配信開始後、12月に配信されると囁かれていた。
しかし現地時間17日に米メディア『Deadline』が、最近『ザ・クラウン』への批判が高まったためドキュメンタリー配信は来年に延期が決定したと報道。すると数時間後には別のメディアが反論し、配信予定は12月のままで進めていると伝えたのだ。

ヘンリー王子メーガン妃夫妻は2020年9月にNetflixと複数年におよぶ契約を交わし、その一環として1年以上前からドキュメンタリーシリーズの制作に取り組んできた。

同シリーズはNetflixと夫妻の制作会社「アーチウェル・プロダクション」によるもので、正式な番組タイトルや配信開始日などは発表されていない。

配信開始日については、11月に配信される人気ドラマ『ザ・クラウン』シーズン5の後で「12月になる」と伝えられていた。

しかし先月8日にエリザベス女王が崩御後、ヘンリー王子夫妻が突如番組内容の変更を求め、配信開始を来年以降に延期したいと要求したことを米メディア『Page Six』が報じていた


同メディアは先日、ドキュメンタリーの内容に多くの矛盾が判明したことを報道しており、制作スタッフによると撮影中に夫妻が語った言葉とヘンリー王子が執筆した自叙伝の内容が食い違っていたという。この際に複数の情報筋が、Netflixは今年12月初旬にドキュメンタリーを配信する予定であると認めたそうだ。

夫妻のドキュメンタリー配信開始日について情報が錯綜するなか、米メディア『Deadline』は現地時間17日、Netflixは同シリーズの配信開始を2023年に延期すると決定したことを伝えた。

『Deadline』によると、延期の理由は11月に配信する『ザ・クラウン』シーズン5に対する批判を受けてのことだという。

同ドラマのエピソードでは、当時の英首相ジョン・メージャー氏がチャールズ皇太子(当時)に呼び出され、母エリザベス女王を退位させるために首相の支持を要請するというフィクションの場面があるそうだ。

これを受けメージャー氏の広報担当者は現地時間15日、「有害で悪意に満ちたフィクションに過ぎない。
すべて虚無であり、劇的なインパクトを与えるためのナンセンスを詰め込んでいる」と強く批判。チャールズ国王の友人らは、番組のボイコットを呼びかけていた。

同メディアの情報筋は「こういった動きがNetflixを震撼させたのです。彼らはすぐに反応し、ドキュメンタリーの延期を決定しました」と言い、番組に対する批判が決定打になったことを明かしたのだ。

『Deadline』の報道から数時間後、米メディア『Page Six』はある有力な業界関係者が「私が知る限り、このドキュメンタリーは今年後半に配信する予定で進められています」と語ったと伝え、来年に延期するという話題を否定したのである。

『ザ・クラウン』シーズン5は、1991年から1997年の間に起こった事実を基にフィクションを交えたストーリー展開だ。
ドミニク・ウェスト演じるチャールズ皇太子(当時)がダイアナ妃と激しい口論する場面や、愛人関係にあったカミラ夫人(当時)とのロマンスなどが描かれているという。

この他にも、女王の夫で故エディンバラ公フィリップ王配の不倫シーンがあることが明らかになっている。女王の崩御後まもなくこのような内容を配信することについて、王室関係者は「悪質極まりない」と猛批判していた。

さらに番組の上層部は、ダイアナ妃がパリで事故死した日のことを描く計画をしているようで、制作スタッフは「一線を越えた」とそのような場面の撮影に猛反対したことを明かしたばかりだった。

画像は『The Royal Family 2019年7月15日付Instagram「The Duke & Duchess of Sussex have attended the European Premiere of The Lion King film.」』『The Crown 2022年10月17日付Instagram「A house divided.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)