来年1月10日に発売されるヘンリー王子の自叙伝だが、そのタイトルが『SPARE(予備・スペア)』であることを出版社「ペンギン・ランダムハウス(Penguin Random House)」が発表した。注目が集まる王子の自叙伝。
その本のタイトルに王室専門家は「ヘンリー王子がまだ恨みでいっぱいである」と見解を示し、王室関係者は「王室へのさらなる攻撃」と呼んでいる。

416ページにわたる自叙伝『SPARE(予備・スペア)』は、発表に伴い専用のWEBサイトも開設され、印刷物とデジタル形式、そしてヘンリー王子自身が読むオーディオブックで発売される。

出版社の「ペンギン・ランダムハウス(Penguin Random House)」は同著について「純粋で、ひるむことのない誠実さで王子が物語を語る」と述べた。

表紙には「PRINCE HARRY」「SPARE」の文字とともに、王子がカメラのレンズを通して訴えるような視線を送るポートレートが掲載されている。タイトルの『SPARE(予備・スペア)』は、“継承者と予備の人”(The heir and the spare)というフレーズへの言及だと英紙『Daily Express』では説明している。

このフレーズは通常、王室や貴族階級において1人(長男)が称号を継承し、もう1人(次男)は継承した者が何かあった場合に家系を保証するため2人の子供が必要だと言われているものである。


王室専門家で伝記作家のアンジェラ・レヴィン氏(Angela Levin)はTwitterで、自叙伝のタイトルに隠された意味についてこのように指摘した。

「ヘンリー王子の自叙伝のタイトル『SPARE(予備・スペア)』の意味を考えると、とても悲しいですね。彼がまだ自分自身について予備と思っているのでしょうか。セラピーを受け、崇拝する妻を得て、憧れの自由を得たのに、まだ恨みがいっぱいで復讐をしようとしています。表紙の彼の目を見れば分かりますよ。」

また王室関係者は自叙伝のタイトルを、「対立的」であり「王室へのさらなる攻撃」と呼んでいるという。

なお情報筋が英紙『The Mirror』に語ったところによると、同著のタイトルはヘンリー王子が選んだのか、それとも出版社が選んだのかは不明とのことだ。



同出版社は自叙伝の内容について、ウィリアム皇太子とヘンリー王子の母であるダイアナ妃を亡くした過去に触れ、このように述べた。

「ダイアナ妃が安らかに眠った時、王子達は何を考え、何を感じ、そしてこれからどのような人生を歩んでいくのだろうかと多くの人が思ったことでしょう。ヘンリー王子にとって、これはついに自分の物語となったのです。」

母であるダイアナ妃の死はウィリアム皇太子にとっても辛く悲しいものであった。自叙伝の執筆について兄への相談もなかったとされるヘンリー王子だが、その内容が皇太子を傷つけることになれば兄弟の溝はさらに深まりかねない。

英紙『The Mirror』の王室記者ラッセル・マイヤーズ氏(Russell Myers) は次のように明かしている。

「内容はともかく、タイトルからして爆発的に売れることは間違いないでしょうが、これがヘンリー王子とメーガン妃の王室との和解への手段として機能する可能性はほとんどないでしょう。」

画像2、3枚目は『Penguin Random House 2022年10月27日付Twitter「We are excited to announce the remarkably personal」』『Angela Levin 2022年10月27日付Twitter「Spare, the title of Harry’s book is desperately sad.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 雨宮瑠亜奈)